山口の旅の続きです。
萩へ行ったのです。
ようやく見つけた武家屋敷界隈の小さな駐車場。
そこは、小さなお寺の駐車場だったんですね。1時間100円。
駐車させていただいたついで・・という軽い気持ちで、お寺を参詣したのです。
大きな天狗の面のある、なんとも癖のあるお寺。円政寺というお寺でした。
すると、お土産物なんぞを売っている奥から、住職さんが手招きするんです。
で、近寄ってみたら、住職さん、いきなり滔々とお寺の由緒を語りだすのです。
すなわち。ここはお寺と共に、神社もあること。
ここに、伊藤博文が幼少の頃預かられ、勉学に励んだこと。
貧しい農家の子だった彼は、11歳の頃、ここに預けられて修行したのだそうです。
高杉晋作も、同じ時に、ここで勉強していたこと。
庭には、伊藤博文、高杉晋作がそれで遊んだという木馬もあり、
で、おみやげ物の奥に並べてあるレンガ製の硯は、伊藤博文が使ったものであること。
裏には、高杉晋作の家があり、
隣りは、青木周弼の家であり、その向こうは木戸孝允の家があること。
この、300メートル四方から、明治の偉人が大勢輩出されていること・・などなどと。
ようやくやっと、その長いお話から解放されて、周辺を散策したのですが、
ほんと、住職さんが自慢するように、凄いんですね。
お寺の隣りの住居は、青木周弼邸なんですが、
医者である彼は、高杉晋作の天然痘を治療しているんですね。
その弟の研蔵が、あとを継ぐわけですが、その養子となった周蔵は、
さらにお隣の木戸孝允の推薦で、外交官になるんですね。
で、青木家は代々、外交官の職に就き、曾孫が、あのペルー大使館占拠で有名な、
青木大使なんですね。
さらに裏通りには、田中義一の家もあるんですね。
共産党の志賀義雄の家もある。
それが、この、歴史的武家屋敷跡として、残されている、
萩の情緒ある界隈に、ギュッと集まっている。
これって、どういうことなんでしょ。
たまたま、偶然・・ということかもしれないけれど、
萩には優秀な血筋が多い、ということかもしれないし。
優秀で強運の人の知り合いだと、引っ張ってもらえる・・ということかもしれないし。
あるいは、ノーベル賞を受賞する人って、
共通して美しい環境で育っているのだそうですが、
ああこれも、そういうことなのかな・・とも思えるし。
いずれにせよ、山口恐るべし、萩、恐るべし・・でありますかね。
★写真は、その円政寺。