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スコシフシギな世界-藤子・F・不二雄ブログ

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2010.03.29
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カテゴリ:『ドラえもん』
子供の頃
ドラえもんを読んでいると
たまに引っ掛かりを
感じることがありました。
といっても、魚の骨が
のどに引っ掛かっていたわけではありません。

「これは、何のことだろう」
と考え込んで、数年後に再読して
気づかされることがありました。
その1つが「サイオー馬」という話です。

嫌なことばかり起こって
「なんとかしてくれ」と頼むのび太に
ドラえもんが出した道具が「サイオー馬」でした。

■ サイオー馬
藤子・F・不二雄 ドラえもん サイオー馬 人間万事塞翁が馬

これは、「人間万事塞翁が馬」という故事が由来ですね。
意味を知っている方も多いと思いますが、少し説明いたします。

あるおじいさんが、優秀な馬を飼っていました。
ところが、その馬がどこかに逃げてしまいました。
ああ残念、と落ち込んでいたら、立派な白馬を連れて馬が帰ってきました。
ああめでたし、と喜んでいたら、おじいさんの息子が
白馬から転落して、足を痛めてしまいました。
これは不運だと嘆いていたら、足の怪我で、戦争に徴兵されずに済みました。
これは幸運だと喜ぶ…

このように、悪いことの後には良いことがありますよ
という故事成語です。

※ 類義語 「人間ランチ最高にウマい」
私たち人間は、「朝食でも夕飯でもなく
昼食が一番美味しいと思うものである」
という意味です。根拠は全くありません。


さらに、この話では約1ページ(10コマ)もかけて
「禍福はあざなえる縄の如し」の説明をしています。
これは、印象に残っていました。


■ 禍福はあざなえる縄の如し

藤子・F・不二雄 ドラえもん サイオー馬 禍福はあざなえる縄の如し

皆さん、子供の頃に
綱引きはしたことありますよね。
その縄は、わらがよじり合ってますよね。
それと同じように、良いことも悪いことも
常に隣りあわせという意味です。

※ 類義語 「大福はお供えの餅の如し」
おまんじゅうの大福は
お供えのモチと同じように
モチモチとして美味しい、という意味です。
お供えが餅である根拠は全くありません。


F先生は、作品の中で一度も
「人間万事塞翁が馬」や
「禍福はあざなえる縄の如し」
という言葉を出していません。
子供には難しい、と思ったのもあるでしょうが
別に、出す必要もないと判断したのでしょう。

故事成語などを引っ張り出せば、ああスゴイなと
読者に思わせることもできますが
そういうことをせずに、いつでも
読者目線、子供目線を忘れずに
表面は子供向けに、物語の土台は大人の知識で支えている
藤子先生の児童マンガは、深みがあるなあと思います。

嫌なことなど、起こることがあっても
「次はいいことがある。今度はラッキーだ」
そう思いたいですね。
この話は、てんとう虫コミックス44巻に収録されてます。


聞くだけでラッキーな気分になりそう?

アニメ「とっても!ラッキーマン」主題歌
ラッキーマン

♪ラッキー クッキー 八代亜紀♪





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Last updated  2010.03.30 02:42:31
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