それではゼフィルスの探し方のコツを纏めておきます。6月18日の日記で、日本産ゼフィルスの食草、発生時期、活動時間について纏めておきましたが、それに加えて分布を知ることが重要です。
![RIMG0032 RIMG0032](https://plaza.jp.rakuten-static.com/api/Proxy.php?a=http%3A%2F%2Fart29.photozou.jp%2Fpub%2F672%2F145672%2Fphoto%2F41213845.v1277104360.jpg&b=b0cbc629e9ec02ddfd1536de66558abe)
このふたつの図鑑があった方がよいでしょう。
![DSC_2784.NEF DSC_2784.NEF](https://plaza.jp.rakuten-static.com/api/Proxy.php?a=http%3A%2F%2Fart34.photozou.jp%2Fpub%2F672%2F145672%2Fphoto%2F40500599.v1276596732.jpg&b=e87d5ac21dab77b6c4370ead54dd73c1)
白水隆著の「日本産蝶類標準図鑑」には各ゼフィルスの分布図が日本地図に色分けして載っています。例えば、ミドリシジミはこのような分布になっています。分布図にない地域で見つかる可能性も絶対ない訳ではありませんが、まず信頼してよいでしょう。従って分布図に載っていないゼフィルスは捜索対象からはずすことが出来ます。
![アベマキの葉(表) アベマキの葉(表)](https://plaza.jp.rakuten-static.com/api/Proxy.php?a=http%3A%2F%2Fart38.photozou.jp%2Fpub%2F672%2F145672%2Fphoto%2F41186009.v1277080927.jpg&b=6ad23299d39066838875c0d71322bb76)
![クヌギの葉 クヌギの葉](https://plaza.jp.rakuten-static.com/api/Proxy.php?a=http%3A%2F%2Fart33.photozou.jp%2Fpub%2F672%2F145672%2Fphoto%2F41186052.v1277080926.jpg&b=13b39f6980c2850d7089efee8ef03728)
次に何故「日本どんぐり大図鑑」かと言うと、ゼフィルス25種類のうち、17種類はブナ科の樹が食草になっているからです。種類によって好みの樹が微妙に違います。ですから正確にブナ科の樹が鑑別できないといけません。例えば、上の葉がアベマキで下がクヌギなのですが、よく似ています。アベマキは葉の裏に細かい毛が生えていますので、白っぽく見えます。
ブナ科以外を食草とするゼフィルスは8種類です。ミドリシジミ(ハンノキ類)、ウラゴマダラシジミ(イボタノキ)、ウラキンシジミ、チョウセンアカシジミはトネリコなどモクセイ科、ムモンアカシジミはアブラムシなどを食べる半肉食性、オナガシジミ(クルミ類)、メスアカミドリシジミ(サクラ類)、ウラクロシジミ(マンサク科)です。
ブナ科は樹皮でもある程度鑑別できるのですが、やはり葉を見て区別できるようにしておいた方がよいでしょう。判らない時には葉の写真を裏表並べて撮ってきて、後で調べましょう。ゼフィルスを探すにはまず食樹が林のようにたくさん生えている場所を普段から気をつけて憶えておきます。
そして、発生時期が来たら目星をつけておいた場所に行ってみましょう。年により多少のずれがあります。今年は例年より発生が遅いようです。この時期は丁度梅雨と重なっており、行く場所の天気情報を調べておきます。どしゃぶりではまず駄目ですが、曇りや小雨ならば飛ぶ場合もあります。
ゼフィルスがその場所にいるかどうかは活動時間に行ってみるのが一番判りやすいのですが、その時間に写真に撮るのはかなり難しいです。梢の上の方を高速で飛び回っています。それはたいてい♂の方で、♀は食樹の葉などに停まっていることが多いです。
![ミドリシジミ-1 ミドリシジミ-1](https://plaza.jp.rakuten-static.com/api/Proxy.php?a=http%3A%2F%2Fart44.photozou.jp%2Fpub%2F672%2F145672%2Fphoto%2F40708849.v1276818127.jpg&b=eb46f34a98d98e07e46c49e0a0876d04)
卍巴飛行と言って、♂通しがグルグルと回るような飛び方をすることがあり、この時にツバメ返しで撮るとこういう写真が撮れる場合もあります。
![ゼフィルスを探しに行く ゼフィルスを探しに行く](https://plaza.jp.rakuten-static.com/api/Proxy.php?a=http%3A%2F%2Fart39.photozou.jp%2Fpub%2F672%2F145672%2Fphoto%2F41213375.v1277103534.jpg&b=aac5a89058fd26964394c28f8c1de880)
停まっているところの写真を撮る場合には活動時間外に行きます。この時には、食樹の葉やその付近の下草などに停まっているのですが、動いていないものを見つけるのは難しくなりますので、叩いて追い出すための釣り竿などを持って行きます。上の写真がその時の格好です。釣り竿を後のベルトに挟んであります。釣り竿は最低7mくらいに伸ばせるものが必要です。露に濡れた下草の中へ入ることもありますし、湿地のようなところもありますので、長靴を履き、林に入った時に蚊に刺されないように長袖を着て、蜘蛛の巣よけに帽子を冠ります。
いそうな場所に行ったら、いきなり叩くのではなく、まずよく探します。アカシジミの仲間などは目立つので、何もしなくても見つかる場合があります。叩いて追い出したら、次に何処に停まるかを眼で追い、停まった場所を覚えておきます。撮影に不向きな場所に停まることもよくあります。その場合はもう一度叩いて、移動させます。
![右手はアベマキ・コナラ林、左手は栗畑 右手はアベマキ・コナラ林、左手は栗畑](https://plaza.jp.rakuten-static.com/api/Proxy.php?a=http%3A%2F%2Fart37.photozou.jp%2Fpub%2F672%2F145672%2Fphoto%2F41213769.v1277104228.jpg&b=eb4c93735529355e8eeec2f071ff1e00)
これは今日行ってきた豊田市の御船湿地というシラヒゲソウの自生地として有名なところですが、右手が湿地でアベマキ、コナラなどの林です。左手に栗畑がありますが、丁度今、栗の花が咲いていて、いろいろな蝶が集まりますので、食樹ではありませんが、ここも叩いてみます。
![キタテハ キタテハ](https://plaza.jp.rakuten-static.com/api/Proxy.php?a=http%3A%2F%2Fart36.photozou.jp%2Fpub%2F672%2F145672%2Fphoto%2F41213433.v1277103627.jpg&b=9eb405136e31a6a63520ea10d0707a37)
![トラフシジミ夏型 トラフシジミ夏型](https://plaza.jp.rakuten-static.com/api/Proxy.php?a=http%3A%2F%2Fart42.photozou.jp%2Fpub%2F672%2F145672%2Fphoto%2F41213355.v1277103511.jpg&b=eb17f59e56dd6a97a3f4247eb0b6cf98)
![キマダラセセリ-1 キマダラセセリ-1](https://plaza.jp.rakuten-static.com/api/Proxy.php?a=http%3A%2F%2Fart39.photozou.jp%2Fpub%2F672%2F145672%2Fphoto%2F41213411.v1277103583.jpg&b=ca7e302cf0138e182a6a22d5169c2ccc)
![オオチャバネセセリ オオチャバネセセリ](https://plaza.jp.rakuten-static.com/api/Proxy.php?a=http%3A%2F%2Fart23.photozou.jp%2Fpub%2F672%2F145672%2Fphoto%2F41213279.v1277103438.jpg&b=7c6125beb19caf12d499fdf24ef34fa3)
![モンキチョウ♂ モンキチョウ♂](https://plaza.jp.rakuten-static.com/api/Proxy.php?a=http%3A%2F%2Fart25.photozou.jp%2Fpub%2F672%2F145672%2Fphoto%2F41213796.v1277104275.jpg&b=e26eb45b18585c76f9843f612976e2bc)
キタテハ、トラフシジミ、キマダラセセリ、オオチャバネセセリ、モンキチョウなどに混じって、・・・。
![ミドリシジミ♂-15 ミドリシジミ♂-15](https://plaza.jp.rakuten-static.com/api/Proxy.php?a=http%3A%2F%2Fart24.photozou.jp%2Fpub%2F672%2F145672%2Fphoto%2F41213630.v1277103957.jpg&b=a505950fc5e8c45717e3474face574bc)
![ウラナミアカシジミ(豊田市御船湿地) ウラナミアカシジミ(豊田市御船湿地)](https://plaza.jp.rakuten-static.com/api/Proxy.php?a=http%3A%2F%2Fart27.photozou.jp%2Fpub%2F672%2F145672%2Fphoto%2F41186001.v1277097130.jpg&b=761cadb93aea420bdfd06e482379c1bb)
ミドリシジミとウラナミアカシジミがいました![! !](//plaza.jp.rakuten-static.com/img/user/emoji/h002.gif)
でも、天気が悪いのか翅を開いてくれません。
驚かせて、飛んだところをツバメ返しで撮ってきました。
![ミドリシジミ♂ ミドリシジミ♂](https://plaza.jp.rakuten-static.com/api/Proxy.php?a=http%3A%2F%2Fart32.photozou.jp%2Fpub%2F672%2F145672%2Fphoto%2F41213554.v1277103800.jpg&b=b7197faaa3df8ead428082d688ab99c4)
![ミドリシジミ♂-5 ミドリシジミ♂-5](https://plaza.jp.rakuten-static.com/api/Proxy.php?a=http%3A%2F%2Fart35.photozou.jp%2Fpub%2F672%2F145672%2Fphoto%2F41213486.v1277103690.jpg&b=734b60239b5fc84162ec17968e374edf)
♂が綺麗な緑色をしているゼフィルスでは占有性(縄張りを作る性質)があり、活動時間帯にテリトリーを張る(テリ張りといいます)場合があり、その時を狙うと開翅写真を撮ることができます。
ヒサマツミドリシジミやオオミドリシジミでは山頂や峠に集まる習性があり、そのような場所でテリ張りをすることがあります。麓に食樹のある山の山頂も狙い目です。
現在ではゼフィルスの採集は卵を採ってきて、飼育するのが主流となっており、この時期に採集に行く人は少なくなりました。ネットオークションでゼフィルスの卵も売りに出されており、珍品ヒサマツミドリシジミでも1万円も出せば手に入れることができます。飼育して羽化した個体を写真に撮れば、それは綺麗な写真が撮れるでしょうが、自然の中で野生のゼフィルスを写真に撮りたいと思うのは私だけでしょうか![? ?](//plaza.jp.rakuten-static.com/img/user/emoji/h003.gif)