スウェーデン伝統料理 Vol.7 ローラーダ・リンゴン
北欧には北欧ならではの薬膳食材が溢れています🫐 スウェーデン伝統料理 Vol.7 北欧の高貴な薬膳素材👑ローラーダ・リンゴン(Rårörda Lingon) スウェーデン風ミートボール🧆🇸🇪の付け合わせとしても有名なリンゴンベリーのジャムは、正式名をローラーダ・リンゴン(Rårörda Lingon)といいます。 リンゴンベリー ・日本語ではコケモモの実🇯🇵 ・スウェーデン語ではリンゴン(Lingon)🇸🇪 そして実はこれ、 ”ジャム” ではありません👀❣️Rårörda Lingonの意味は、生の・かき混ぜた・リンゴンベリー🫐名前の通り 非加熱の ”砂糖漬け” で、"砂糖を加えて煮たジャム” とは味も香りも衝撃的なまでの別物でした日本では「ミートボールにジャムの甘さが合う」とも言われますが本場スウェーデンでLingonに甘さを求める人はいないのだそうで🇸🇪ローラーダリンゴンはミートボールをはじめ特に寒い季節に食される牛肉や鹿、トナカイのシチュー等に🫎よく合わせます🍽️✨その意味は、一口食べれば明らか💡💡口の中で弾けるLingonのフレッシュさ、強烈な酸味と少しの甘さとのバランス。料理に深みを持たせると同時に後口もサッパリとさせ、重たい料理も一口また一口と不思議なまでに進みます✨森に自生するLingonは8月後半〜10月頃がシーズン🫐住宅街から少し入れば森というスウェーデンでは法律により誰もが気軽に採集できるのでお散歩がてら採ってきて楽しむことが可能です🍰☕️ただ、膝より低い位置で育つため長時間採集は腰が痛くなります…ほどほどにどうぞ。Lingonには天然の防腐剤ともいえる安息香酸が含まれていてカビなどの微生物繁殖を防ぐので、気温も湿度も低い北欧では加熱しなくても砂糖漬け状態での長期保存が可能だったそうです🍯(現代は室内が暖かいため冷蔵庫/冷凍庫に)また、砂糖が貴重品だった時代には砂糖無しで水に浸けての保存が行われたそうです。【生のローラーダリンゴン(左)と、加熱したジャム(右)】北欧ならではの薬膳素材、LingonはビタミンA, C, Eやカルシウム、食物繊維などを含みます。近年注目されているレスベラトロールなど豊富なポリフェノールも含み、高い抗酸化作用や抗炎症作用により美肌や抗老化作用も期待✨ビタミンC豊富なLingonは壊血病(重度のビタミンC欠乏症)にも使われたとか。この病を多く発症したのは船乗り…ヴァイキングを支えたのもLingonなのかなと歴史にも思いを馳せてしまいます🛳️また、鮮やかな赤色は薬膳では血の巡りアップにもつながり、食欲不振の改善、重たい料理の消化を助けて胃もたれ予防etc、結果的に身体のバランスを保つことにも🍀物流や保存技術が発達する以前は、野菜もなく消化の悪い料理で栄養不足に陥りやすかった北欧の長く寒く厳しい冬火を通さずビタミンなどの損失もないローラーダリンゴンは一体どれほどの人々の命を救ったのでしょう。近年はスウェーデン国外でも、他のベリーとともにアンチエイジングや美白美肌のほか生活習慣病の予防改善も期待され、化粧品にも活用されているようです。子供の頃、北欧の絵本で憧れたコケモモの実は北欧の秋冬を支える最高の薬膳素材でしたなお、諸般の事情によりスウェーデン国外では ”加熱したジャム” が使われます🍯こちらも十分美味しいので、ぜひミートボールにも添えてみてください✨(ミートボール🧆は次の回でご紹介します)日本のIKEAにはあるでしょうか👀?ジャムを見つけた時は固形分の割合が高いものを選ぶのがオススメです(固形分⚪︎%、とラベルに表示されています)同じスノキ科のクランベリージャムなら味的には近いですがラズベリーやブルーベリー等のジャムは個人的にはおすすめしません(味が合わない)💦ただ、醤油などでアレンジすることも可能なのでまたいずれ投稿する機会があればと思いますざっくりレシピリンゴンの砂糖漬け(Rårörda Lingon)(1)新鮮なリンゴンベリーを摘んで(買って)、 変色した粒や葉などを除く (冷凍特有の臭いが気にならなければ冷凍物でも◎)(2)重量の半分の砂糖を加えたら底からざっと混ぜ、 冷暗所で休ませる(3)1日1回、粒を壊さないようにかき混ぜる(4)数日して砂糖が溶けたら冷蔵庫へ (数ヶ月保存可能) #北欧生活 #北欧で薬膳