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山行・水行・書筺 (小野寺秀也)

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小野寺秀也

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2015.11.20
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テーマ:街歩き(613)
カテゴリ:街歩き

 四日間東京にいて、四つの美術館に行って数えきれないほどの絵を見た。その合間に、笹塚や練馬や神田の辺りを歩き回った。金曜日の夜には首相官邸前で原発再稼働の抗議の列に加わった。それで、同じ金曜の仙台の金デモは休んだ。
 自宅に戻っても疲れはまったくないけれど、どこか頭の中の一ヶ所ほどがぼんやりしている感じだ。ぼんやりしているのに無性に本が読みたい。東京の本屋で見つけた「動物を追う、ゆえに私は(動物)である」という奇妙な題名のジャック・デリダの本を読み始めたのだが、いつものようにデリダの語調に慣れるのに時間がかかっている。切実に本が読みたいのに、本の中身が遠い。
 何か、人生のシーン、あるいはシークェンスの切り替えどきのような気がする。舞台が変わるときの暗転する闇の中、その時間帯に落ちこんでいるような気分だ。


 デモに出かける。毎週、出かけられるデモがあるというのは助かる。どんな気分のときでも、それなりに元気が出るからだ。

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集会@勾当台公園。(2015/11/20 18:13、14)

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フリー・トーク。(2015/11/20 18:15~27)

 フリー・トークは、東北文化学園大学の公開講座「震災復興と原発問題」が盛況のうちに企画の半ばまで進んでいることへのお礼の挨拶から始まった。原発問題に関する講義が終わり、続いて震災復興の講義に移るので引き続き参加されるよう案内があった。
 続いて、本格的な冬の到来を前に加美町・田代岳の指定廃棄物最終処分場候補地への立ち入り調査を今年は断念したことを環境省が宮城県知事に報告した話題があった。知事が環境省のリーダーシップの無さを強く批判し、地元住民の意思を無視して処分場建設を進めるかのような発言に批判が及んだ。沖縄・辺野古の基地建設の例も持ちだし、あたかも強制執行で処分場建設を進めること要望しているかのような知事の言動であった。
 また、県選出の国会議員を含めた野党共闘の話し合いがあったことの報告もなされた。戦争法制、TPPとともに原発反対も野党共闘の枠組みの中で取り組んでいきたいという表明があった。
 私たちは原発反対と主張して運動しているが、反対の先にある施策、代替政策についてきちんと考えておく必要があるだろうというスピーチもあった。それに関係して、電力自由化の説明会がある
ので参加する予定だという話もあった。原発に依存しない電力(エネルギー)への積極的な取り組みが必要とされている。

 最後に、11月23日(月)12:30から仙台市情報・産業プラザ 多目的ホールで開催される「市民による女川原発の安全性を問うシンポジウム」の最終的な案内があった。

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デモへ出発準備。 (2015/11/20 18:32)

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県庁前通りで信号待ち。(2015/11/20 18:36)

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定禅寺通りを渡って一番町へ。(2015/11/20 18:44~45)

 勾当台公園を出て、県庁前から市役所前に出て、そこから定禅寺通りを渡って一番町に入る。その道々、ケヤキがたくさんの葉を落としている。いつのまにか晩秋、もう冬はすぐそこである。季節の早さに驚いてしまう。
 そういえば、四日間も東京を歩き回りながら、秋を感じたという記憶が一切ない。東京には秋がないのか、それとも私が鈍感なのか。季節の移り変わりにこんなに無自覚で、人間という生き物をやっていけるのだろうか。

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ひときわ元気なコ-ルで。(2015/11/20 18:47~48)

窓をあけると十一月
十一月の秋風が
白く老いた秋風が
ふくれあがる
そっと見ているわたしだ
この、どこまでふくれるだろう
鉛筆の芯、絶えるばかりである
他者の格調を許すばかりである
いまもとめているものは
久しくもとめられてきたものばかりである

         荒川洋治「故事の迷蒙」部分 [1] 

 私たちが「いまもとめているものは」すべての原発の廃棄である。戦争法制やTPPも一緒に反対するのは、人を殺したり殺させたりしないこと、勤め人も農民も老人も若者も健康で豊かに暮らせるようにと「久しくもとめられてきたものばかり」を求め続けているだけだ。

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一番町を行く。(2015/11/20 18:49~56)

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中央通り前。(2015/11/20 18:59)

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サンモール一番町の電飾の中を。 (2015/11/20 18:59~17:01)

 晩秋の街は電飾に飾られているが、私たち50人のデモの列を歓迎しているわけではなさそうだ。人々に街に出てくるように、そこかしこの店で消費に励むように誘っているだけだ。格差社会、貧困大国と呼ばれるような国になって、年収200万円以下が1000万人を超えたというニュースが流れているのに、どうしたことだろうと訝かってしまう光景だ。
 年金生活になって、消費とは次第に縁遠くなっている私でも本屋には行く。そこの「哲学・思想」の棚にはスピリチュアルなる本ばかりが並び、いつから子ども騙しのインチキが哲学だの思想と呼ばれるようになったのか、ここでも年寄りは消費から遠ざけられているようだ。

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大通り(国道四号)を越えて。(2015/11/20 17:08)

 子ども騙しのインチキで思い出したが、最近、放射能関連のインチキがネットで流れている。一つは、ある種の電解水が放射能を減らすというもので、もう一つは放射能を食べる細菌がいるという話だ。どちらも、核反応と化学反応、あるいは生化学における反応プロセスでの桁違いのエネルギー差に対する無知が生んだ幻想である。
 科学者が言ってるわけでもなく「病理科学」とも呼べない程度の話なのだが、反原発の立場らしい人の中にもリツィートしたりシェアしたりする人がいる。私は「啓蒙の物理学者」だとか「教養ある物理学者」であることを自らに禁じてきたこともあって、仔細に論じたり批判したりするつもりはさらさらないのだが、放射能を心配するあまり、引っかけられる人がいないようにとは願っている。

 

[1] 荒川洋治「詩集 醜仮廬」『荒川洋治全詩集1971-2000』(思潮社 2001年)p.163。

 

        

 

読書や絵画鑑賞のブログ
かわたれどきの頁繰り(小野寺秀也)






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Last updated  2015.11.24 13:13:40
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