抱擁、あるいはライスには塩を 江國香織
【送料無料】抱擁、あるいはライスには塩を価格:1,785円(税込、送料別)大正期に建築された洋館に暮らす柳島家の物語。祖父は貿易商、祖母はロシア人。母と父は幼なじみから結婚にいたった。その両親には4人の子どもがいるけれど、そのうちの長女は父の違う子であり、末っ子の次男は母の違う子だ。そして出戻りの伯母と、独身の叔父も同居している。両親の方針から、子どもたちは学校にかよっておらず、家庭教師に勉強を教えられている。とまあ、とっても変わった家族ではあるのだけれど、お互いが大好きでとても仲がいい。時系列も前後しながら、それぞれの内面、事件が告白の形で描かれる。なかなか、面白かった。タイトルも、「?」だけれど、まあ読んでみてください。「ライスには塩を」は納得できるような、できないような。それでも家族、兄弟だけに通じるユーモア、決まり文句というのはあるもので、いくら外で冷たい風に当たっても家族はよりどころだと思える。でも、そんなに甘く描かないところがさすがの江國ワールド。家族の危険、罪、みたいなものも十分に読み取れる。それも、読み進めていくうちにだんだん明らかになってくる。家族は人間を形成する基盤だし、大切なんだけれど、やがてはそこから独立して「自分」というものをうちたてないとあぶないなあ、ということを感じさせられた。感想は、いつもどおりあーーー面白かった!です。