【考察】発達課題と発達障害
(177)子どもの心はどう育つのか (ポプラ新書 177) [ 佐々木 正美 ]楽天で購入 『子どもの心はどう育つのか 』(ポプラ新書, 2019年10月9日, 佐々木 正美 著)を読みました。エリクソン提唱の発達・成熟段階の考え方をもとに、佐々木正美氏が考えを展開した内容です。本書でのライフサイクルのまとめ 本書で紹介されているライフサイクルの若い成人期まで(子どもなど次の世代を育てるよりも前)において、発達課題&課題クリアに重要なポイントは、下記のようにまとめることができます。0~2歳:信頼性&養育者2~4歳:自律性&親切な人たち4~7歳:自発性・積極性&家族7〜12歳:勤勉性&学校など13〜22歳:アイデンティ&学校やその他集団と友人(※実際は、12歳でなく10歳くらいから始まっているのではないでしょうか)22〜35歳:親密性(連帯性)&共感発達課題と発達障害の関係を考えて 本書では発達障害について言及されていません。しかし私個人としては、発達課題をクリアすることに対して発達障害がハードルとして加わり、発達障害者は発達課題をクリアしていくことがより大変なのではと思いました。 2歳以降、子どもの生きる世界がどんどん広がり、関わる人間やチャレンジが増える一方です。自分で自分の衝動をコントロールし、同世代の仲間同士でルールや知識・道具を共有します。思春期では友人との共感や交流によって自分を理解します(→自己客観視へ繋がる)。多くの成功体験を積み重ね、次のライフサイクルの課題へ進んでいきます。自分を律し、他者とルールを共有し、親しい友人と交流・共感し、客観性を育てるというのはどれも発達障害には苦手なことではないでしょうか。私のこれまでの動き自分を律して仲間とのルールを守ることが苦手だった 小学校では、仲間で決めたルールが遊びや学級活動に付き物です。 例えば、運動会の鼓笛隊ですが、マーチングキーボードを担当したいと思っても、楽器の数には制限があります。希望者が多ければ、演奏の上手さやじゃんけんなどで選んで、誰かが諦めないとなりません。小6の時、私は落選してみんなの前でガチギレして大騒ぎしました。先生も子供たちも、みんな引いてました。当然です。みんなで納得したはずのルールを守れない小6はダサい。10歳以降は親しい友人がほとんどいない 幼稚園や小学校低学年の「クラスメイトと分け隔てなく交流する」「クラスの女の子たち大勢を自分の誕生日パーティに招待する」のようなノリを、私は小学校高学年になっても持ち続けていました。 しかし小5くらいから、周りを見渡すと、同級生の女の子たちは自分と価値観やノリが近い子で仲良くするようになりました。誕生日パーティやクリスマスパーティに誰かれ構わず大勢を呼ぶ子はいなくなっていました。エリクソン的に言えば、思春期からは自分と近い子同士で親しくし、深く付き合うことが成熟と自己理解(→アイデンティティの確立)に必要なのです。本ブログの関連記事:2017.01.17『9、10歳から見られる一般的な子供の精神的発達からズレていた当時の私』まとめ発達障害だから心が未熟なのか、発達障害の行動が二次的に心を未熟にするのか 発達障害について、自分を律する力が弱い、自己理解が弱い、メタ認知力が弱いなど言われます。発達障害がそれを直接引き起こすのか、発達障害の行動特性の結果としてそういう「遅れ」が生じているのか、線引きできないのではないでしょうか。心の成熟が遅い自分に対して不安 私は今年で25歳ですが、未だに「他者と親密な関係を結ぶ」方法がわかりません。 プライベートで様々な社交的な場を見つけて頑張って出かけるのですが、誰の名前も知れずに終わることが9割です。周りを見ると気づかぬ間にLINEの交換がなされていて、何故なのだとがっかりします。日帰り旅行は一緒に行く人がおらずいつも一人で行きます。 一人で過ごすことは苦痛ではありません。しかし、人間は社会つまり他者との関係の中で生きる物です。自分に対する理解や新しい考えを得られるのは、いつも他者との関わり合いの中からです。だから「他者と親密な関係を結ぶ」ができない自分自身に対して不安です。