カテゴリ:森田理論学習の進め方
7月号の生活の発見誌(65ページ)に素晴らしい記事があった。
カウンセリングは、全プロセスを通して「傾聴」がカウンセラーのとるべき基本的態度となります。しかしカウンセリングは「傾聴」の技法で終わるわけではなく、クライエントが抱えている悩みの真の原因を洞察し(カウンセリングではそれを「見立て」と言います)、「質問」や「言い換え」などの様々な技法を使って、その原因にクライエント自身が「気づく」ように導いていきます。 森田療法で、このカウンセリングの「気づき」に相当するのが「自覚」です。 森田療法の場合には、患者への直接的助言や日記指導、作業療法、日常生活における行動、森田理論の学習など様々な機会と手段を通じて、「自覚」を促そうとする点にあります。 もしもアドバイスが何も気づき(自覚)につながらなければ、それは一方的な指示や助言に終わってしまい、アドバイスを受けた人には押し付け感が残るはずです。 この考え方は生活の発見会という自助組織に所属して各地の集談会に参加している人にとって、とても示唆にとむ説明です。 これをもとにして、集談会での「気づき」「自覚」はどのように進められるのかを考えてみたいと思います。 集談会は一度は神経症で苦しんだことのある人たちの自助組織です。 他人とかかわりを持つことで「気づき」「自覚」が深まるということが重要だと思います。一人で学習していると、独りよがりになり、学習は思っているほど深まりません。 表面的な学習は自分にとってほとんど利益ももたらしません。 さらに問題なのは、森田理論を間違って解釈してしまうことです。 そして森田理論を非難するようになっては、その人の人生にとっては不幸の始まりとなります。 森田理論を参加者全員で学習する意味は大きいものがあります。 分かりにくいところがあれば、先輩会員に聞けばすぐに解決します。 また表面的な理解が、より広く、より深い理解に変わります。 森田理論学習と森田実践は車の両輪だといわれています。 集談会や懇親会では、森田実践・活用の話が、いろいろと出てきます。 他人の実践に刺激を受けるということは見逃せないところです。 他人の行動・実践に刺激を受けて、自分も興味や関心を持ったということは山のようにあります。 そして自分の行動の幅がどんどん広がってきたというのが私の実感です。 10個の話の中で、1個でも興味や関心のあるものが見つかれば、儲けものという感じがしています。 私の趣味や日常茶飯事は、集談会の仲間から刺激を受けて取り組んだものばかりと言っても過言ではありません。 これは行動ばかりではなく、キャッチフレーズや心に残る言葉などもそうです。 たとえば「靴がそろえば心がそろう」 「私たち神経質者は風雲に乗じて成功を収めるタイプではない。凡事徹底で誰でもできる小さなことをコツコツとこなしていく。それを10年20年と積み重ねると非常に非凡な成果を生み出す」 「コップ一杯の人間関係を5つくらい作るのではなく、コップに少しだけの人間関係を50個くらい作る」・・・などです。 先輩会員にひと言・・・先輩会員は森田理論学習では成功体験を持っています。 どうしてもそれを上から下目線でアドバイスしたくなります。 この方法は、ほとんど相手の琴線にふれることはありません。 自己満足に終わります。そのうち相手の反発を招きます。 そして集談会に来なくなります。 集談会は、みんなが先生であり、生徒であるという関係です。 相手が「気づき」「自覚」を深めるための黒子に徹することが大切だと思います。 そのためには自分の普段の生活や実践・行動を語ることだと思います。 そしてある日気がついたら、相手が自分と同じようなことに取り組んでいたというのが理想だと思います。 そういうことができる人は、生活森田・応用森田に軸足を移して、愚直に取り組んでいる人だと思っております。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.08.20 06:54:02
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