カテゴリ:森田理論学習の進め方
先日素晴らしい学習会の体験をした。
それは公益財団法人メンタルヘルス岡本記念財団が、企画制作されたDVDを集談会の理論学習で視聴したことだ。これは財団が全国各地で開催されている心の健康セミナーを収録されたものだ。 「森田療法と症状別の治療法」というDVDである。2枚一組である。 定価2000円で、岡本記念財団で入手できる。 どの先生の話も素晴らしい。 この中で今回は「不安・こだわりに縛られた生活から自由な生き方へ」を視聴した。 法政大学の久保田幹子先生の講話で、約50分ぐらいだった。 森田理論をこれほどわかりやすく、簡潔にまとめられた講話はあまり出会ったことがなかった。 それだけにとても感動した。 16名の人たちと一緒に視聴したが、一様に感動を分かち合うことができた。 皆様にもぜひ視聴されることをお勧めしたい。 一人のパニック障害の患者に森田療法を導入して、克服へと導く過程が詳細に説明されていた。 以下私のメモを参考にして少し紹介してみたい。 ・不安の裏には欲望がある。 ・とらわれの機制としては注意と感覚の悪循環と「かくあるべし」という思想の矛盾がある。 ・それに神経質性格が影響を与えている。 ・治療してはまず受容と共感で相手を受け入れる。 ・パニック障害の人は、このまま死んでしまうのではないかと思っている。 ・器質的な病気がない限り、そのまま死んでしまうことはない。20分ぐらいで収まる。 ・症状が強まる理屈を理解してもらう。 ・パニック障害の人は、「予期不安」が強くなっている。 意識や注意がパニック発作が発生することばかりに向いている。 ・感情の法則を説明をされた。不安を抑えようとすると、ますます強まってくる。 持ちこたえて、目の前のやるべきことに手を出していく。 ・発作を怖れて、病人のような生活を作りだしているのはたいへんまずい。 ・パニック障害を取り除くための行動は、ますます症状を強化してしまう。 ・行動は不安を取り除くために行うのではなく、生きていくために必要だから行うという姿勢を持つことが大切である。 私の感想です。 認知行動療法に暴露療法がある。 電車に乗って移動できないという人に、不安の程度を10項目ぐらいに分けて簡単なところから不安を取り除いていくという方法である。 最初は、身支度をする。家を出る。駅まで行ってみる。切符を買う。改札をくぐる。電車を待つ。各駅停車の電車に乗る。次の駅まで乗る。目的の駅まで乗る。急行に乗る。 そのうち不安が解消できて、次第に電車での移動が可能になるというものである。 森田では直接パニック障害が起きている部分にだけに焦点を当てない。 不安と欲望の関係、不安の役割を学ぶ。感情の法則を理解する。 思想の矛盾の弊害を理解する。 特に、不安は欲望の裏返しで発生しているので、取り除くことはできない。 取り除いてはいけない。それは抱えたまま、実生活の方に目を向けていく。 行動は自分の生活を前に進めて行くために、必要なことにどんどん手を出していく。 森田理論は対症療法ではなく、外堀から埋めていくやり方である。 すると不安が次第に変化してくる。問題にならないくらいに小さくなる。 この方法だと再発することはない。 それどころか、神経質性格者としての生き方が明確になる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019.08.22 06:30:07
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