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再出発日記

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2018年08月15日
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カテゴリ:邦画(07)
今月の映画評はお盆の時期なのでこれにしました。


「夏の庭 The Friends」
時々こう聞かれることがあります。「あなたの生涯ベスト作品は何なの?」たくさん映画を観ているのだから、ベストならばいい作品に決まっているからそれを観たい、という下心(推定)のようです。今までもそういうベスト作品を幾つか紹介して来ました(「レオン」「七人の侍」)。でもそういう時に、いつも頭に浮かぶけれども紹介するのをためらってきた作品があります。レンタルにもDVDにもなっていない幻の作品だったからです。ところが、最近DVDが発売されました。相米慎二監督の「夏の庭」です。

基本的にいい作品なのですが、誰にとっても生涯ベストになるかと言うと、おそらく否です。湯本香樹実の同名原作があり、新潮文庫「夏の本」にも選ばれています。私は94年に「岡山を考える市民のつどい」前夜祭の特別上映で観ました。その1度観ただけなのに、その後何度も思い返すことになる特別な映画になってしまいました。

神戸の小学校6年生の3人組の1人がある日こうつぶやきます。「人は死んだら、どないなるんやろ」それで近所に住む今にも死にそうな傳法喜八(三國連太郎)の生活を見張ることにするのです。はじめは少年たちを怒る喜八だったのですが、やがて彼らとの交流が始まります。

私も、小学生の時に突然同様の疑問に襲われました。私の近所の髭ぼうぼうの一人暮らしの老人が死んだのです。言葉を交わしたことはなかったのですが、親類の葬式さえ出たことがなかった私は、この「死」に驚き恐怖を感じました。以後この怖さをずっと持て余す事になります。大人になると不思議と何とも思わなくなるのですが、映画を観てあの時の気持ちを思い出しました。そして髭のおっちゃんと話をした気持ちになったのです。

映画ではなんやかんやあって、喜八は小さな白い箱に収まります。そのとき葬儀屋(柄本明)が言う「死は穢(きたな)いものではなく、尊敬されるべきものなんです」との一言が忘れられません。

最初は荒れ放題だった老人の家の庭を子供たちは草を刈り、部屋を綺麗にする。最後にはコスモスの咲く可憐な庭として残ります。24年前には、小学生の気持ちで観た私でしたが、今回見直して「私も、三國連太郎のように死んで行くかもしれないなあ」と思ってしまった生涯ベストでした。(レンタルはどうやらどの店にも置いていません。DVD3800円)





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最終更新日  2018年08月15日 07時39分43秒
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