カテゴリ:熱帯魚
繁殖の容易なダニオの仲間では、成熟したペアを産卵箱に収容すればほぼ確実に産卵が行われます。一時の産卵数は100~数百粒と言った所でしょうか。透明で粘着力のない比較的大きな卵が産卵箱の底の網目を潜り抜けて水底に沈んでいるのを観察できるはずです。ゼブラ・ダニオやレオパード・ダニオでは一気に産卵してしまいますが、パール・ダニオあたりだと産卵は数日間にわたってダラダラと続く事もあります。ペアの産卵行動が終了したと判断して時点でペアはもう用済みですから(苦笑)、産卵箱ともども繁殖水槽から取り出しておきましょう。 受精卵は水温25℃前後で48時間前後で孵化に至ります。小型カラシンやバルブの仲間よりも孵化時間は12時間くらい遅い気がしますね~。また生み出された卵がほとんど孵化せずに白濁する事がありますが、これはその卵が未受精卵であったのか、それとも母親の卵巣内で産卵適時を過ぎてしまった、つまり過熟卵であったかのいずれかが原因である事がほとんどです。いずれに場合にも、同じペアでもう一度繁殖にチャレンジすると今度は上手く孵化するケースが多いようです。 卵が水棲菌に侵されるのを防ぐ目的で、水に少量のメチレンブルーを溶かすと良いとされていますが、少しでも数多くの稚魚を得ることが目的のプロブリーダーならばいざ知らず、せいぜい50尾も殖えてくれれば十分と言う我々アマチュアでは、特にそのような処置は必要ないでしょう。 孵化したばかりの稚魚は、お腹に栄養分を蓄えているのですぐには餌を食べる必要がありません。上の画像のようにガラス面などにぴたりと張り付いてじっとしています。孵化後4~5日で稚魚は元から持参していた栄養を消費しつくし、外部から餌を摂取するようになるので、この時点で初期餌料を与える必要があります。ただ、ダニオの仲間は卵の大きさから考えると少々不思議なのですが、初期餌料として孵化したてのブラインシュリンプを食べる事が出来ません。市販の稚魚用パウダーフードを極少量、水面にばら撒くようにして与えてください。いちいち稚魚用フードを購入するのは・・・と言う方は、親魚用のフレークフードを細かくすりつぶしても十分代用可能です。もちろん、インフゾリアやマイクロワームが用意できれば申し分ありませんけど。 パウダーフードの給餌を2日ほど続ければ、稚魚達は孵化したてのブラインシュリンプが食べられるサイズにまで成長してくれます。初めてのチャレンジであれば、この時点までで20~30尾も稚魚が残っていれば大成功!と言ってよいでしょう。その後1ヶ月もしないうちに、稚魚は細かく砕いた親魚用人工餌を食べるようになり、生後45日くらいでゼブラ・ダニオならば体側部にブルー&ホワイトのストライプが認められるようになります。 この頃のダニオの稚魚は、親魚ほど泳ぎにうるささを感じない事もあってものすごく可愛らしい眺めになります。それに、その光景を眺める事が出来るのは自家繁殖を試みたものにだけ許される特権ですから、これはもうアクアリスト冥利に尽きると言えるでしょう。 繁殖はチャレンジしてみたいけど、稚魚の育成がめんどくさいと言うズボラな人は(苦笑)、今の時期ならば屋外の直射日光の当たらないような場所に水槽やバケツを置いて産卵させれば、何も手を加えなくとも、容器内の稚魚はインフゾリアなどを食べて頑張って成長してくれる事でしょう。9月の終わり頃に水槽内を見れば10尾前後は可愛らしいダニオが見つかるはずですから、それを掬って屋内の観賞用水槽で飼育し始めると言う手もありますな。 どうです?ダニオの繁殖ってすごく簡単でしょ??(笑)。稚魚の初期餌料に孵化したてのブライン使えない魚は大概繁殖難魚って相場が決まっているのですが、ダニオの仲間だけは例外みたいですね~。皆さんもひと夏の経験(笑)してみたらぁ~? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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