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カテゴリ:会社員やってます
今、「景気は良いですか? 悪いですか?」
と問われれば、大多数の人が「悪い」と答えることでしょう。 僕の勤務先も予想はしていたのですが、案の定、厳しい業績です。 このままだと赤字決算も現実のものとなるやもしれません。 僕の会社もライバルが存在しており、顧客の取り合いがかまびすしい。 で、さほどサービスの差がないがゆえに、結果は値引き合戦。 出血覚悟の見積もりを提示してしまうのです。 受注したら赤字がかさむ話なので、 純粋に考えれば、そんな商売はあり得ないのですが、 顧客を失う怖さの方が先立って、あり得ない商売をしてしまう。 顧客は顧客で「安けりゃ安いに越したことない」という判断をするので、 ますます値引きが値引きを呼ぶことになります。 長い目で見ると、ビジネスの領域が狭くなりこそすれ 広くなることは絶対にありません。 何より、自社の価値を下げてしまう行為なので、 営業が自信を持って、胸張って商売ができない辛さがあります。 こういう事例は何も僕の勤務先だけの話ではなく、 いろんな業種・業態で起きていますよね。 どれもこれも体力勝負。 で、仮に勝ったとしても、 果たしてその会社で働いているスタッフの表情を見ると、 全然嬉しそうじゃない。逆に疲れがにじみ出た顔つきなんです。 そりゃそうです。 自分たちで自分たちの価値を落とす活動をしているんですから。 片や、今どきの社会では「Win-Win」の重要性が説かれています。 勝ち負けにこだわるのではなく、全員が勝てる生き方。 理想であるのは間違いありません。 しかし、こと企業経営に目を移すと、どこもかしこも競争、競争、また競争。 「Win-Lose」はあっても「Win-Win」のカケラさえも感じられない。 そう考えると、会社って人間社会に幸福をもたらす存在なのかどうなのか、 疑問符がついてしまいます。 しかし、企業経営においても「Win-Win」の関係を構築できる処方箋があります。 最近になってようやく知ることができました。 『ブルー・オーシャン戦略』というのがそれ。
競争状態にない未知の市場を見つけ出し、そこに経営資本を投下する。 競争相手がいないので、値引きの余地はありません。 顧客にしてみれば「そういう商品(サービス)が欲しかったんだ!」と なりますから、多少値が張っても喜んで買ってくれる。 かくして「Win-Win」の関係が成り立ちます。 最近のブルー・オーシャン戦略の成功事例は、 何と言っても米国アップル社の「iPod」「iPhone」でしょう。 たとえば「iPod」の場合。 できるだけ多くの音楽や映像コンテンツをユーザーに楽しんでもらうために、 ハードウェアの洗練性はおろか、 レコード会社やエンターテイメント会社を有機的に結びつけて 配信プロセス「iTunes」を構築しました。 そしてCDというメディアを購入しなくても、 「ダウンロード」という行為で音楽が聴ける、 という革新をやってのけたのです。 これはどこもやってなかった取り組みであり、 ユーザーが渇望していた仕組みでもありました。 なので、全世界のユーザーに感嘆を持って受け入れられました。 実は携帯音楽プレーヤーの世界では、iPodが発売される前に、 ソニーが「携帯ウォークマン」で先行してはいたんですが、 では、音楽のダウンロード販売を、と取り組みはじめたときに、 自社グループ内にレコード会社を擁していたがために、それが足かせとなり、 企業グループを超えてレコード業界全体を囲い込むことができなかった、 という失敗につながっています。 その後ソニーは、一歩抜きんでるビジネスを編み出すことなく、 同じような携帯音楽プレーヤーを製造販売している他メーカーと 顧客の奪い合い合戦に巻き込まれました。 性能的・サービス的には他メーカー品と同等なので、 優劣は価格でつけるしかなくなる。 かくして値引き合戦。どちらの体力が最後まで持つか、という消耗戦に突入です。 先月、ようやく月間の携帯ウォークマンの売上げが、 iPodのそれを抜いたようですが、 ここに至るまで8年ほどの期間を要したとのことです。 このような「血の流すビジネス」を繰り広げることを、 『ブルー・オーシャン』の対義語として『レッド・オーシャン』と称するらしい。 僕の勤務先もかなり『レッド・オーシャン』に脚を突っ込んでいます。 この局面を打開するためには何らかの 『ブルー・オーシャン』を探さないといけません。 いろんな可能性を、頭の中でめぐらしている今日この頃です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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