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明けましておめでとうございます。餅を食べる季節ですが「やきもちを焼く」という言葉があります。嫉妬するとか邪推するとか言う心境を表した言葉かと思いますが・・囲碁では相手の模様が大きく見える、地を囲われる前に侵入してやろうという方が多いです。
この正月に打った私の実戦を紹介します。 第1図 この白さんは極端なやきもち焼きです。 黒地が出来そうな所にどんどん入ってきます。盤上広いところはいくらでもあるのに奇特な御仁よのぉ。 こういう御仁は相手しやすい。どんどん我が方の強い所へ入ってきてくれるので、わが方が敵の勢力圏に入ってゆく必要がありませんから。 第2図 白は右下にも侵入し4隅を占拠しました。しかし・・黒必勝の碁形になっています。 ○白地が少ない。 右上は7手で10目、右下は6手で10目の地を作っています。きわめて効率の悪い地の囲い方です。理由は黒模様に潜り込んで活きただけだからです。 ○兵力の分散 白は6カ所に石が切れています。左下と下辺の石がピンチです。両方しのげるか疑問ですししのげたとしても中央から左辺に巨大な黒地ができるのを阻止できないでしょう。 序盤は自らの勢力圏を広げるのが基本で、早いうちに敵陣に突入すると全局的に薄くなるのでいけません、という当たり前の話でした。 第3図 2局目の序盤です。白10~14は異様ですね。黒は11~15と有り難く受けておきました。 白の滑り込みは、黒9と締まった時点で既にこの地域が黒地になったという錯覚によると思います。模様ができた事と地として確定する事は全然違うと私は思っています。 白は寄せたつもりかも知れませんが、わが方は打ち込みの可能性がある所を先手で補強できて有り難いと思っておりました。 黒11~15の3手によって上辺や中央が厚くなった利益は見た目以上に大きいのでした。 序盤から焼き餅の手を打つと全局的に損をします、という意味で前局と同じです。 第4図 2局目の16~85手までです。 白が悪くなったのは白23から強引に取りにいった作戦が破綻したからです。 白は厚くなった黒の☆3子の周辺に打たされて自らダメを走った結果になりました。 なぜ、こうなってしまったのでしょうか? 第5図 もし☆の石がなかったならば普通に白1~3と打てたはずです。 こう打ったら☆の交換が大悪手になるから強引な取りかけを白は打たざるを得なくなったのです。結局、☆の滑り込みが敗着だったわけです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.01.08 18:45:54
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