図書館で『図書館超活用術』という本を手にしたのです。
知ってる人だけトクをする「技」だって?・・・これは必読でんな。
【図書館超活用術】
奥野宣之著、朝日新聞出版、2016年刊
<「BOOK」データベース>より
これからの時代、「図書館利用術」が最強である!図書館がいま、スゴいことになっている!?知ってる人だけトクをする「技」が満載!! --このテキストは、tankobon_hardcover版に関連付けられています。
<読む前の大使寸評>
知ってる人だけトクをする「技」だって?・・・これは必読でんな。
amazon図書館超活用術
|
活用術「教養力」編を、見てみましょう。
p150~152
<6 一生もののレファレンスブック>
歴史や科学技術などの話題が出てきてもついていけるように「ざっくりと理解しておきたい」という人には、レファレンスブックを買うことを勧めます。
図書館には大量のレファレンスブックがありますが、多くは貸出禁止です。手元に置くには買うしかありません。何十巻もある百科事典を置くスペースを確保するのは難しくても、一冊ものならなんとかなるでしょう。
買うものは、レファレンスコーナーで興味のあるジャンルの棚を見て決めます。
どれを買うか、決めるときのコツは「調べものの役に立つか」より「めくって楽しいか」で決めることです。
たとえば、人名辞典で言えば、2013年刊と新しく、学術的に評価の高いものとして『岩波世界人名大事典』(岩波書店)があります。単純に人名を検索するなら、これにかなうものはないでしょう。おそらく最強の人名辞典です。
しかし、人名辞典を持っていない人の一冊目としては、これはあまりおすすめできません。写真や図版がなく、すべて活字の辞典なので「パラパラめくって楽しむ」という雰囲気ではないからです。
自宅に置くことを考えれば「ある人物を調べるときに調べる」より、「なんとなくおもしろいから開く」という用途の方が、活用度が高くていいのです。
人名辞典のケースで言えば、なにより重視したいのは、顔写真か肖像画が収録されていることです。レファレンスコーナーだけでなく、児童コーナーでも探すと、そんなビジュアル重視の参考文献を見つけられます。
大辞典のたぐいは、広い範囲をカバーしています。興味のあるところから読んでいけば、知識の穴がだんだん埋まっていき、「それについてはさっぱり…」ということがなくなってきます。
また、ビジュアル本のレファレンスブックを無目的にめくって、気になったところを読むとおうのは、活字を追う読書とはまるで違う楽しみがあります。散歩のような気ままさで、まさに精神の自由を味わえるのです。
めくって楽しいレファレンスブックは、死ぬまで読み終わらない一生ものの本です。
|
CHECK POINT1~6を、見てみましょう。
p208~211
<6 有料データベースが使えるか?>
「デジタル資料に力を入れているか」も、注目しておかねばなりません。
ひとくちにデジタル資料と言っても、CD-ROMやDVD形式の百科辞典からタブレット端末で読む電子書籍など、さまざまなものがありますが、ここでチェックしておきたいのは「インターネットの有料データベースが利用できるかどうか」です。
最近はほとんどの人がスマートフォンを持っているので、わざわざカウンターでインターネット端末の利用を申し込んで、グーグル検索をする必要はないでしょう。
しかし、ここまで何度か書いたように、無料で使えるのはインターネットの「無料ゾーン」だけであって、「有料ゾーン」はお金を払わないと使えないのです。
ところが、図書館なら有料ゾーンに入れます。個人で契約すると月に1万円くらいかかる商用データベースであっても、無料で使えるのです。
どんなデータベースが使えるかは館によって違いますが、代表的なものを挙げると次の通りです。
・ジャパンナレッジLib(ネットアドバンス):百科辞典、歴史事典、日本語辞典、外国語辞典などを一括検索できる
・日経テレコン(日本経済新聞デジタルメディア):日経新聞の過去記事、企業情報、POSデータなどが閲覧できる
・聞蔵=(朝日新聞社):朝日新聞や「週刊朝日」「アエラ」の過去記事、知恵蔵などが険悪可能
・ヨミダス歴史館(読売新聞社):読売新聞のデータベース。
・D1-Law.com(第一法規):法令・判例のデータベース。
有料データベースはアメリカの公共図書館でよく利用されているため、日本でも「必ずニーズがある」と考えて導入する館が増えています。
ただ残念なことに利用はあまり進んでいないようで、先日も、ある公共図書館で「データベースをお願いします」と言ったら、担当者が一瞬、目を丸くしたあと喜んでいました。データベースがいかに使われていないか、よくわかります。
データベースの利用が進まない理由は、まずサービスが知られていないこと。加えて、意外と扱うのが難しいからです。
キーワードや検索範囲を間違いなく指定しないと何も出てきません。グーグルならキーワードが間違っていたら「もしかして〇〇ですか」と修正してくれるし、アマゾンなら「他の人はこれも検索しています」と助け舟を出してくれるけれど、データベースには、まだそういった親切機能はほとんどありません。
それでも、個人で持てないような大量のレファレンスブックを横断検索できたり、過去の新聞紙面をプリントアウトしたりできるメリットは、いくら強調しても足りないくらいです。
|
『図書館超活用術』2:図書館を使うメリット2、3
『図書館超活用術』1:なぜいま図書館なのか
()