1955年以来、キャノンボール・アダレイとのバンドで活動を続けていた
ナット・アダレイだったが1958年に一度コンビを解消し
J.J.ジョンソンのクインテットに加入した。
ナット・アダレイが“キャノンボールの弟”という括りから離れ
一人のプレイヤーとして認知され、始めたのはこの時期からであったようだ。
途絶えていたリーダー契約もリヴァーサイドとの間に締結し、本アルバムを
皮切りに、ナット・アダレイは多くの佳作を同レーベルから発表していく。
室内楽的な「ワーク・ソング」が人気盤として名高いが、愛すべきハードバッパー=ナット・アダレイの
元気いっぱいのプレイに触れるのであれば、やはり本アルバムが決定打だ。
ハイノートは太く厚く、ユーモアたっぷりにフレーズを歌い上げるところなど、クラーク・テリーにも
通じるし、ひしゃげた音を使って人声のような効果を出すあたりは、コルネットの先輩
レックス・スチュアートを意識しているのかもしれない。
当時、ナット・アダレイがリー・モーガンやドナルド・バードをしのぐ評価を集めていた
というのもうなずける快演だ。
彼らはホレス・シルヴァーの目に留まり、この直後にブルーノートにレコーディングを開始する。
ブランチング・アウト
ブランチング・アウト ジャズアルバム紹介 に加筆・修正を加え転載。
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