リバーサイド・カフェ

私はとても興奮してます。この興奮はたぶんあと３－４年は続くでしょうね。
ピラミッド建造方法の新説です。近年にない大発見の内部螺旋トンネル方式。

撮りためたＤＶＤの中にＮＨＫスペシャルの「ピラミッド 隠された回廊の謎」
があり、今頃見ました。７月初めの話題なので、NETではすでにいろいろと語
られていますが、私なりに内容を整理しておきます。

ピラミッドの建造方法は長く、巨大なスロープ盛土だとされてきましたが、
実はピラミッド内部に作られた螺旋スロープトンネルだったというのです。
フランスの建築家JPウーダン氏の仮説ですが、私にとっては近年にない驚愕
のニュースでした。
彼はクフ王のピラミッドに残された数々の謎を拾い出し、建築家の視点から
疑問点を組み合わせ、そのポイントを念頭に力学解析や各種記録を調べ上げ
ました。迷信や想像に頼らず、自らをピラミッドの建築者としての立場に置
いて論理的に組み立てた仮説です。そして彼はピラミッドの稜線の一部で仮
説どおりの空間らしきものを確認します。

＜ウーダン説の石材の積み上げ方法＞
最初のステップは従来のような外傾斜路で基礎を築き、次に内部傾斜トンネル
を通って石材を運び上げ、積み上げながらトンネルも延長する。ピラミッドの
コーナーでは８畳程のスペースで石材を方向展開して運び上げる。これなら近
くの石切場から最短距離で作業出来、砂嵐にも影響されない。こうして300万個
の石材を積み上げたあと、トンネル入り口は石で閉ざす。

＜ウーダン説の不自然な大回廊の意味＞
王の間に続く１m程の狭いトンネルが、途中から意味不明な大回廊になる。
そこは8.7ｍもの高さで、26度の急勾配の空間。これは王の魂の通り道などと
ロマンチックな解釈がされていましたが、実は王の間の天井を構成する巨大な
花崗岩43本をを運び上げる為の構造。

この石材は一個60トンもあり600人近い人員が必要ですが、ピラミッド上部には
それだけのスペースは無い。そのため滑車による「吊り合い重り」を利用。
建築資材の石材を積み上げた台車と158名程の人力で、その石材を運び上げたと
いうことです。重りには2.5トンの石材10個が使われたようです。
大回廊の壁の上と下の方には何かが移動した擦り傷が深く刻まれています。
潤滑剤のオイルの黒ずみも残されており、使用したロープ強度も実証されました。
How the Khufu Eqyptian Pyramid Was Built Part II

なるほど面白い。納得いきます。私はこの説を大いに支持しますね。
歴史学者でなく、建築という異分野の研究者の努力が、謎とされてきた分野
に光を当てはじめています。
またピラミッド建造の目的も王の権威を示すだけでなく、国家プロジェクト
としての公共事業的でもあったという。今後は歴史学者だけの研究でなく、
多分野の専門家の視点を交えた研究が必要とされるでしょうね。
こんなふうに現物で実証する元大工の研究者もいます。
W.T. Wallington's Forgotten Technology Official Website

ウーダン氏の説を立証するこれからの発見が楽しみです。