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2008年01月25日
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「二宮翁道歌解」より

【58】
 右にもつはしに力を入れて見よ
  左の酒がやむかつのるか


 右にもつはしとは、日々食うて命をつづくる飯をいうなれどすなわち生活のことなり。
生活に力を入れて見よ、というなり。
生活に力を入るるは、親先祖に対し、子孫に対したる義務なればなり。
酒は百薬の長とはいえど、弊害もまた多し。
戒めて過酒すべからず。
酒を過ごせば、第一品行乱れ、過ちを仕出かし、病を生じ、家業を怠り、財産を費やす。
謹んで薬だけに飲みて、多く飲む事を慎むべし。
断然禁酒するはもっともよろし。
大猛力を出して、思い断つべし。

 ちなみに記す。
 ある人問う、
 卿(きみ)が著(あらわ)せる、報徳8条目に過酒戒あり。
過酒は何をもってその度を定めるや。
予答う。
昔、小田原に某老人あり。
この老人は先師の、平素愛敬せらるる人なり。
小田原在なる曽比村の剣持広吉、先師のもとに来たれり。
先師曰く、
 「某の老人は無事なりや。」
広吉曰く、
「無事なり。
過日、右の老人を訪問せしに老人のいわるるに、さてもさても困却なる事到来せり。
近来家政不如意なるをもって改革のために、家内禁酒と極(きま)りたり。
是には困却せりと大いに患い居らるる」といえり。
先師曰く、
「それは気の毒の事なり。
若き時は呑まぬ方よろしけれど、酒好きの者老人の禁酒ははなはだわろし。
あたかもよし汝は造酒家なり。
日々小田原に便りあるべし。
汝帰国せば毎月一日11日21日と、3度に酒1升ずつ同老人生涯の間贈りくれよ。
代料は予現金に払うべし」
と、金若干を渡さる。
広吉辞していう。
「代料に及ばず。
私の飲料を一日一合ずつ減らしてその分を贈るべし」と。
先師承引したまわず。
「汝酒を減ずるその志誠によろし、それは善種金に出すべし。
老人には予が贈るなり。
この金は受け取るべきなり。
この酒は手数なりとて、一度に2升贈る事なかれ。
必ず1升ずつ、予が依頼の通り贈るべし」
と。
先師の妻君かたわらに在り曰く、
「かの老人は大酒なりと聞けり。
一日1合にては不満なるべし。
2合にもなしたまえ」と。
先師曰く、
「もとより僅少、不満なるは言を待たず、この酒は老を養わんがために贈るなり。
朝昼夕少しずつ飲まば、この上なき酒なり。
実に百薬の長なるべし。
それより多きは贅沢なり、贅沢には限りなし。
1合より多きは、害無きも益なし。
何ぞ無益の事をなさんや、何ぞ贅沢の手伝いをなさんや。
ただ益なきのみならず、害無しともいい難し。
何ぞ害ある事をなさんや」
と訓戒せられし事ありき。
されば一日1合より多きは、贅沢なれば、一日1合をもって度とすべきなり。
されば下戸は、一日5勺なるべし。


   





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最終更新日  2008年01月25日 00時55分08秒
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