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邦画(07)

2018年08月15日
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カテゴリ:邦画(07)
今月の映画評はお盆の時期なのでこれにしました。


「夏の庭 The Friends」
時々こう聞かれることがあります。「あなたの生涯ベスト作品は何なの?」たくさん映画を観ているのだから、ベストならばいい作品に決まっているからそれを観たい、という下心(推定)のようです。今までもそういうベスト作品を幾つか紹介して来ました(「レオン」「七人の侍」)。でもそういう時に、いつも頭に浮かぶけれども紹介するのをためらってきた作品があります。レンタルにもDVDにもなっていない幻の作品だったからです。ところが、最近DVDが発売されました。相米慎二監督の「夏の庭」です。

基本的にいい作品なのですが、誰にとっても生涯ベストになるかと言うと、おそらく否です。湯本香樹実の同名原作があり、新潮文庫「夏の本」にも選ばれています。私は94年に「岡山を考える市民のつどい」前夜祭の特別上映で観ました。その1度観ただけなのに、その後何度も思い返すことになる特別な映画になってしまいました。

神戸の小学校6年生の3人組の1人がある日こうつぶやきます。「人は死んだら、どないなるんやろ」それで近所に住む今にも死にそうな傳法喜八(三國連太郎)の生活を見張ることにするのです。はじめは少年たちを怒る喜八だったのですが、やがて彼らとの交流が始まります。

私も、小学生の時に突然同様の疑問に襲われました。私の近所の髭ぼうぼうの一人暮らしの老人が死んだのです。言葉を交わしたことはなかったのですが、親類の葬式さえ出たことがなかった私は、この「死」に驚き恐怖を感じました。以後この怖さをずっと持て余す事になります。大人になると不思議と何とも思わなくなるのですが、映画を観てあの時の気持ちを思い出しました。そして髭のおっちゃんと話をした気持ちになったのです。

映画ではなんやかんやあって、喜八は小さな白い箱に収まります。そのとき葬儀屋(柄本明)が言う「死は穢(きたな)いものではなく、尊敬されるべきものなんです」との一言が忘れられません。

最初は荒れ放題だった老人の家の庭を子供たちは草を刈り、部屋を綺麗にする。最後にはコスモスの咲く可憐な庭として残ります。24年前には、小学生の気持ちで観た私でしたが、今回見直して「私も、三國連太郎のように死んで行くかもしれないなあ」と思ってしまった生涯ベストでした。(レンタルはどうやらどの店にも置いていません。DVD3800円)






最終更新日  2018年08月15日 07時39分43秒
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2010年05月15日
カテゴリ:邦画(07)
「フラガールズ」の二番煎じ。笑いと感動とパフォーマンスが数十ポイント低い。前作はプロ集団だった。テンポが悪い。あと30分短く出来る。クライマックスのパフォーマンスのときの事故で、立ち上がるのが遅すぎ!女の子達は当然がんばっているが、監督の演出と編集がよくないと思う。

監督 : 猪股隆一
脚本 : 永田優子
出演 : 成海璃子 、 山下リオ 、 桜庭ななみ 、 高畑充希 、 小島藤子 、 金子ノブアキ

あとでHPをみてびっくりしたのだが、これはほとんど実話だということだ。それをちゃんと映画の中で入れとかなくちゃ。本当に高校生が町興しのために書道パフォーマンス甲子園を企画したんですね。凄いものだ。

桜庭ななみが案外よかった。高畑充希もなかなかよかったと思う。






最終更新日  2010年05月16日 01時25分07秒
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2007年12月26日
カテゴリ:邦画(07)
「交響詩篇エウレカセブン」
交響詩篇エウレカセブン.jpg
ずっと気になっていたアニメDVDを四巻まとめてみる。あと9巻ほど残っているらしいのだけど、今のところの感想を述べてみる。あらすじ等はHPで。

このアニメで特異だと思った部分。主人公の少年が巻き込まれて戦争に加担していくというのは、ガンダムと同じ構造である。しかし三巻目の第九話「ペーパームーン・サンシャイン」をみて、今のアニメってこんなところまで来ているのか、とびっくりした。

人型戦闘ロボットの操縦者ヒロインのエウレカとゲリラ戦闘機月光号のリーダー・ホランドは、数年前まで軍の特殊部隊の主要戦闘員であり、なんと!エウレカが一般市民を虐殺する場面が二度もある。そのとき、死体の下でうずくまっていた3人の幼子を見つけたときにエウレカたちの反政府組織への転進が始まり、軍と対峙していくのではある。主人公であるレントン少年はその事実を知った後も、初恋の人であるエウレカにしつこく聞きだす。
「それでも仕方なかったんだろう?」
それに対してエウレカは答えるのである。
「わかっていない!
わたしたちは今でも戦争をしている。
 私たちのしているのはゲームでもなんでもない。
 気づいていないかもしれないけど‥‥‥
 レントン‥‥‥それに君も加担しているんだよ」


これは日曜の朝7時から始まるアニメだった。小学生、中学生が見る時間帯である。すごいことだ。私は偶然この回だけをテレビで見た。その後の展開を一二度見ただけで結局話がどうなったのか分らずじまいだった。

今回はじめから見てびっくりしたのは、このアニメの世界(星)の説明が、ほとんどされていないのだ。トラパーと言う高濃度の空気の波がときおり寄せて、それに乗ってサーフィンよろしくロボットも空を翔る設定らしいのであるが、そのような基本的なことがほとんど説明されていないのである。それなのに、番組として成り立つところがまたびっくりする。おそらく子供たちは「アニメージュ」などで基本的な知識を補填しながら、学校で知識交換をしながら観ていたのだろう。

今までのところでは、
戦争とは?命とは?自由とは?
そんな深いところまで描いているかのような思わせぶりはしているけれども、どうも表面をなぞっているだけのようにも思える。ただ、中学生にとってはもしこれがはじめて見る「戦争」ならば、「考えるきっかけ」にはなるのかもしれない。

結末のつけ方を見守りたい。







最終更新日  2007年12月27日 00時13分23秒
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2007年12月23日
カテゴリ:邦画(07)
12月13日に「朝日ベストテン映画祭」の入選作が発表された。そのうち洋画は一位「長江哀歌」二位「孔雀我が家の風景」三位「ゾディアック」で、邦画は一位「天然コケッコー」二位「河童のクゥと夏休み」三位「それでもボクはやってない」だった。この映画祭は数ある映画祭のなかで最も早い時期のもの。毎日映画コンクールやキネ旬、ブルーリボン賞などはまだ納得性があるが、日本アカデミー賞だけは毎年納得していないであろう、多くの映画ファンにとり、この朝日のは評論家の選考ではあるが、まあまあ納得性があるものである。

悔しかったのは、私がぼろくそにけなした「長江哀歌」が一位になったことではない。日本映画十本のうち私が鑑賞したのは、上位二位三位だけで、あと八本は全て未鑑賞だったことだ。今年は去年より少しだけ忙しくて、少しだけ見る本数が減った。そのギリギリのところで、観るのを諦めた作品が上位に来ているのが悔しい。特に日本映画は山下淳弘監督のが二本も入っていて、コケッコーはまだDVDがレンタルしていなかったので借りれなかったが、四位の「松ヶ根乱射事件」をDVDで見た。うん、なるぼど、傑作ではないが、心に残る作品だった。納得した。

監督: 山下敦弘
出演: 新井浩文 / 山中崇 / 木村祐一 / 川越美和 / 三浦友和 / キムラ緑子 / 烏丸せつこ / 西尾まり / 安藤玉恵 / 康すおん / 光石研 / でんでん

舞台は90年代初頭頃。とある田舎町・松ヶ根で警察官をしている光太郎は、事件という事件のない退屈なこの町にウンザリしていた。実家は畜産業を営んでいるのだが、ぐうたらな父親・豊道は近くの床屋に居候中。そんな所へ流れ者のカップル、みゆきと祐二が松ヶ根にやってきた。何か訳ありっぽいこの二人の出現をきっかけに、ひき逃げ、金塊騒動、ゆすり、床屋の娘の妊娠と、平穏な町の平和に波風が立ち始めるのだった。(goo映画より)

最初、「多少脚色していますが、基本的には全て私が見聞きした「実話」です」と言う意味のキャンプションがはいる。日本映画には珍しいことではある。

田舎の日常をずーと撮る。いちおうひき逃げ、金塊騒動、ゆすり、床屋の娘の妊娠‥‥‥と事件は起きているので、緊張は続くけども、内容はいたって田舎の日常である。このビミョーなバランス感覚が素晴らしい。いつ、誰が乱射「殺人」事件を起こすのか、と緊張しながら見ていた。誰が起こしても不思議ではない。誰もが普通に暮らしているけど、誰もが普通ではない。

だからラストの乱射事件はシュールだった。なるほど、これがあるから四位に選ばれたのかな、とも思った。

「ゆれる」で田舎の町で田舎に嫌気が差ししている嫡男を演じた香川照之を思い出した。あの映画もそうだったが、高度経済成長期の昔の田舎の現実と現代のそこそこの町になっている田舎の現実は違うのだ。現代は既に東京に出て行っても夢がないことは知っている。けれども、田舎にも夢がない。街の誰もが知り合いで、少々の犯罪はかばいあう。逃げ場がない田舎と言うのは都会とはまた違った苦しさがあるのかもしれない。






最終更新日  2007年12月23日 11時11分12秒
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2007年12月10日
カテゴリ:邦画(07)
「あぶない、あぶない」
監督 : 森田芳光
脚本 : 菊島隆三、小国秀雄、黒澤明
出演 : 織田裕二 、 豊川悦司 、 松山ケンイチ 、 鈴木杏 、 村川絵梨 、 佐々木蔵之介 、 風間杜夫 、 西岡徳馬 、 小林稔侍 、 中村玉緒 、 藤田まこと

案外楽しめた、脚本がよいし役者も好演している、と言う巷の声を聞きますが、私は失望しました。

いったい監督は何のためにこの映画を作ったのでしょうか。二時間そこそこ楽しみを持たせるために作ったのでしょうか。それならば、オリジナルで勝負して欲しかった。心に残る映画を作りたかったのだったら、これではダメだ。

織田裕二は、そこそこ努力して、そこそこ役造りをしたようだ。殺陣もしっかりやっていた。しかし、この映画の肝は、椿三十郎なる素浪人が、頭もよく、腕も立つのに、最後の最後で室戸半兵衛のように出世の道を選ばなかった、その対比にある。見かけは全く違う二人であるが、城代の奥方だけは、三十郎の本質を見抜く。「あなたはギラギラした抜き身の刀の様ですね」。そして椿は室戸を評して呟く。「あいつは俺だ。」だから、三十郎の「抜き身の刀」である部分をきちんと見せて二人の類似点を強調することが、結果的に二人の運命を分けたところは何なのかを観客にわからすことになる。殺陣の場面など、それを髣髴させる場面は確かにあった。しかし、それ以外のほとんどの場面で織田裕二は自分の癖をかなぐり捨てて三船敏郎の語尾を強調する言い方をそのまま真似て見せる。あれは三船がしたから似合っていたのであって、織田裕二がしても全然似合わない。しかし、一方ではいつもの織田裕二の演技ならば、「ギラギラした」部分は出せなかっただろう。監督は織田裕二を選んだ時点で、彼に三船の真似をさせてはいけなかった。難しいが、現代の「ギラギラ」とは何かを極めた上で、全く新しい椿三十郎を作らなくてはいけなかった。

この映画が、60~70点程度の単なる娯楽作に終わったゆえんである。そしてそれは私にとっては、黒澤映画に対する侮辱でしかない。失望した、と言った所以である。

鞘に納まった刀である城代は最初事件の本質をこのように言っていた。「あぶない、あぶない。本当の黒幕はもっと奥まったところに居るものだ。」それを真似て私はこの作品について言いたい。
「あぶない、あぶない。本当の面白さはもっと奥まったところに居るものだ。」







最終更新日  2007年12月11日 00時13分13秒
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2007年12月01日
カテゴリ:邦画(07)
「それと‥‥‥俺たちは軍隊ではない、自衛隊だ。」

監督 : 成島出
原作 : 高嶋哲夫
脚本 : 長谷川康夫 、 飯田健三郎
出演 : 大沢たかお 、 竹内結子 、 玉木宏 、 吉田栄作 、 袴田吉彦 、 大森南朋 、 石黒賢 、 藤竜也

日本アルプスに米軍のステルス爆撃機(ミッドナイト・イーグル)が墜落した。その積荷にはとんでもないものが‥‥‥。日本政府は「ふってわいた危機」に、国民が知らないようにひそかに、吹雪のアルプス山中においてテロを企てた「某国」工作員たちと闘うのであるが‥‥‥。それに、元戦場カメラマン役の大沢たかおや、雑誌記者の竹内結子 、 玉木宏が絡んでくる。と言うような話。

竹内結子は複雑な表情が出来るようになった。あとはいい映画に出会うだけだね。自衛官役の吉田栄作も渋い演技をする。

(以下重要なネタバレに繋がる話あり)
その吉田栄作が自分の誇りをかけて言う言葉が冒頭の一言。確かに、彼が果たしたのは専守防衛の仕事ではある。と、いうような設定になっている。そういう「政治的」なことに気を使いすぎる脚本なので、結果的に荒唐無稽な話になった。

たくさんの突っ込みどころはあるのだが、一番気になった点をひとつだけあげる。
それは、この話の発端は米軍が日常的にレーダーに映らないステルスに核兵器を搭載して某国(北朝鮮であるのは明らかであるが、ついに一言もセリフに入らず)上空を行ったりきたりしているのを「逆恨み」して、某国工作員が横田基地のステルスに爆薬を仕掛け墜落させて、日本に核爆発を起こさせようとした話である。日本の首相はそういうステルスの事情を全く知らなかったらしい。

おいおい、某国はもしテロが成功しても、それは日本に対して戦争を仕掛ける、と言うことなんですよ。子供のけんかじゃないんだから、どうしてそんな無責任なことが某国が出来る、と発想するのだろう。しかも一個中隊の本格武装集団がやすやすと日本に入り込めるという設定はいかがなものか。首相は一人悩む姿を演じて見せたり、独りで責任をとると言うようなせりふを言わせたりして見せたり、「泣き」を強調しているが、作品としては、最も責任のあるアメリカに対する批判的な視点がまったくない。

これではこの話はいったい何を言いたいのか、全く分らない。

この作品、日米同時公開らしい。アメリカの国民の失笑が目に見えるようだ。米国政府は充分に知っていただろうが、日本というのはこれほどまでに御しやすい国なのか、と宣伝にいっているようなものだ。みっともない。

昨日の記事にも書いたが、「アメリカの先制攻撃戦略に沿った日米軍事一体化計画の具体的な姿」をこの事件を発端にして浮かび上がらせる作品だったら、作品としても成功しただろうし、アメリカ国民にもかえって好印象をもたれるのではないか。

このような国際的大事件を浪花節で終わらす邦画の伝統はもうそろそろ止めにして欲しいものだ。






最終更新日  2007年12月01日 08時07分28秒
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2007年11月09日
カテゴリ:邦画(07)
「生き残ったひとは幸せにならんといかんのです。」
監督・脚本・VFX : 山崎貴
原作 : 西岸良平
出演 : 吉岡秀隆 、 堤真一 、 小雪 、 堀北真希 、 もたいまさこ 、 三浦友和 、 薬師丸ひろ子

前作「三丁目の夕日」の正統続編。前作は堤真一と吉岡秀隆、どちらが主人公か分らなかったが、今回は明確に吉岡秀隆の物語になっている。あまりにも予定調和だけれども、この映画に限っていえば、ハッピイエンドの「お約束」も悪くない。

オープニングの「ゴジラ」は、監督の「お金をたくさん貰ったらこんなのもやりたかった」みたいな夢を感じられてよかった。ラストタイトルに「VFX」とあったのは、監督の意地みたいなものなのかもしれない。

前作同様の小道具もたくさんあったけれども、日本橋、国際空港、トリスバー、一層式洗濯機、デリカシー、高速道路への空想、特急こだま、等々新しい小道具もたくさんあって、人物よりも画面の隅々が見どころになっていて楽しい。大画面で見る楽しみはそれである。

戦争がまだまだ人々の心に影をおろしているのは、鈴木のお父さんお母さんの同窓会や日本橋のシーンでも明らか。お父さんが酔いつぶれていたときの蛍が悲しい。

タダ、前作同様の頑張りなので、前作ほどのサプライズはない。それが、物足りないといえば物足りない。

前作は岡山県玉島通り町商店街がロケ地に選ばれていたけれど、今回は井原町とあった。これもお勧めのロケ地である。ここの商店街は本当にレトロ!しかもあまり寂れていない。






最終更新日  2007年11月10日 18時51分51秒
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2007年11月07日
カテゴリ:邦画(07)
公開時つい見逃した邦画のDVDを幾つか。

「暗いところで待ち合わせ」

監督: 天願大介
出演: 田中麗奈 / チェン・ボーリン / 井川遥 / 宮地真緒 / 佐野史郎 / 浪岡一喜 / 岸部一徳 / 佐藤浩市
田中麗奈の盲目の演技が話題になった。突然の父の死により一人暮らしを始めた盲目の少女ミチルと、転落事故の重要参考人として警察に追われ、彼女の家に潜りこんだアキヒロとの奇妙な同居生活。『藍色夏恋』のチェン・ボーリンが意外にも好演。残留孤児二世で言葉が少ししかできないために職場で孤立している様がよく描かれていた。職場で顔役的な佐藤浩市たちによるイジメで彼は独りになる。ミチルも家の中でこそ、自由に歩き回れるけれども、外に出ることができない。その二人の交流が案外とリアルに描かれている。

「やわらかい生活」

監督:廣木隆一
原作:絲山秋子
出演:寺島しのぶ/豊川悦司/松岡俊介/田口トモロヲ/妻夫木聡/大森南朋/柄本明
寺島しのぶがうつ病を演じる。そんな彼女が趣味のいい痴漢や、うつ病のヤクザ、EDの同級生と出会うことでしだいと自分を取り戻していく物語。うつ病の人が薬を飲みながら、それでも身体が言うことを聞かないほどに「鬱」がやってくる様をリアルに演じている。

「ストロベリーショートケークス」

監督: 矢崎仁司
出演者: 池脇千鶴、中越典子、中村優子、岩瀬塔子、加瀬亮、安藤政信 
これも、四人の女性たちそれぞれが、男運の悪さや、拒食症や、片思いや等々の独身女性特有の悩みを抱えながら生きていく様を描く。四人とも独りである。最後にやっと繋がる。

どれも五点満点で四点の秀作であった。






最終更新日  2007年11月08日 10時22分45秒
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2007年11月04日
カテゴリ:邦画(07)
1946年3月6日、政府とGHQの徹夜の協議で決まった「憲法改正草案要項」の発表があった。早朝、暗い鉄道高架下の売店で鈴木安蔵は新聞を買う。そして一直線の世田谷の自宅に走って帰る。紅白の梅の花咲く庭で妻と共に新聞を見る。二人は、自分たちの作った「憲法草案要綱」がほとんど取り上げられている!もう二度と戦争をしないために無言の条項として作った部分に憲法九条が入り、「我々の願いが言葉になって埋まった」と感じ、憲法24条の男女平等条項に妻は目を見張る、喜びそして涙を流す。名場面である。そのときまでに二度までも戦前と同じような憲法になりそうな危機があっただけに、余計にこの場面は感動的であった。
71101nihonoaozora2.jpg
やっと映画「日本の青空」を見ることが出来ました。
監督 大澤豊
出演 高橋和也 藤谷美紀 田丸麻紀 加藤剛

心配していた「意義任務だけで作る映画」にはなっていませんでした。なかなかドラマチックに描いていました。けれども決してエンタメではない。あえて言えばスクープ映画とでも言いましょうか。

大澤豊監督にはかつて沖縄戦を住民の側から描いた「GAMA-月桃の花」と言う作品があります。これは私のmy most tear映画です。それまでにも平和学習をテーマに沖縄旅行は二回ほどしていましたし、ある程度知識としては持っていたつもりでした。けれども目の前に広がる映像にやられました。映像の力です。この映画でも、きちんとした映像で日本国憲法の成立過程を見ることで、ある程度学習しているものには、「憲法は押し付け憲法ではない。民衆の闘いの成果である」ことに確信が持てるし、ここにある事実をあまり知らなかった人には目からうろこが落ちることでしょう。1945年末から46年はじめにかけての時間を限られた憲法を作るための政府、GHQ、民間学者たちの緊迫したやり取りは見ごたえがあります。

現代女性の沙也可は鈴木安蔵の存在を知ったときに「これはスクープだわ」と呟く。確かにスクープである。松本憲法調査会委員長が世論誘導のために毎日新聞に「松本憲法私案」をすっぱ抜かせたのとは性質が違う。
以前「スクープとは何か」と言う記事の中で私は
「スクープとは衝撃的な事実を速報することではない。
まだ人々に知らされていないことを報道すること。
報道することによって世論に大きな影響を与えるような報道であること。
物事の本質をつかんだ報道であること。
物事の本質を分かりやすく報道すること。」と書いた。
その意味でこの映画をスクープ映画と位置づけたいと思う。
小沢の辞任意向をすっぱ抜くのがスクープではない。彼の意図の本質を「解説」することこそスクープだろうと思う。

HPのここに鈴木たちの書いた「憲法草案要綱」全文がある。
植木枝盛の「革命権」を現代に翻訳したこの部分はぜひ日本国憲法に反映してほしかったと最近つくづく思う。

一、 議会ハ国民投票ニヨリテ解散ヲ可決サレタルトキハ直チニ解散スヘシ
一、 国民投票ニヨリ議会ノ決議ヲ無効ナラシムルニハ有権者ノ過半数カ投票ニ参加セル場合ナルヲ要ス

一、 国民投票ニヨリテ不信任ヲ決議サレタルトキハ内閣ノ其ノ職ヲ去ルヘシ






最終更新日  2007年11月04日 22時29分17秒
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2007年10月05日
カテゴリ:邦画(07)
生エリカを見たことがある。一作目の「バッチギ」が公開された直後。『問題のない私たち』(監督・脚本森岡利行 黒川芽以 沢尻エリカ 美波)の舞台挨拶で岡山に来たのである。まさにブレイクする直前だった。その半年後なら、岡山の場末の映画館には到底来なかっただろう。彼女はここで清純な役とは180度変わり、最初転校生でいじめられるが、すぐに反撃し、したたかないじめをする高校生の役になる。

現在のエリカはまさにこの映画を地でいっているみたいだ。ちょっと前々までちやほやされていたのに、一夜明けると、いじめの対象になっている。確かに彼女は「人間として未熟」だったのかもしれないが、その状態を面白おかしく報道するテレビや、ここぞとばかりにサイトに殺到して炎上させる視聴者たち、「社会として未熟」な様がよく表れている。

生エリカを見たとき、舞台挨拶では、わりと奇抜な服装で出てきた覚えがある。映画に出る前はモデルをしていたというので納得。当時19歳と言う年のわりには、非常にしっかりした受け答えで、その年はすでに二本の映画出演が決まっていたにもかかわらず、「夢は女優ではない」と言い切った。モデルの仕事、歌の仕事、そして女優の仕事もしたいといっていた。すでに自分の将来を見据えて仕事をしている。みかけはまるでお人形みたいに綺麗だけど、「これは化けるな‥‥‥」と思った。その後の展開はご存知の通り。化ける、どころではない。この二年の間に主演ドラマ二本。脇役映画三本。主役映画、四本?。歌でもヒットを飛ばし、エリカ100変化のモデルDVDさえも出る。この活躍は、「異常」以外の何者でもない。

彼女は夢を果たしつつある、といっていい。おそらく本当の夢は世界のトップモデルになることなのかもしれない。彼女にとって、映画はそのことを実現する手段なのだ。‥‥‥とでも芸能事務所から説得され、この殺人的スケジュールをこなしてきたのかもしれない。

エリカがこの映画の完成披露試写会で、ブーたれていたということで、大バッシングが起こったらしい。インターネットで拾うと、そのことに対して、エリカは謝罪コメントを出し、涙ぐみさえして、それがまた芸能インターネット記事のトップに載る。私は、確かにプロの女優としてはやってはいけない態度だったとは思うが、別に話題にするべき様なことではない、と思う。このようなことになる前に、芸能事務所がエリカとじっくり話し合い、しっかり休養を与えるべきだったと思う。事務所の責任である。彼女は夢の実現のために相当無理をしてきたのだろうと思う。資本の論理はかのようにして「人間」を「儲けの道具」として扱ってしまう。

さて、映画だ。作品としては、退屈もせずに見ることが出来た。
1006クローズド・ノート.jpg
監督 : 行定勲
原作 : 雫井脩介
主題歌 : YUI
出演 : 沢尻エリカ 、 伊勢谷友介 、 竹内結子 、 板谷由夏 、 田中哲司 、 サエコ 、 黄川田将也 、 永作博美 、 石橋蓮司 、 篠井英介 、 中村嘉葎雄


展開は最初からほぼ読めてしまう。サプライズはない。行定監督らしく、最初からなめるように撮る映像技術は健在。上空の桜散る映像から子猫の昼寝する城下町の古い下宿に映像を移していく。全体として三浦の町が非常に上手いこと撮れていた。

ストーリー的には、竹内結子の想いが紙ヒコーキと共に全編を覆うのであるが、しかし主役はやはり沢尻エリカであるという構造になっている。沢尻エリカには「花」がある。何をしなくても漂う「色気」はほかの同年齢の女優にはないものである。そしてもうひとつは「気の強さ」である。映画ではそんなエリカの特徴を上手いこと掬い取っていた。エリカもきちんとそれに応えていたと思う。

タダ、エリカがもし女優としてきちんと評価されるとしたならば、もう一皮剥ける必要がある。それはライバルといわれる長澤まさみにも言えることなのだが、「はっと映像に釘付けにさせる」演技なりセリフなりが、まだ彼女たちにはないのである。一つのセリフの持つ深みがまだ彼女たちにはない。沢尻エリカは聡明だから、そのことに自分でも気がついていて、いらだっていたという節もある。一年間に何本も主演映画を撮るようなスケジュールではとうていそのような映像を取ることは無理だろう。






最終更新日  2007年10月05日 23時39分19秒
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