神谷ちづ子・ついつい・一言

某経済誌に、塩田潮氏というジャーナリストの寄稿が載っていて、

おそらく、この方は民主党政権誕生を強く推した方なのでしょうが、

「どうやら世論は変革よりも安定を望んでいるようで、

このままだと自民党政権に戻るのだろうが、

国民の多くの期待に応えられなければ、総選挙大勝でも、

あっという間に政権は失速する。」と悔しそうにまとめていました。

「政権が視野に入った自民党の安倍総裁はすっかり首相気取りで、

投票日の2週間以上も前の11月下旬から、早くも

新内閣の閣僚人事構想を練っているらしいが、

元はといえば「不安定政治」を生み出したのは安倍氏である。」

と意地悪いことも言っているんですが、

「すっかり首相気どり」って、それは安倍さんに気の毒でしょ。

難題山積の今の日本で、政権担ったら、

翌日からも動き出すべきで、閣僚人事なんて、

前々から決めておくのが当然でしょうに。

それに、安倍氏は、病気で退陣したけれど、

彼が不安定政治を生み出したわけではない。

こんなになったのは、この3年の民主党のせいでしょうが。

ところで、氏は、解散についてこう書いています。

『やはり野田首相のこの時期の解散は失敗だった

ということになりそうだ。「近いうち」の約束の履行、

消費税増税勢力の民自公3党による多数確保、

第3極の封じ込めなどを狙ったに違いないが、

致命的だったのは民主党の総選挙対策の欠如である。

（中略）「自滅解散」と言われたが、与党の党首として

解散・総選挙のイロハも知らなかったのか、

「大敗」後の政界再編を夢想しているのか、

それとも「玉砕の美学」に酔ったのか。いずれにしろ、

党首なのに、民主党を大切にする気持ちが

稀薄だったと言われても仕方がない。』

野田氏は、今の状況を優に想像出来ながら、

どうして解散を宣言したのか

巷間言われているように、第三極の封じ込めもあるだろうし、

自分が引きずり降ろされそうになったこともあるのでしょうが、

誰が見ても、にっちもさっちも行かなくなった

日本の行き詰まり状態を、打破しなくてはやはりいけない、

とそう気持ちの奥で、思うところがあったのではないですかね。

どう考えても、ここで選挙する他に、方法はなかったし。

この時ばかりは、民主党の党利でなく、総理までやった一政治家として、

日本全体のことを、考えてくれた・・

そこは、評価しているんですけれど、ね。