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2009年03月28日
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カテゴリ:歌は世につれ

日頃、耳にしている色々な音楽。
歌謡曲・ロック・ジャズ・クラシック等・・・。
これらのほとんどが西洋音楽、もしくは、その影響を受けたもので、
今の日本の音楽というのは、欧米の文化がベースとなって発展してきたものであると、
つくづく感じます。

こうした西洋音楽が、いつ頃、日本に伝わってきたかというと、
古くは16世紀、キリスト教と共に入ってきた讃美歌がそうでした。
しかし、これは宗教と結びついたものだったため、一般には普及せず、
その後の禁教政策もあって、結局、日本に根づくことはありませんでした。

その次に、日本に西洋音楽が入ってきたのが幕末期。
そして、その最初の西洋音楽との出会いとなったのが、
ペリー艦隊が率いてきた軍楽隊による演奏でありました。


そこで、今回は、日本人が初めて本格的な西洋音楽と出会った時の様子について、
さぐってみたいと思います。


ペリーが日本にやってきたのは、嘉永6年(1853年)6月のこと・・・。


この時、ペリーが久里浜や下田などで、上陸・帰船するたびに
ペリーの軍楽隊が、演奏を繰り返したといい、
その演奏は、愉快で軽快なものであったと「ペルリ提督日本遠征記」に記されています。


ペリー軍楽隊の様子については、写生画も残されており、
それによると、7~8人の人数で、
楽器も、小太鼓・シンバル・フルート・ラッパなど
シンプルな編成であったようです。
ペリーは、こうした軍楽隊を2組、連れてきていたようです。


さらに、条約交渉も進んで、終盤になってくると
旗艦のポーハタン号に、日本側交渉委員を招いた午餐会が催され、
そこでのショータイムでも、愉快な演奏や出し物が披露されていたようです。
これには、日本側の交渉委員の間でも大うけだったようで、
日頃謹直な、全権の林大学頭でさえ、大笑いしていたといいます。


ところで、ペリー来航時、この軍楽隊が演奏していたのは、どんな曲だったのでしょう。

「ペルリ提督日本遠征記」の中で、演奏されたとして曲名が記されているのは、
アメリカ国歌とヘイル・コロンビアという曲。
他は、”愉快で軽快な曲”が演奏されたと表現されているだけなのですが、
それでも、研究家の間では、こうした曲が演奏されていたのではないかという
推定がされています。

ペリー軍楽隊が演奏し、当時、日本人が初めて耳にしたと思われる西洋の曲。
そのいくつかを、YouTubeから集めてみました。


   The Star Spangled Banner  ご存知、アメリカ国歌です。


   Heil Columbia ヘイル・コロンビア

  当時、アメリカで愛国歌として親しまれていた曲。


   Yankee Doodle ヤンキー・ドゥドゥル

  アメリカ独立戦争の時に歌われていたという愛国歌。
  日本では”アルプス一万尺”という曲名でお馴染みです。
  日本では、愛国歌のイメージはありませんね。


   Oh Susana! おおスザンナ フォスター作曲

   Camptown Races 草競馬 フォスター作曲

  「ペルリ提督日本遠征記」で”愉快で軽快な曲”と記されているのは、
  フォスターの歌なのではないかとも推測されています。
  ポーハタン号の午餐会でも演奏されていたのでは。


こうした、演奏を聞いた当時の日本人は、いったい、どのように感じたのでしょうね。
この時、日本人が、どのような印象を受けたのかについて、
記録は残されていないようです。


しかし、やがて、このペリー来航がきっかけとなって、
日本が西洋式兵制を取り入れていく過程の中で、
西洋音楽が、まずは軍楽という形から、
徐々に日本に浸透していくことになるのです。





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最終更新日  2009年03月28日 08時14分03秒
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来航痔に・・   夢見るグランマ さん
軍楽隊が一緒だったと言われると、
ふう~~んって、頷けますが、、

言われなかったら、、
想像もしませんでした。

草競馬やおおスザンナ だったら、
今の人にも受けそうですから、
その頃の人にも、、
きっと楽しく感じられたと思います。

異文化に接した彼らの感想が残ってないのが
残念ですね。

異国の音楽を聴いた人々が
どのような気持ちだったのか
どのように感じたのか?
興味のあるところです。

(2009年03月28日 01時31分35秒)

軍楽隊   gundayuu さん
夢見るグランマさん
おはようございます

>草競馬やおおスザンナ だったら、
>今の人にも受けそうですから、
>その頃の人にも、、
>きっと楽しく感じられたと思います。

その時、日本人がどう感じたか、、
まずは驚きだったのではないかと思いますね。
なんじゃ、このもの音はという感じだったのかもしれません。
それでも、その後は西洋音楽をすんなりと受け入れているんですね。
そこが日本人らしいような気がします。

>異文化に接した彼らの感想が残ってないのが
>残念ですね。

黒船来航によるパニックと混乱の中で、
きっと音楽どころではなかったのでしょう。
音楽以外にも、この時、新しいのもが一斉に入ってきましたし。
幕末のそうした衝撃が、この時期の日本人を必死にさせたような気がします。
(2009年03月28日 08時03分23秒)

Re:ペリーの軍楽隊(03/28)   レーナマリア さん
今の日本では音楽といえば、ほとんど西洋音楽の影響を受けていないものはないのではと思うほどですよね。

日本古来の音楽といえば、雅楽とか民謡とか盆踊りの曲とか、演歌とか、あまり毎日は聞かないですよね。

それに比べてテレビなどで身近な西洋音楽も考えれば日本に入ってきてから100年ちょっとくらいしかたっていないのですよね。

初めて西洋音楽を聞いた日本人はどんな思いだったのでしょうね。
びっくりした出ようね。

おおスザンナは今でも中学校なんかのフォークダンスで、草競馬は運動会などで使われていますよね。
名曲は時代を選ばないのでしょうね。

音楽といえば、「タイタニック」の沈むまで演奏し続けた楽団員を思い出します。
戦争の生死を分けるような場面で聞いた音楽はどんな思いを抱かせてくれたのでしょうか。

歴史と音楽、面白いつながりがありますね。
(2009年03月28日 12時36分40秒)

Re:ペリーの軍楽隊(03/28)   turbo717 さん
貴重な情報とYouTubeの音楽!ありがとうございます。
幕末の人たちはさぞ目をまん丸にして聞いたことでしょう。圧倒的な吸収力を持った明治期の音楽人、何人も輩出していったことに胸を打たれます。 (2009年03月28日 21時03分23秒)

文化交流   ゆうあいママtosa さん
歴史の中であったかもしれませんね。

幕末の鼓笛隊も意外にそのときに学んで作られたのではないかしら・・・

音楽は国境を越える野が詞より早いし、確かですね。 (2009年03月28日 21時44分51秒)

Re[1]:ペリーの軍楽隊(03/28)   gundayuu さん
レーナマリアさん
こんばんわ

>今の日本では音楽といえば、ほとんど西洋音楽の影響を受けていないものはないのではと思うほどですよね。
>日本古来の音楽といえば、雅楽とか民謡とか盆踊りの曲とか、演歌とか、あまり毎日は聞かないですよね。

現代社会はグローバル化しているので、
音楽自体が西洋音楽を含め、色々なものから影響を受けているといえるでしょう。
雅楽・民謡・盆踊りの曲、それに演歌などは、
西洋音楽の影響を受けて発達してきたものでないですね。
でも、日本の中で主流でないですね。
演歌でもバックで演奏しているオーケストラは、楽器も、西洋発祥ですしね。

>おおスザンナは今でも中学校なんかのフォークダンスで、草競馬は運動会などで使われていますよね。
>名曲は時代を選ばないのでしょうね。

スタンダードになっている曲は、やはり素晴らしいです。
フォスターはアメリカの中ではクラシックといえる、
アメリカを代表する作曲家ですからね。

>音楽といえば、「タイタニック」の沈むまで演奏し続けた楽団員を思い出します。
>戦争の生死を分けるような場面で聞いた音楽はどんな思いを抱かせてくれたのでしょうか。
>歴史と音楽、面白いつながりがありますね。

音楽は、直接人の心に訴えてくるものがありますよね。
感動を伝えやすいもののように思います。
(2009年03月29日 21時27分57秒)

Re[1]:ペリーの軍楽隊(03/28)   gundayuu さん
turbo717さん
こんばんわ

>貴重な情報とYouTubeの音楽!ありがとうございます。
>幕末の人たちはさぞ目をまん丸にして聞いたことでしょう。圧倒的な吸収力を持った明治期の音楽人、何人も輩出していったことに胸を打たれます。

幕末~明治の人の西洋文明の吸収力は、
驚くくらいに素晴らしいですね。
音楽においても、そうだったと思います。
それが、明治~大正期の作曲家・作詩家を輩出していった素地になったのでしょうね。
(2009年03月29日 21時34分51秒)

Re:文化交流(03/28)   gundayuu さん
ゆうあいママtosaさん
こんばんわ

>幕末の鼓笛隊も意外にそのときに学んで作られたのではないかしら・・・
>音楽は国境を越える野が詞より早いし、確かですね。

日本で最初に西洋音楽を実際に導入したのは軍隊だったようですね。
進軍時の調練用、規律を徹底する目的でしょうね。
講武所という安政期に設置された西洋兵制の訓練所では、
すでに軍楽隊が組織されていたそうです。

伝えやすさは、音楽の持つ大きな特長だと思いますね。
(2009年03月29日 21時49分38秒)

Re:ペリーの軍楽隊(03/28)   G3(じーさん) さん
お誕生日、おめでとうございます!

今回も西洋音楽との出会いという、面白い視点からの歴史談義、興味深く読ませて頂きました。そういえば、何故、軍隊に音楽隊があるのか?考えてみると不思議ですね。日本や中国、お隣の韓国といったアジア諸国はどうだったのでしょう。興味が湧いてきますね。 (2009年04月01日 07時13分50秒)

Re[1]:ペリーの軍楽隊(03/28)   gundayuu さん
G3(じーさん)さん
>お誕生日、おめでとうございます!

どうも、ありがとうございます。
奥様もおめでとうございます。
もう、日が変わってしまいましたが。

50才というと、もう相当な貫禄も分別も備えた大人の中の大人とイメージしておりましたが、
自分がなってみると、とてもとても、まだまだ、そういう域に達していません。
年齢だけは間違いなく達しているのですが。

>今回も西洋音楽との出会いという、面白い視点からの歴史談義、興味深く読ませて頂きました。

ありがとうございます。

>そういえば、何故、軍隊に音楽隊があるのか?考えてみると不思議ですね。日本や中国、お隣の韓国といったアジア諸国はどうだったのでしょう。興味が湧いてきますね。

少し調べてみました。
軍楽隊が特に発達してきた地域は西アジア、
オスマントルコの軍楽隊が最古のものだそうです。
そこから、ヨーロッパやアメリカに普及していったもののようです。
日本もそうですが、中国や韓国でも自国で発展してきた歴史はないようですね。
日本の軍楽隊は、最初は、号令や進軍の調練用に使われていたみたいですが、式典に花を添える役割・士気を鼓舞する目的が、軍楽隊本来の役割と考えられているようです。




(2009年04月02日 00時11分07秒)

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