リバーサイド・カフェ

会社の後輩から、友人が転勤するので送別会をと誘いがありました。
二人とも会社にいた頃の部下でしたが、バンドや飲み会の仲間として
長い付き合いになってます。昨今の会社の状況は常々気になったいた
のでこちらも大歓迎。

他のメンバーにも声をかけようとしたら、いっぱい愚痴もあるので
3人だけでよろしくとのこと。そ、それはいいような悪いような...。

お店は前に行った先斗町のお店でいいですとのいこと。おいおい、
「いいです」って、先斗町はそう気軽に行ける場所やおまへんでと
言いたかったけれど、せっかく声をかけてくれたのだから貯金を下ろ
して予約を。

で当日、案の定、予約の時間を過ぎても音沙汰がない。混み合う座敷
でお店の人に言い訳しながら待つと40分遅れでお二人が登場。相変わ
らずだなあ、仕方ない奴らだ。


聞くと当初の友人だけでなく、僕も今日、転勤の内示がありましたと
のこと。結局二人の送別会に。彼らは昨年、東京から関西に変わった
ばかり。会社の組織もいろいろと変動してるそうで、その波をかぶっ
たようです。

彼らは二人とも商品デザイナーですが、商品分野ごとに別会社扱いに
なっており、分野が変わると営業体制から企画、製造すべてが異なる
ため、移動はほぼゼロからのやり直し。

まあ一人は3次元モデリングのベテラン、も一人はグッドデザインの
金賞を受けたりしている実力者なので、普通なら順調に行きそうですが、
社風が違えばそんな実績も通じないこともあります。また、雑談や飲み
会もチームメンバーだけというクールな環境。我々がいた頃のベタベタ
の人間関係の会社とは180度異なる世界に戸惑っているようです。もう
大変なんすよと、そんなこんなで、あっと言う間に時間が経ちました。


２軒目のショットバーでも、ああだこうだと話が白熱し、こっちも乗せ
られて「お前はこの商品に革命を起こすために移動するのだ、これから
がデザイナーとしての本番だ。」などと大時代的なハッパをかけてしま
いました。

こういうお店では一次会の熱をさまし、マスターを交えて穏やかに飲む
ところなのでしょうが、まあ今回は特別。中堅となってもうひと頑張り
する彼らのガス抜きになればそれでいい。

気がついたら深夜1時近い。先斗町の石畳もあかりが消えてうす暗くなって
ました。彼らをタクシーに乗せて、私は久々に火照った体で、冷え込む
町を歩いて帰りました。