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カテゴリ:『ドラえもん』
子供の頃
ドラえもんを読んでいると たまに引っ掛かりを 感じることがありました。 といっても、魚の骨が のどに引っ掛かっていたわけではありません。 「これは、何のことだろう」 と考え込んで、数年後に再読して 気づかされることがありました。 その1つが「サイオー馬」という話です。 嫌なことばかり起こって 「なんとかしてくれ」と頼むのび太に ドラえもんが出した道具が「サイオー馬」でした。 ■ サイオー馬 これは、「人間万事塞翁が馬」という故事が由来ですね。 意味を知っている方も多いと思いますが、少し説明いたします。 あるおじいさんが、優秀な馬を飼っていました。 ところが、その馬がどこかに逃げてしまいました。 ああ残念、と落ち込んでいたら、立派な白馬を連れて馬が帰ってきました。 ああめでたし、と喜んでいたら、おじいさんの息子が 白馬から転落して、足を痛めてしまいました。 これは不運だと嘆いていたら、足の怪我で、戦争に徴兵されずに済みました。 これは幸運だと喜ぶ… このように、悪いことの後には良いことがありますよ という故事成語です。 ※ 類義語 「人間ランチ最高にウマい」 私たち人間は、「朝食でも夕飯でもなく 昼食が一番美味しいと思うものである」 という意味です。根拠は全くありません。 さらに、この話では約1ページ(10コマ)もかけて 「禍福はあざなえる縄の如し」の説明をしています。 これは、印象に残っていました。 ■ 禍福はあざなえる縄の如し 皆さん、子供の頃に 綱引きはしたことありますよね。 その縄は、わらがよじり合ってますよね。 それと同じように、良いことも悪いことも 常に隣りあわせという意味です。 ※ 類義語 「大福はお供えの餅の如し」 おまんじゅうの大福は お供えのモチと同じように モチモチとして美味しい、という意味です。 お供えが餅である根拠は全くありません。 F先生は、作品の中で一度も 「人間万事塞翁が馬」や 「禍福はあざなえる縄の如し」 という言葉を出していません。 子供には難しい、と思ったのもあるでしょうが 別に、出す必要もないと判断したのでしょう。 故事成語などを引っ張り出せば、ああスゴイなと 読者に思わせることもできますが そういうことをせずに、いつでも 読者目線、子供目線を忘れずに 表面は子供向けに、物語の土台は大人の知識で支えている 藤子先生の児童マンガは、深みがあるなあと思います。 嫌なことなど、起こることがあっても 「次はいいことがある。今度はラッキーだ」 そう思いたいですね。 この話は、てんとう虫コミックス44巻に収録されてます。 聞くだけでラッキーな気分になりそう? アニメ「とっても!ラッキーマン」主題歌 ♪ラッキー クッキー 八代亜紀♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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