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和歌山県を旅して来ました。 何故、和歌山かと言いますと、少し前のNHK「ブラタモリ」で 和歌山を取り上げていたんですね。 「そうだ、京都に行こう」というCMが昔、流れましたが、 「そうだ、和歌山に行っていない」と私はその時思いまして・・。 大阪から入って、海沿いをグルっと回って名古屋に出て、 帰ってきました。海沿いを一周。 温暖で美しい土地なんです。人々はのんびりゆったりしていて。 でも、県の8割を占める山地がリアス式の海岸のギリギリまで迫っている。 当然、川も多く、かつて水害も多かったらしい。 熊野本宮大社は、とんでもない山奥にあるんですが、 熊野川の氾濫で水害に遭い遷座した過去まであるんですね。 その時、社殿は奇跡的に流されず、今に継がれているのだとか。 JR紀勢本線に乗ると、席の前のポケットに説明書が入っている。 なんだろうと読んでみると「津波の時の逃げ方」なんです。 確かに海沿いをぐるっと回るルートは、 場所によっては、窓から手を伸ばせば海に届きそうな所を走っている。 こんな所で高波や津波が襲ってきたら、どうやって逃げるんだ・・と思いましたもの。 街を歩いていると「ここは海抜〇メートル」の表示や、 「避難路→」という表示が目に付きます。 しかし、「避難路→」の先に目をやっても、道なき山が迫っていて、 ここをどうやって登って、どこに逃げるんだと途方に暮れてしまう。 ともかく少しでも高い所に逃げろ・・ということなんでしょうが、 これはお年寄りでなくても、避難は大変だろうと思いました。 山沿いの道をバスで走っていると、 麓のわずかな平地に家がぎっしりと建っている。 時々、土砂崩れの痕があったりして、 土砂災害が起こりやすい地形であることが分かる。 旅行に出る前夜、東北で震度6の地震がありました。 東京では、東北での被害や関東での停電がニュースになっていたようですが、 和歌山方面では、ホテルのTVで見る限り「これは南海トラフ地震と関連があるか」 が最大の関心事のようでした。 京都大学の先生だという方が「南海トラフ地震は必ず起きるんです、 それは歴史が証明している。そうなると東日本大震災どころではない、 何十万人もの死者が出る」なんぞと解説している。 紀伊半島は、南海トラフに近く、必ず起こると言われている南海トラフ地震の 最先端なんですね。そういう場所は地震発生から津波が到達するまでの時間も 非常に短いという特性があるのだそうです。 海岸沿いの地層の隆起を見れば、かつてこの地で凄まじい地殻変動が 起こっていたことがよくわかります。 その地殻変動が今後起こらない保証はどこにもない。 美しい風景と穏やかな気候の中で、 人々は常に地震や水害や津波や土砂災害の危険と 隣り合わせで暮らしていることを思い知りました。 でも、こういう状態にあるのは、こと和歌山県だけではない。 全国津々浦々、日本のどこでもあり得る話で。 感染症に戦争に自然災害・・。 なんとまあ、私達は困難に囲まれていることか。 でも・・出来ることはある。
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Last updated
2022.03.21 17:07:51
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