神谷ちづ子・ついつい・一言
PR
Keyword Search
Profile
こちづ
ものいわぬは はらふくるることなりて。 言いたいこと、いっちゃいましょ。
Category
Archives
Comments
Favorite Blog
Freepage List
< 新しい記事
新着記事一覧(全3163件)
過去の記事 >
少し前、NHKの教育テレビで、ホスピスの院長先生が話をしていました。 物静かな院長と、おとなしそうな男性アナウンサーの対談だけで、1時間。 そんな地味な番組なのに、ついつい、引き込まれてしまいました。 院長先生は、もとは、外科医でらしたんですね。 それが、父親の癌闘病がきっかけで、ホスピスの経営に携わろうと決めるのです。 でも「その頃はまだまだ、患者の立場に立ってみられなかった」
と振り返ります。 彼はその後、自らも癌に侵されていることを知るわけです。 で、手術して、いつまた再発するか・・という不安を抱えながら生きている。 でも、そういう立場であると、患者の思いがようやくよく、分かるし、 患者も、「同類」として心を開いてくれるのだ・・と。 70代の男性がホスピスに入って来られたそうです。 「先生、もう、痛くて痛くて、眠れないのです」と訴えるのだそうです。 だから、モルヒネを処方して差し上げた。 次の日、「いかがですか?」と聞くと、 「おかげさまで、痛みは半分に減りました」と言うのだそうです。 で、それは、よかった・・とその日、二人で様々な話をしたのだそうです。 その男性のこれまでの人生の話に耳を傾ける。 ひとつひとつ「ほう、ほう」と丁寧に聞くのだそうです。 で、さらに次の日「夕べはどうした?よく眠れましたか?」と聞くと、 「先生、痛みがすっかり消えました」というのだそうです。 別に痛み止めを処方したわけではない。 ただ、じっくり話を聞いてあげた、それだけなのに。 ホスピスに入ってこられる方、というのは、大きな孤独を抱えているのだそうです。 他のあらゆる人は、生きることが当たり前の世界にいる。 なのに、自分だけ、「死んでいく」という枠に入れられて、 もう、突き放されたような、気持ちでいるのだそうです。 病気の痛みというのは、物理的な痛みも確かにあるのだけれど、 多くの部分は、そういう心の痛みによるものなんだそうです。 そして、その孤独感を少しでも癒せると、 人は、穏やかに「死」へのしたくが出来るのだ・・と。 ああ、そうなんだろうなぁ・・と思いましたね。 いい話を聞きました。 今、各局で、番組の制作費が削られて、しょうもない番組ばかりが、 粗製乱造されていますが・・。 ほとんど、お金をかけなくても、こんなにいい番組が出来るのに・・ そう、思いましたね。 いろいろあっても・・さすが、NHKなんですよ。 受信料、払いましょうよね。