|
テーマ:コーチング(167)
カテゴリ:コーチング・コミュニケーション
関東4チャプター交流会。2日目の今日は『深い信頼関係を築く』ワーク。
コーチとクライアントの間に、深い信頼関係(ラポール)がなければ、 コーチングは成立しません。 職場での上司と部下、家庭での親と子の間でも、 信頼関係がなければ満足なコミュニケーションは図れません。 誰もが理屈ではわかっている話です。 しかし実は簡単なようでとても難しいのも事実。 今回のワークのファシリテータ(進行役)・Kさんの体験で、 こんなことがあったそうです。 コーチングのトレーニングということで、 同じレベルで学び合っている仲間と 模擬コーチングを行ったときのこと。 Kさんがクライアント役になり、 電話越しにセッションを始めたのですが、 彼女が今の取り組みを話すたびに、コーチ役の相手は 「凄いですね!」というセリフを連発。 そのセリフに全然気持ちがこもっていないように思え、 Kさん自身はどんどんテンションが下がっていったんだそうです。 「凄いですね! それで?」 と促されても、洗いざらい話す気にもなれないし、 何だか考えるのもうっとおしい。 30分後に一応の結論は出たのですが、 それは今まで考えていたことの域を出ていなかったんだそうです。 本来なら、コーチの絶妙な承認や質問で クライアントが思いもしなかった新たな視点や次元が出るのが コーチングの本分なのに、 「凄いですね!」というコーチ役のくちグセが、 クライアント・Kさんのコーチに対する信頼関係に疑問符を呼び起こし、 「気づきの30分」であるはずが「苦痛の30分」であったと。 さて、セッションが終わってからKさんは率直にコーチ役の彼女に 「凄いですね!」というくちグセが耳についた、 というフィードバックをしたところ、 くだんのコーチ役からとんでもない反応が。 彼女は、自分がそんな言葉を発しているなんて まったく気づいていなかったんだそうです。 Kさんの話を聞きながら必死で質問を繰り出そうと、 間が空くたびにその空虚な時間を埋めようとして ついつい発していた言葉だったんだそうです。 コーチ役曰く 「クライアントの話をポジティブに聴こう、ポジティブに聴こう、 と思うあまり」、 「凄いですね!」というセリフにすり替わっていたんだとか。 つまりコーチ役の彼女は全然悪気はなく、 むしろクライアントを承認するために良かれと思って発していた言葉。 その言葉を受け取るクライアント側は、 「凄いですね!」という感情のこもっていない上滑りのセリフに、 安心するどころかむしろ不快感さえ憶えていた。 信頼関係どころではありませんよね。 実はこういうパターンの対話は、 至るところで起きているに違いありません。 「僕のくちグセは周囲にどんな思いを誘発しているだろう?」 考えさせられた体験談でした。
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[コーチング・コミュニケーション] カテゴリの最新記事
|
|