アメリカ大統領選に向けて、トランプ氏が快進撃を続けています。
16日に行われた予備選でも、東部5州全てで勝利したとか。
さんざん批判されながらも、共和党候補は、トランプ氏に決まるのか
先日、ワシントンと日本を往復するジャーナリスト・古森義久氏の講演があり、
お手伝いも兼ねて、拝聴して参りました。
海外駐在が長く、産経新聞のワシントン支局長としての経歴も長く、
アメリカの政治状況を上っ面でなく伝えられる
数少ない日本のジャーナリストだと評価しているんですが、
開口一番おっしゃったのは、
「みなさんが一番聞きたいのは、誰が大統領になるかでしょうが、
それが分かる人はいませんので、その質問はご勘弁を」でありましたね。
トランプ氏がここまで残ると見通した人は、評論家、学者、ジャーナリスト・・
いわゆる「政治のプロ」を総並べても一人もいず、
今、トランプ氏が優勢のようでも、突然、風が変わって、
どうひっくり返るかも、誰ももはや分からない状態なのだそうですよ。
ただし、トランプ氏が大統領になっても、他の誰かがなっても、
日米安保条約を破棄し、米軍が撤退するようなことにはなりません、と。
アメリカにとって、東アジアの基地が重要だということは、
例えトランプ氏でも(頭は悪くないので)いずれ理解するから、だそうです。
私、ずーっと解せんと思っていることありまして、
いい機会だと、一つ、質問させていただきました。
「オバマさんが大統領になって、すぐにも評価がガタ落ちながらも、
民主党が8年も政権を確保してきた以上、フツーなら共和党は、
次こそは、と強力・鉄壁候補者を用意して臨んでくるべきものだと思うんですが、
現実は、大勢がヒョコヒョコ立候補してまとまりもせず、結局、
横からヒョイと入って来たトランプ氏にいいように振り回されている・・
これって、どういうことなんでしょうか」と。
そうしましたら古森氏、苦笑いして、
「いやぁ、そのことをコラムに書け、と言われて困っているんですがね」・・といいつつ、
なんとかせんと、と思うから、我も我もと乱立になった・・
というようなことを、おっしゃっていました。
なるほど、乱世には「我こそは!」といろんな人が出てくるものですが、
今の共和党は、そういう状態なのかもしれません。
いずこの国でも、政治の世界は、魑魅魍魎。
目的に向かって心を一つにして・・
なんてことにはならない、ってことでしょうかね。
ま、結局誰が大統領になっても、そう日本が困り果てることはないそうですし、
所詮、日本人庶民になんとかできるものでもなし、
静かにショーとして楽しんでいればいいのかもしれません。
それにしても、本当に不思議です。
どこの国でも、どんな政治のポストでも、
世界にはこれだけ大勢の人がいるのに、
「この人こそ」と思う人が出てこない。
どうしてなんでしょうね。