『ジュリエットからの手紙』
ニューヨーカー誌の調査員として働くソフィーは、婚約者のヴィクターとイタリア、ヴェローナを旅で訪れた。自分のレストランの開店を控えたヴィクターは、食材探しに忙しい。一人で「ジュリエットの家」を訪れたソフィーは、世界各地から寄せられたジュリエットへの手紙の山に驚く。ジャーナリスト志望で好奇心の強いソフィーは、その中の1通の手紙に強く惹かれる。それは50年前に書かれた女性からの手紙だった…。公式サイト:『ジュリエットからの手紙』忙しい期間からほっと抜け出ることができたので、観たかった映画を楽しんできました。『マンマ・ミーア』(記事こちらです)で愛くるしい主人公を演じたアマンダ・セイフライド主演の、ラブストーリーです。シェイクスピアの名作『ロミオとジュリエット』。イタリア・ヴェローナには「ジュリエットの家」があって、今も世界から恋の悩みを相談する“ジュリエット・レター”が届くとか…。『ロミオとジュリエット』はもちろんフィクションですが、モデルは実在したそうです。その、ジュリエットのモデルの、13世紀に建てられた家が今でもそのまま残っているそうな。その中庭の壁に、落書きと共に手紙が貼られているのも本当のことらしいです。それで、映画の原題は『Letters to Juliet』。<ジュリエットへの手紙>ですね。それが、邦題は『ジュリエットからの手紙』です。これは、いかに。でも、お話がすすむと、邦題を<からに>としたのもうなずけてきます。<ジュリエットの秘書>を名乗るグループを、成り行きで手伝うことになったソフィーは、壁の石の間から50年前の手紙を見つけます。イタリアに留学中、恋に落ちた男性ロレンツォを置いて、イギリスに帰ってしまった女性からの、心の痛みが綴られた手紙――ジュリエットへの手紙。それにソフィーは返信しました。この、<ジュリエットからの手紙>をきっかけに、物語がひらけだすのです。初恋のその人に会いたい、と、孫息子チャーリーに付き添われてイギリスからやってきたクレア。かたくななまでに彼女を止めようとするチャーリーをよそに、クレアはロレンツォを探す旅に出ることを望みます。ソフィーも同行することになって、このあとは初恋の人を探してイタリア田園地帯を走る3人のロード・ムービーです。とにかく風景が美しい!訪ねていく男性は、次々人違いだとわかり、旅は落胆の連続になるはずなのですが、時を重ねて心を触れ合わせてゆく3人が明るくてとても魅力的。すっかりひきこまれてしまいました。可愛いのは若々しいソフィーばかりでなく、さり気ない心遣いや思いやり、いたずら心も持ち合わせながら凛としたクレアが、抱きしめたくなるくらい素敵です。一人で観に行ってよかった…なんでもない場面でも、何度も泣いてしまったのよ。あたたかくなって、ほっとして、前から知っていたような気がするのに新鮮で、しあわせになれる映画でした。