日曜日の朝日新聞に読書欄があるので、ときどき切り取ってスクラップで残していたのだが、これを一歩進めて、無料デジタル版のデータで残すことにしたのです。
・・・・で、今回のお奨めです。
・日本語に生まれて
・うな丼の未来
さっそく、図書館に借り出し予約するのもいいかもね。
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日本語に生まれてより
<副題:世界の本屋さんで考えたこと>
ドミニカ島の雑貨店兼本販売所、南太平洋諸島、インド、オーストラリア、エストニア……世界の周縁を「本屋さんはどこですか」と聞きながら歩き回った。それは日本語を問い直す旅でもあった。
大量の外国語書籍が母語に翻訳され、家でも大学でも、本も学問も母語だけで何とかなる日本は、世界を見渡すと、実は当たり前ではない。著者は「第三世界」出身の人々に、「どうして日本人はそんなにうまく(近代化を)やれたんだ。おれたちはできなかった」と聞かれるという。電子書籍、本屋の未来--世界を歩きながらも、日本の言語文化に「妙な未練のような感情を抱えてしまった」著者が、やわらかな言葉でつづる旅。
◇
『日本語に生まれて』 中村和恵著、 岩波書店、2013年刊
<「BOOK」データベース>より
世界中どこに行っても、必ず訪れるのは本屋さん。「すみません、本屋さんはどこですか」南太平洋諸島からロンドン、エストニア、オーストラリア、どこへ行ってもそう訊きながらめぐり歩く旅の中で、見えてきた「日本語」の姿とは?ユーモア溢れる文章にのせて、深い問いを投げかける。
【著者情報】
中村和恵:1966年生まれ、北海道出身。東京、モスクワ、メルボルン、シドニー、大阪、ロンドンなどに移り住む。東京大学大学院比較文学比較文化専攻博士課程中退。現在、明治大学教授。専攻は、比較文学・比較文化、英語圏文学。詩・小説の創作、食、衣、性など幅広いテーマについてのエッセイも手がける
<読む前の大使寸評>
つねづね、日本語に生まれた幸せを感じている大使にとって・・・
見逃せないタイトルの本である。
rakuten日本語に生まれて
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うな丼の未来より
<絶滅に瀕した稀少種どう食べる:内澤旬子(文筆家・イラストレーター) >
ついこの前までスーパーの惣菜コーナーにあると思っていたら、急に高騰したうなぎの蒲焼き。養殖で安定供給されていると思い込んでいたニホンウナギが、絶滅の危機に瀕しているという。一体どういうことなのか。
本書は昨年7月に書名と同じタイトルで、東京大学にて開催されたシンポジウムでの講演やアンケートなどを忠実に再現したもの。
実は野性の稚魚を獲ってきて大きく育てたものを「養殖」と呼んでいたことをはじめ、人工孵化は、どこまで可能になってきたのか、そもそもどういう生態なのか、「絶滅危惧種」に指定されたらどうなるのかなどなど、ニホンウナギとうなぎ食にのしかかる現状と問題点が、22人の研究者、漁業関係者の発表から明らかになる。
稀少な野生種をあまりにも雑に食べてきたことを反省しつつ、今後うなぎをどう食べるべきか、理性的な消費を促すためにも、多くの人に読んでほしい。
◇
『うな丼の未来』 東アジア鰻資源協議会編、青土社、2013年刊
<「BOOK」データベース>より
日本人がこよなく愛すウナギの食文化を絶やさないために、考えを持ち寄り、議論を尽くそうではないか。この趣旨に賛同した各界のキーパーソンたちー養殖業者、シラスウナギ漁業者、研究者、行政、メディアが一堂に会した画期的シンポジウム、待望の書籍化。
<読む前の大使寸評>
内澤旬子さんが選んだ本なので、いい本なんでしょう。
マグロにも同じような問題が生じていますね、それから、食文化ということではクジラについても言えるが。
rakutenうな丼の未来
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<asahi.comのインデックス>
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