少し前にお会いした三木東中学校の佐藤豊先生が、
「特別支援教育メーリングリスト」で
「今、学校に求められていることは?」
と題して、現状の課題や今後の方向性を大変分かりやすく表現されていました。
多分このブログにのっけても許可していただけると思うので、(^^;)
転載します。
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● 特別支援教育幕開け前の今、現場が必要としているのは、
(1) 前向きに具体的にいろいろ工夫しようとする
まさにセンセーにしかできない
ドラえもんのポケットのような工夫の数々
(2) 「特別支援教育」の名前のいかめしさなんてものともしない
さりげなさというか、教室での刹那刹那のちょっとした心配りこそが、
子どもたちの求められている「特別な支援」なんだという
初々しい新任の先生のような純粋な子どもたちを見る目
この2つに集約されると思います。
その助けになるのが、個別の教育支援計画であったり、
アセスメントであったり、クラス経営であったり、
保護者との柔軟な関わりであったり、
ICFや障害者の権利条約などの新しい障害観の学習であったり
するのではないかと考えています。
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全くそのとおりだと思います。
「先生」はまた「工夫できる」ことを楽しんでほしいし、
可能性について大いに夢見てほしいと思います。
あ~自分も先生なのに他人事のような書き方をしてしまった。。。
まず自分が、とは思っているのですよ♪(^-^)
「さりげないナチュラルなサポート」っていうのは、
これまでの教育とこれからの教育をつなぐ
具体的なキーワードになるような気がします。
だって、それでしかできないし、そこからでしか始まらないことですもの。
※ICFについて、「えっと、なんだっけ」と思ったので検索して調べました。
以下のサイトに説明がありました。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2002/08/h0805-1.html
「ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health)は、人間の生活機能と障害の分類法として、2001年5月、世界保健機関(WHO)総会において採択された。この特徴は、これまでのWHO 国際障害分類(ICIDH)がマイナス面を分類するという考え方が中心であったのに対し、ICFは、生活機能というプラス面からみるように視点を転換し、さらに環境因子等の観点を加えたことである。
厚生労働省では、ICFの考え方の普及及び多方面で活用されることを目的として、ICFの日本語訳である「国際生活機能分類-国際障害分類改訂版-」を作成し、厚生労働省ホームページ上での公表(8月5日より掲載予定)することとした。」
佐藤先生の投稿の転載を続けます。
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これまでのいわゆる古い教育、極端に言えば
学校の論理に子どもを合わせようとする
「子どもを金太郎飴にする教育」でもいけないし、
その反対に、こ れからは子どもをもっと理解しましょうということで、
教師みんなが横一線にそろって、同じアセスメントや指導法の勉強をして、
だれが指導しても同じことが できるようになりましょう的な
「教師が金太郎飴になる教育」であってもまずいのではないかと思います。
子どもの個性が光り、教師もその持ち味を出し合い、
お互いがお互いのスタッフになって助け合い、
うまく学級や職員集団で役割分担ができている学校 になっていかなくては‥
と思いますね。
さまざまな不勉強や無理解から来る不合理な「段差」は
何としても減らしていかなければならないけれど、
学校という本 来芸術的なところを、
子どもであれ大人であれ「金太郎飴」を大量生産する場にしてはならない
と感じています。
みんなでこの教育を大切にじっくり育てることが、
学校にいるすべての子どもたちにとって
過ごしやすく学びやすい学校を作っていくこと
そのものになるんだと思います。
学校はまだちゃんと生きていると思っていますので
「教育再生」ということばは、すごく抵抗がありますけど、
あえてこのいやなことばを使わせてもら うなら
「教育再生は特別支援教育をスタート地点に!」と言いたいですね。
「教育再生会議」の言うように7時間授業にしたり、
夏休みや冬休みを減らしたとこ ろで、
現在のさまざまな教育課題は解決するはずはないと思うのですけど、
どうでしょうかね。いいすぎかな‥。
三木市立三木東中学校 サポート教室 佐藤 豊
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生徒指導や学級経営、授業改善のもとになる考え方として
「特別支援教育」が機能していくことを切に望みます。
こういう考え方をはっきり伝えられる佐藤先生には
うちの学校の来年度の職員研修にぜひ来ていただきたいのですが
無理かなあ・・・。(^^)
なお、「金太郎飴」については、
この投稿に対する神戸の田中先生の返信で、
「本当にそうです。
ただ知識的には「金太郎飴」的に同じものを持っておいてほしい
と思います。 ベースが一緒でないと話し合いがしにくいですから。」
というご意見もありました。
「ベースを一緒に」というのは、
特に保護者の方は 強く感じておられることではないでしょうか。