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カテゴリ:美術・芸術・博物鑑賞
きょうは「サントリーミュージアム[天保山]」へ、建物自体を見納めに行くつもりで出かけました。 今やっているのは「ポーランドの至宝-レンブラントと珠玉の王室コレクション-」という展覧会で、次の「ポスター天国」で「サントリーミュージアム[天保山]」は閉館となり、大阪市へ譲渡されます。 いつもがらがらの美術館なのに、3連休の中日(なかび)ということもあるのか、辺り一帯はものすごい人でした。 「でも、ミュージアムはがらがらだろう・・・。特に、ポーランドの絵なんて、見に来るような人はいないはずだ」と思いつつエントランスのほうに近づいていって、‘まさか’の光景を見てしまいました。。。 チケット売り場で長蛇の列、チケットを買ってから入館までの列、それぞれが何重にも折れ曲がっていました。 私は幸いチケットを持っていたので、最初の列には並ばずに済みましたが、それでも、あとの入館待ちの列は6重になっていて、20分ほど待たされました。 みんな見納めに来ているのかと思ったのですが、帰ってから調べてみると、今回の展覧会は創価学会関係の資本が動いているらしく、信者がほとんど出てきているようです。 それらがみんな献上金になるためか、チケットを現金で買うために、あり得ない列ができていたようです。 エレベータの前でも数分待って、ようやく会場に着きましたが、今回はスライドを使ったミニ解説会もないし、「展示品目録」も作っていないということで、明らかにいつもの展覧会とは異なったものでした。 5重ぐらいに人が重なった後ろからパネルや展示物を覗き込むようにして見ました。 展示は「第1章.珠玉のポーランド王室コレクション-絢爛たる王国の時代」から始まりました。 「ここでは、ポーランド王国最後の国王スタニスワフ・アウグスト・ポニャトフスキの珠玉のコレクションを紹介します。ポニャトフスキは1764年から1795年までの約30年間におよぶ治世の中で、絵画およそ2500点に、多くの彫刻作品・工芸品などを加え、ヨーロッパでも有数の美術品コレクションを作り上げました。中でも、レンブラントの代表作『額縁の中の少女』は、作者の最も充実した時期のものであり、今でも観る者を魅了して止みません。また、宮廷画家として仕えていたヴェネツィアの画家ベルナルド・ベロットの手によって描かれた作品5点もご覧いただきます。 クラクフのヴァヴェル城からは、16世紀中頃に大量に注文され、大事に残されてきた世界でも最大規模のタペストリーコレクションの中から3点が公開となります」。 続いては、「第2章.19世紀ポーランド絵画」のコーナーです。 「ポーランドは18世紀後半に列強諸国により分割・併合され、国が消失してしまいます。国家が失われていたこの時代、祖国再生を願う民族意識の高揚と相まって、ポーランド美術界には幅広い表現が現れました。輝かしい祖国の歴史を描き続け、同胞と世界にポーランドの存在をアピールし続けた歴史画家マテイコを始め、近代絵画の巨匠として世界的に活躍したシェミラツキや肖像画の名手シムラー、写実主義の代表的な画家ヘウモンスキや、ポーランドに印象派を紹介したパンキェビッチなどの絵画約30点を紹介します。明るい陽光に照らされた風景に漂う独特の哀愁や、人物画にみられる鋭い人間描写など、卓越した表現の内に、失われた祖国ポーランドとその同胞たちに対する画家たちの深い想いが感じ取れます。ポーランド近代絵画がこのようにまとまった形で展示されるのは今回が初めてです」。 最後は「第3章.ポーランドが生んだ偉人たち」というコーナーで、美術からは離れてしまいました。 「ここではポーランドが生んだ3人の偉大な人物に光をあてます。天文学史上最も重要な発見といわれる地動説を唱えた天文学者コペルニクス。本展では、コペルニクスの革新的な発想を支えた天体器具を復元したものをご覧いただきます。数々の美しいピアノ曲から“ピアノの詩人”と称されるポーランドが生んだ偉大な作曲家ショパン。今年はその生誕200周年となる『ショパン・イヤー』にあたります。本展では、彼がしたためた直筆の書簡をはじめとした資料を展示致します。 また、近代物理学を語る上でキュリー夫人の存在を欠かすことはできません。彼女は女性で初めてノーベル賞を受賞したのみならず2度にわたり同賞を獲得した最初の人物です。本展では、キュリー夫人の遺品をはじめ、その功績を伝える数々の資料をご覧いただきます」。 言ってしまえば、完全な“蛇足”。 芸術家で日本によく知られた人がない満足度を上げるためか、コペルニクス、ショパン、キューリー夫人の名前を出しておけば、「知っている名前を展覧会で見た」という満足感が得られるだろうと思ったのか、コペルニクスが使った天体観測用の道具やショパンの譜面、キュリー夫人の胸像などが申し訳程度に展示されていましたが、むしろ人がいちばんたかっていたのはこのコーナーでした。 まったく自分のペースで見ることはできませんでしたが、特別見たい作品があったわけでもなく、全体で1時間20分という鑑賞時間は妥当な線だと思います。 それにしても、これでこの美術館を見納めにできたとは思いたくありません。 やはりうらぶれた西側の海に面したコンクリートの段に座り、沈みゆく太陽を見ながら、「ああ、きょうも終わりかぁ・・・」、そして、最後には「この美術館も終わりなんだなぁ・・・」という感慨に浸るにはあまりにも不向きな日でした。 ポスターは興味がないのですが、最後の展覧会を見に来ようかなぁ・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年11月01日 01時36分37秒
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