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カテゴリ:政治の世界に物申す
英国が混乱している。 国民投票でEU離脱を決めておきながら、この期に及んで 離脱反対派の100万人を超える署名を集めたり大規模デモをやったり。 議会は議会で苦肉の策の離脱案を否決し、 今や、メイ首相降ろしが起こっているらしい。 メイさんにとっては「やってられないわよ」と腹立たしい限りでしょうね。 EU離脱なんてとんでもない・・と思っていたのに、 気が付いたら離脱に向けての最先鋒の役を担わされ、 苦労してまとめた離脱案は「そんなのダメだ」と却下される。 離脱延期を決めたところで、それを認めるのはEU側なわけで、 「なに、やっているんだか」でありますよね。 投票から時間はあったのに・・ほんと、なにをやっていたのだか。 そういうことに気付いているんだか、いないのだか、 この期に及んで「離脱は止めよう」なんて声を上げ出したりもして。 英国の最大の失敗は、EUを離脱するかしないかの大きな選択を、 安易に国民投票に委ねたことでしょうね。キャメロン氏の罪は深い。 大事なことだから民意に問う・・というのは正論であり、 一見、見事な民主主義に見えるけれど、私達は民意というものの、 いい加減さをよーく、分かっているはずなのです。 民意ほど気まぐれでいい加減で思慮に欠け、 何らかの先導に煽られ易く、風次第でいくらでも手のひらかえすものはない。 ・・ということをマスコミは絶対言わないし、 政治家が口にしたら大炎上でありましょうが。 実際、離脱に投票しておきながら 「だって、離脱するってどういうことか分からなかったから~」 なんぞと今頃になって言い訳している人は多いらしい。 私は過去、通算二十数年間の在外生活で何人もの英国人と接触してきましたが、 ほぼ全員というのが大げさでない程、知的で理性的で物事を客観的に見られ、 ウィットに溢れる人達でした。 もっとも、ほとんどが外交官やその家族という、 比較的知識層の方達だったせいもあるでしょうが、 他国の同レベル階層の人達と比べても、そこは「英国の質」に一目置かざるを得ないほどの、 格の違いみたいなものがあったものです。 だから今回のこの混乱ぶりを見るに、失望感は抑えようがない。 私は世の中が「物事を深く考えなくなっている」と危惧しているのですが、 英国よ、お前もか・・という印象。 ただ、他人事じゃない・・とも思うわけです。 だって、なんか似ているじゃないですか。 国会で繰り広げられている偽善に満ちた論争や、 ステレオタイプの報道や、考えの浅い街の声や・・。 英国の混乱を遠くからみることで、 日本の私達は学ぶこと多々であるわけで。 大事なことは、一時の気分や風で決めてはいけない。 まともな政治家を選んでおかなくちゃいけない。 ともかく、英国にはいい解決策に到達してもらいたいものです。 今更国民投票をやり直すことも出来ないだろうから、 潔く離脱して、英国流の生き残り法を探るしかないとは思いますけどね・・。 はて・・どう切り抜けるんでしょ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019.03.25 11:30:45
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