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カテゴリ:光市事件
昨日、ネット上で光市事件の弁護団の行為について議論する機会がありました。 その方は、「弁護団は嘘をついている」とおっしゃるので、私が「根拠は何ですか」と聞くと、「感覚でそう思います」といわれました。 「それは根拠になっていない」とさらに追及すると、「議論は平行線ですね。やはり、あなたと私達では感覚が違います」と帰ってきました。 そういえば、光市事件の弁護団を批判する方々のほとんどは、「おかしい」とか「常識に反している」「民意に反する」と言う論調がほとんどで、「弁護団はこの法律の○条に反している」とか「この行為は○○と言う理由から不当だ」と根拠を持って批判している方はほとんど居ませんでした。 そういう方々は、ご自分が被告人になる可能性を全く考慮していないのでしょうか。 それとも、被告人になったら、感覚や、一般常識や、民意で裁かれても文句は言わないということでしょうか。 別に甘粕事件のように国家権力が暴走することがあるなんて言いません。 警察・検察だってミスをするのです。 ちなみに、資料が古いですが平成15年の刑事裁判で無罪判決を受けたのは86件です。(有斐閣判例六法18年度版より) これを多いと評価するか、少ないと評価するかは御意見あるでしょうですが、少なくとも86人が冤罪だったのです。 そして、検察官だって司法試験を通過した優秀な方ですから、無罪になりそうな事件は不起訴処分にして起訴しません。つまり、検察官の目からすれば、この86件も有罪だったのです。ということは、この86件を一般人から見れば、有罪に見えたでしょうね。 一般人からすれば、常識的に見て有罪だし、感覚的にも有罪だし、もし報道されていたら民意が有罪に傾いたでしょう。 でも、無罪だったのです。 さあ、これをどう考えますか。86人の方は、常識に従っておとなしく有罪になっていればよかったのでしょうか。 86人なんて少ないから気にしないと言う考えも有るかも知れせんが、この86人にあなたが入らないという保障はどこにもありません。 これは有罪で起訴→無罪判決という一番極端な例ですが、殺人で起訴→傷害致死で判決と言うように、起訴されたときより軽い罪名で判決される数を含めたら、もっと多くなることでしょう。(もし統計がありましたら、教えてください) 「自分は軽い罪すら犯さない」とおっしゃるかも知れませんが、自動車運転過失致死傷のような過失犯を絶対犯さないと言える方はいません。 また、軽い気持ちで相手を叩いたところ、どういうわけか相手がこけて頭を打って亡くなったらどうなるでしょう。 普通は、暴行罪か過失致死罪を主張したいところですが、傷害致死で起訴されてしまうかも知れません。そして、これが報道されたら、あなたは「傷害致死犯」呼ばわりされるかも知れませんね。さて、報道の通り傷害致死に甘んじますか? 被告人になったときのことも想像したうえで、今一度事件を見つめていただきたいです。 くどいようですが、あなたが、本当は無罪なのに被告人になる確率や、本当は軽い罪なのにより重い罪で被告人になる確率は0ではないのです。 (「毎日、同じこと書いているな~」と思った方がおられたら、大正解です。私はここ数日、同じようなことを手を変え品を変え申し上げています。「同じこと書いているな~」と思ってくださった方に感謝申し上げます。) 応援してくださる方は、下記のリンクをクリックしてください。 人気blogランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年09月07日 15時48分27秒
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