昨晩は寒かったですね。布団を引っ張り出してしまいました。夜中に起きて開いて窓などを閉めて廻ったのですが、それで疲れたのでしょうか午前中起きられず眠くて仕方が無かったです。
ここのところさしてやる気が起こりませんでしたので、エッセイ集を読んでいました。その中でちょっと気にかかる文章を見つけました。坂口和子さんが書かれた「たたむ」というエッセイです。
その主な内容はムクゲの花、特に白いムクゲが好きだと言う話で、ムクゲは最後まできちんと始末する行儀の良い花で女性らしさがある。それに比べてハクモクレンは(散った後の)行儀が悪く男性の姿を重ねてしまうということでした。
ムクゲの花が咲くのは当然ですが、その咲き終わりの終焉の姿が美しいと言うのです。散ると言うことはしないで、花びらは蕾のときと同じような形にきちんとたたまれ、一瞥しただけではこれから咲くのか既に終わったのか判らないほど綺麗だと言う。そして筆の穂先のようになってポトンと落ちる。何気なくさあこれでよしとでもいうように地面に落ちた花はそのままの姿で朽ち、やがて土と同化してしまう。
ムクゲをこんな風に見たことがありませんでした。開いたパラソルをくるくるとたたんでいく人のしぐさに似ているという表現には驚きでした。ムクゲは一日花で近所に咲いていますが、その様子をじっくり見たことはありませんでした。
こんどムクゲの花を見かけたときは、その様子をじっくり見てみようと思いました。でもいつごろ花をたたみ始めるのでしょう。まあ何度か見に行くうちにその様子がわかるでしょう。ただ私は花は散るほうが花そのものがボトリと落ちてしまうより好きな気がするのです。もっともこのエッセイは人生のたたみ方に重点を置いて書かれているのですが。
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