テーマ:教育問題について(398)
カテゴリ:教育改革
鴻上尚史さんの『ロンドン・デイズ』の読書メモを書いている途中ですが、別の話を少し挟みます。
昨日の話にすごく関連する話です。 昨日の話は、僕はすごく重要な話だと思っていて、そのことをけっこうずっと考えていました。 そんななか、このあいだテレビで昨年の劇場版「ドラえもん」が放送されていたのですが、そのなかの「学校」が、まさに鴻上尚史さんが指摘された状況そのものだな、と思ったのです。 昨年の劇場版「ドラえもん」というのは、「のび太と空の理想郷(ユートピア)」というやつです。 #久しぶりに映画「ドラえもん」を観ました。 #子どもの頃は、ずっと観ていました。 映画ドラえもん 「のび太と空の理想郷」 DVD ※今から書く内容は、この映画の重要なネタバレを含みます。 この映画を今から観るのを楽しみにしている人は、読まないでください。 映画の中で、ドラえもんやのび太たちは、理想郷(ユートピア)を探します。 そして、ついに、たどりつきます。 その理想郷(ユートピア)には、学校がありました。 その学校に通えば、どんな子どもも、パーフェクトになれるという学校です。 スネ夫やジャイアンの、意地悪なところや乱暴なところは、どんどんなくなっていきます。 でも、のび太だけは、いつまでたっても、変わりません。 みんながやさしく応援してくれて、励ましてくれることが、毎日続きます。 ここまでだと、「ああ、いい学校だ」というふうになると思いますが、この話にはウラがありました。 この学校がめざしていた「パーフェクトな子ども」とは、 「言うことを聞く都合のいい人間になること」だったのです。 まさに、昨日の日記で僕が引用した、鴻上さんの「権力の最高の快感は人間を操縦すること」というのを地で行く設定が、「ドラえもん」の映画の中でなされていたのでした。 「理想郷」というテーマで、子ども向けの映画で、まさかこういった設定を入れてくるとは、いい意味で裏切られました。 最近のドラえもん映画も、やりますね。 物事を立体的に、複合的に見ること、逆の立場から考えたり、批判的に考えたりすることは、とても大事なことです。 「理想」というのは、表面的によいことのように見えても、実は、ウラがあるのかもしれないのです。 その恐ろしさに気づかせてくれる、見事な映画だと思いました。 実は、録画を少しずつ観ているので、まだ観終わっていません。 最後まで観てみようと思います。 ▼「学ぶのは子どもだし。『わからない』ことは重要」 ~工藤勇一×鴻上尚史『学校ってなんだ! 日本の教育はなぜ息苦しいのか』その3 (2019/08/30の日記) ▼「常に気をつけていないと、この落とし穴にはまる」 ~鴻上尚史『ロンドン・デイズ』その3 (2024/03/04の日記) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年03月05日 20時29分40秒
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