カテゴリ:普段のこと
昨日父が亡くなった。
突然の事でほとんど自覚のないままの事だったらしい。 もっともその前に、何度も何度も体調不良で入退院を繰り返していたので、驚きはなかった。 もういつ逝ってしまっても不思議はないと覚悟していたことなので。 享年80。天寿を全うしたと思う。 父の死は悲しいことだけれど、それほどの喪失感はない。 いやたぶんその感情はこれからのことなのだろうと思う。 手に触れた父の体は冷たかった。 冷たくなるというのは本当の事なのだなと思った。 そして愛する人の死体には触れる事ができるものなのだなと。 家庭を持って、子供を持って、生活の確かな場を確立した私には、父の死による揺らぎはないのだが、もし我が子を失ったら、私は悲しくて悲しくて耐えられないだろうと思う。 親から受けた愛情もよりも、我が子に対して感じる愛情の方が、愛情を感じる濃度は高いような気がする。 愛されることよりも愛する事の方が愛の濃さは強いのだろうか。 父を思い出すとき、晩年の穏やかな笑顔が一番初めに浮かぶ。 父には、たっぷりと愛情をかけてもらった。 人嫌いでほとんど友人のいなかった父が、晩年家族に大切に大切にされて、寂しい思いをすることなく、穏やかにその日々をすごすことができたのは、なにやら不思議な気もするのだけれど。 病院でこらえていた涙は、少しづつ姿をあらわし始めて、その涙にはれたまぶたをさて、どうしよう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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