エノキを食草とする蝶は日本に6種類、ゴマダラチョウ、アカボシゴマダラ、オオムラサキ、テングチョウ、ヒオドシチョウ、シータテハがいます。このうち後の3種類は成虫で越冬します。前の3種類は幼虫で越冬し、しかも形態的にとてもよく似ています。
愛知県(豊田市、知多市、蒲郡市)と神奈川県横浜市でエノキの根元から越冬幼虫を探して来ました。
愛知1(上),2(下) posted by (C)ドクターT
愛知3(上),4(下) posted by (C)ドクターT
愛知5 posted by (C)ドクターT
愛知6 posted by (C)ドクターT
愛知7 posted by (C)ドクターT
愛知8 posted by (C)ドクターT
愛知9 posted by (C)ドクターT
横浜1 posted by (C)ドクターT
横浜2 posted by (C)ドクターT
横浜3 posted by (C)ドクターT
横浜4 posted by (C)ドクターT
残念ながら愛知県の3カ所の幼虫は混ぜてしまったので、どこで採集したのか判りませんが、分布から考えて愛知県にはアカボシゴマダラはまだいないと思いますし、知多市や蒲郡市にはオオムラサキはいないでしょう。
形態的な区別点はこのサイトに詳しく載っていました。それによれば、
1)背中の突起が3つなら、ゴマダラチョウ。4つならアカボシゴマダラかオオムラサキ。
2)突起の大きさが4つともほぼ同じならオオムラサキ。3番目が大きければアカボシゴマダラ。
3)シッポが分かれていればオオムラサキ。閉じていたらアカボシゴマダラ。
これに従って鑑別していくと、
愛知1 ゴマダラチョウ
愛知2 ゴマダラチョウ
愛知3 オオムラサキ
愛知4 ゴマダラチョウ
愛知5 ゴマダラチョウ
愛知6 ゴマダラチョウ
愛知7 ゴマダラチョウ
愛知8 オオムラサキ
愛知9 オオムラサキ
横浜1 ゴマダラチョウ
横浜2 アカボシゴマダラ
横浜3 オオムラサキ
横浜4 オオムラサキ
ということになりますが、さて個体変異ということもあるでしょうし、どうでしょうか
また原色日本蝶類生態図鑑によれば、奄美大島のアカボシゴマダラではゴマダラチョウのように越冬幼虫は地面に降りずに樹上で越冬するようです。
愛知の3,8,9と横浜の2,3,4については家で最後まで飼育してみようと思います。それ以外は自然に戻そうと思います。