図書館で『目からウロコの自然観察』という新書を、手にしたのです。
暇はあるけど金がないので(年金生活なもんで)よく近所の自然観察をしているのだが・・・この本を読んで、観察アイテムを広げようと思うのです。
【目からウロコの自然観察】
唐沢孝一著、中央公論新社、2018年刊
<「BOOK」データベース>より
ヒバリはなぜ天高く舞いながらさえずるのだろうか?アカメガシワの新芽はどうして赤いのか?百日紅はその名の通り100日咲きつづけるのか?ヒガンバナは本当にお彼岸に咲くのか?秋にたくさんいたスズメたちは冬にどこに行ってしまうのか?見慣れた動植物を詳しく観察してみると、意外な発見に満ちている。ツユクサやオシロイバナのような草花からチョウやツバメ、カエルまで四季の生き物の素顔をカラーで紹介。
<読む前の大使寸評>
暇はあるけど金がないので(年金生活なもんで)よく近所の自然観察をしているのだが・・・この本を読んで、観察アイテムを広げようと思うのです。
rakuten目からウロコの自然観察
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「ツバメの生きざま」に関心があるので、先ずツバメを、見てみましょう。
p87~90
夏8「数千羽のツバメのねぐら入り」
街中で繁殖を終えたツバメは、秋に南国に渡るまでどこでどんな生活をしているのだろうか。まだわからないことが多いのだが、7~8月の夕方、ヨシ原などに集まり集団ねぐらをとることがわかっている。数千、数万の大群が上空を乱舞し、一斉にねぐらに入るシ-ンは壮観である。
■ツバメのねぐら入り観察会
ねぐら入りの見頃は、関東地方では7月下旬~8月下旬。時刻は日没前後の約30分である。場所は河川や湖沼のヨシ原である。毎年、ほぼ同じヨシ原を利用するが、年によって場所を変えることもある。また、ヨシ原はアクセスが悪く、しかも薄暮の時間帯なので、現地に詳しい人に案内してもらうか、日本野鳥の会支部などが主催する「ツバメのねぐら入り観察会」に参加することをお勧めしたい。
ちなみに、関東地方の観察地としては、渡良瀬遊水地、多々良沼(群馬県)、芝川第一調節地(さいたま市)、多摩川中流域(府中市)、境川遊水地公園(横浜市)、談合坂サービスエリア(山梨県上野原市)などがある。
■談合坂サービスエリアのツバメ
ツバメの集団ねぐらは、大部分はヨシ原である。ところが、中央自動車道の談合坂サービスエリアの場合は、売店やトイレなどの前にあるケヤキをねぐらとして利用する。木の下は明るく、人や車が頻繁に移動している。ケヤキの木の真下から枝で眠るツバメをじっくり観察できる。
(中略)
■ツバメはどこから飛来するのか?
談合坂SAは標高410m、山々に囲まれた中にある。ツバメはいったいどこから飛んでくるのだろうか。朝比奈邦路氏と談合坂SAを取り巻く山梨県から神奈川県の山村集落を見て回り、ツバメの1日の生活を次のように推測してみた。
早朝にねぐらを飛び立ったツバメは、各地の山村集落に分散し、その周辺で日中を過ごす。午後3時ころに集落の伝染などに集合し150~400羽の群を形成する。こうした群が各地で形成され、午後5、6時には、ねぐら近くの大野貯水池(ダム)などに終結する。貯水池に沿った電線に千数百羽のツバメが並ぶこともある。水浴し、休息をとり、日没前後に談合坂SAにねぐら入りする、というものだ。
1万羽近い大集団は、いったいどこから集まってきたものか、日中はどこまで分散するのか、また、談合坂SAのようにツバメが樹木でねぐらをとるようになったのにはどんな事情があったのだろうか。興味はつきない。
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以前に読んだ『にっぽんツバメ便り』という本から、以下紹介します。
『にっぽんツバメ便り』1:ツバメの基本
『にっぽんツバメ便り』2:ツバメが愛されてきた理由
『にっぽんツバメ便り』3:ツバメとのつき合い方