カテゴリ:政治経済
まだ話が本題に入ってなかったのだ。
チュモンのDVDを借りると「関連用語」「登場人物関係図」が付いている。 地図・国名・人名・地名・役職名、その他もろもろを頭に入れてないと話がわかりにくい。 しかしDVDやオフィシャルサイトの説明、には当時の漢帝国の事が書かれていないのだ。 朱蒙〔チュモン〕オフィシャルサイト・物語の冒頭には、 紀元前108年、朝鮮半島を含む大帝国を領有した古朝鮮国は、隣国・漢により滅亡。漢はその地に、楽浪(ナンナン)・臨屯(イムドゥン)・真番(チンボン)・玄菟(ヒョント)の四郡を置き支配するが、将軍・ヘモスとその友人で玄菟(ヒョント)郡に属する扶余(プヨ)の太子・クムワは、圧政に苦しむ古朝鮮の流民(ルミン)<流浪の民>を率いてタムル軍を編成、漢に抵抗する。 と書かれています。 これを中国側から見ますと、古朝鮮国とは衛氏朝鮮(Wikipedia)の事であり、 漢に背いて匈奴に亡命した者と燕から亡命した者が朝鮮に入った。そこで、朝鮮の非漢人系住民や燕・斉の亡命者などを取り込み、王険城(平壌)を首都として王位に就いた。 という事は、古朝鮮国は朝鮮民族による独立国だったのではなく、漢に背いた中国北方民族が亡命して、秦が滅びた後の隙間に建てた国だった。 高祖時代に衛氏朝鮮の君主は皇帝に属する王として冊封されていた、ってんだがら、チュモンの話は、出発点からして誇り高き現代の朝鮮民族が、歴史を捏造して、統一朝鮮という架空の「古朝鮮国」を作ったという事になります。 日本にしろ朝鮮にしろ中国にしろ、もともと日本人・朝鮮人・中国人なんて古代にはいなかった。それどころか、明治維新や日清戦争まで、日本人・朝鮮人・中国人なんて概念は一般的でなかった、という事実を知っておくべきでしょう。 どこもいろんな民族が流れ流れて混ざって今に至っている訳で、現代の常識から過去を捏造するってのは、どこの国もやっている事だけど、どうもナショナリズムが背景にある。 ナショナリズム自体はニュートラルなんだけど権力側が自己正当化する手段として用いる傾向がある。 ここ10年ほどの間に韓国歴史テレビドラマは傑作が多く出ました。これは80年代以降の経済躍進やソウルオリンピックの成功、囲碁の世界制覇とか朝鮮民族が自信を持つ出来事が同時並行して起こった事と関係がある、と私は思います。 最後に朝鮮歴史ドラマの題材にして欲しい偉大な軍人の話を書きます。 それは乙支文徳(Wikipedia)です。 隋の煬帝による第二次高句麗遠征(612年)は、113万3,800人の兵を以て200万と号する大軍と、それを支える輜重隊による前代未聞の規模で行われた。 これを偽投降、脱出、七戦七敗などの奇策を駆使し、わずかな兵力で隋軍に壊滅的な打撃を与え、返す刀で追撃し隋を滅亡に追い込んだのでした。 三国志演義では諸葛亮が天才的な軍事指導者という事になっていますが、これは嘘です。 南蛮制圧で七縦七擒の話がでてきますが、これのモデルは乙支文徳の七戦七敗ではないかとの説があります。 朝鮮が独力で中国の統一王朝を完膚なきまでに打ち負かし、これを滅亡に追い込んだ。 これはスゴイ! チンギス・ハーンには及ばないけど信長・秀吉なんかよりずっと上。 なのに、今の韓国の歴史教科書にはこの人物の事はほとんど記述がないんだそうな。 中国の歴史教科書検定は日本以上に朝鮮に及んでいるらしい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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