生命とは
人の命って、何で成り立っているのでしょう。 人の命の中心・中枢ってどこにあるのでしょうか? 宇宙とは何か、物質とは何か、生命とは何か、という問いは、人類の三大謎と言われています。 宇宙・物質・生命を成り立たせているものは、これだけ様々なことが解明されてきてはいても、依然として謎のままです。 仕組みがある程度分かったとしても、その仕組みを成り立たせている「なにか」は、依然として謎のままなのです。 マクロコスモス(大宇宙)とミクロコスモス(小宇宙)、言い換えると大自然と小自然。 神道や様々な宗教の世界観に通じる考えですが、東洋医学も人体は小自然と捉えます。 では、自然とは何であるのか。 江戸時代の哲人、安藤昌益はその著書「自然真営道」でこれを「自(ひとり)然(する)」と読んでいます。 種を播くと、時期が来たら芽を出し葉を広げ花をつけて実を付け、そして枯れて種を落として・・・ これらの変化を自然と呼び、物質の変化を起こさせる「なにか」がすなわち生命です。 細胞の働きやホルモンをいくら解明しても、この「なにか」は謎のままです。 一度枯れて死んだ木に、花を咲かせることなど、誰にもできないはずです。 人間は、命を作りだすことはできない、という事実に謙虚になるべきです。 人の死は、脳という部分死で判断するのではなく、従来の全体死の立場で判断することこそが、生命と謙虚に向き合い、見守ることであり、本人以外の第三者が侵してはならない、命の尊厳だと思うのですが、どうでしょう。