カテゴリ:絵本・童話・児童書
あるところに、息子と二人暮らしをしている
Bさんという女性がいた。 ある時、息子が突然近所のお稲荷さんに参詣を希望。 それが叶うと次は浅草の観音様に、と言い出した。 少々体調に問題のある息子を心配した母が止めると、 数日後に息子がぷいと姿を消し・・・。 図書館で借りてきました。 「姑獲鳥の夏」等の京極堂シリーズや 映画にもなった「豆腐小僧」等で知られる 京極夏彦氏の短編集です。 ・・・と、この前借りてきたばかりには書いたのですが、 どうやら京極氏のオリジナルではなく、 江戸時代に書かれた「耳袋」という 友人知人やご町内の面白い話・奇妙な話を集めた書物から 怪談っぽいアヤシイ話を選んだ本だそうです。 全部で35編収録。 怖い話・・・というよりは、不思議だなぁ? なんだったんだろうなぁ?と首を傾げたくなるような、 悪く言えばちょっと腑に落ちない話が多いですね(笑) 昔話と言えば化かした・化かされたとよく言うように、 狐に猫、亀に河童と動物の出てくる話も。 中でも猫は3編で最多かな? 悪者扱いされてる訳じゃないんだけど、 どの話でも猫にしてみれば気の毒というか・・・ いや、猫好きにしてみれば眉根を寄せたくなるというか。 例えば「遺言にするほど」という一編。 Aさんの家では祖父からの遺言で猫を飼ってはいけなかった。 なぜかというと・・・ 祖父と猫が縁側でひなたぼっこしていた時 雀がやってきたものの、猫が飛びかかる前に逃げてしまった。 それを見た猫の鳴き声が「残念・・・」と聞こえ、 驚いた祖父がふざけて「魔物かッ!」と脅してみせると、 ビックリした猫は毛を逆立てて怯え、 祖父に向かって今度ははっきり言い訳の言葉を残すと 逃げ去った・・・。 いいじゃん、猫が喋ったって。 まぁ驚きはするだろうけど、そこで火箸まで持ち出して いじめるなよ。言い訳して去っていった猫が気の毒だわ。 (猫好き目線w) 最初にご紹介したあらすじは、「ただいま」というお話。 数日行方不明になった息子がその後遺体で発見されたが、 それからさらに数日後、なんと・・・!! これはかなり奇妙で、本人(息子)にしてみれば 気味の悪い話。でも一番気に入りましたね。 いや~、不思議不思議。 全編、話の後に原文も収録されているので、 比較してみるのも面白いです。 元は江戸時代の話なのに、京極氏の話では 源蔵さんがGさんで花田さんがHさんだったり。 ミーティングやルール等カタカナ言葉も使われていて、 漢字はほとんどカナが振ってあるので、 小学校高学年(ウチの娘)くらいから読めそうです。 たまには怖くない怪談ってのもいいですね。今、冬ですしw 旧怪談-ふるいかいだん- 著者:京極夏彦 メディアファクトリー 2007年7月発行
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