カテゴリ:政治経済
hidewさんが著作権の延長に反対しているのは私も賛成する。しかし相続税100%に関しては税の専門家として賛成しかねる。1952~78にイギリスでは相続税90%を実施したがサッチャー政権によって改められた。イギリスの相続税90%が廃止された理由は、貴族階級が相続税を納付するために土地・邸宅・美術品などを競売にした。それらの多くはアメリカやアラブの富豪が買い取ったために、多くの文化財が流出してしまった。これは文化的損失だ、という議論が起こったからだ。するとイギリスでは課税対象とならない資産と認定するか、どうかが大きな問題となった。これは現在の日本で生産緑地指定された農地に対して、固定資産税と相続税を実質的に非課税にしているのと似ている。
日本でも相続税や所得税の最高税率が75%だった時期がある。また法人税の実効税率が55%だった時期もあった。しかし税率が高いと、納税者は必ず租税回避に走る。また担税力を考慮しないといけないので課税の繰り延べなどの例外措置が設けられる。例外措置と租税回避によって、日本では土地投機とバブルが発生してしまった。 話を簡単にすると、税率が高い → 例外をいろいろ認めることになる → 抜け穴から思わぬ結果が起きる。 80年代のレーガン・サッチャーに代表される保守主義・自由主義の租税論は、税率を低くし例外措置を撤廃し簡素な税制を作る。この事によって徴税の不公平を無くす事を目指す、という事である。 ちなみに税率が高いからといって、税負担が高いという事にはならない。 日本では、発生所得や消費には課税するけれど、資産(評価額の増減)には課税されないし、間接的に支配した場合課税されないという抜け穴がある。例えば池田大作氏は巨額の資産を実質的に所有しているけれど、宗教法人には課税されない事になっている。また小佐野賢治氏は1兆円以上の資産を残して死んだが、払った相続税はたったの30~40億円に過ぎなかった。抜け穴の仕組みについて説明したら、長い長い話になるから書かない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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