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カテゴリ:コーチング・コミュニケーション
昨日は日本コーチ協会・埼玉チャプターの定例セミナーでした。
今回取り上げたのは『システム・コーチング』。 通常、コーチングといえば人を扱います。 人、というクライアントがいて、 その人がゴールに早く到達するために、 質問し、気づきを促し、行動を変容させていく。 ところが、このシステム・コーチングはその辺の概念が違う。 たとえばAさんとBさんがいるときに、 AさんがBさんに抱いている感情や思惑、 BさんがAさんに抱いている感情や思惑、 そういった概念が2人の頭上にぼんやりと浮かんでいます。 その概念を『システム』と称し、 その概念に対してコーチングを行っていく。 これが『システム・コーチング』の仕組みなんだそうです。 何だか分かったようで分からない理屈ですが…(^_^;) こういう概念が出てきたのは、 これまでのいわゆる『コーチング』と称するスキルに 限界が出てきたから、なんだということです。 人間って感情の動物ですよね。 いくら理屈が正しくてもその主張者に人望がなかったら、 「あいつの言ってることなんか誰が相手にするか(`_´)」 と感情的な反応で自分の行動を決めてしまいがち。 それでは、人間の行動にバイアスがかかり、 結局は成果が出ないことになります。 なのできちんと人間の感情にも向き合ったコーチングが、 本来は必要なんです。 でも今のコーチングは理論、理屈という枠組みで進化してきているので、 人間の感情的な反応に対する解決策にはなっていないんです。 企業によってはコーチングを導入したけれども効果が出ない、 というケースがあるんですが、うまくいかないのは 人間の根源的な感情に根ざしたスキルじゃないからでしょう。 反面、システム・コーチングは、理論や理屈、思考ではなく、 感情そのものを扱うことに重きを置いています。 だからたとえばモチベーションの著しく低い、 構成メンバーのロイヤルティもない組織の活性化にも 威力を発揮するんだそうです。 その肝は、「言いたいことを隠さないでいること」。 コーチはそれぞれの構成メンバーのホンネを引き出すことに精を出す。 それも組織内での別の人の悪口であってもです。 「えっ!? そんなことしたら組織が活性化するより むしろ悪化していくんじゃないの?」 という疑問を講師に告げると、 「それは良い質問です」とニッコリ。 講師曰く、「どんな組織にも自浄作用がある」と。 とことんいがみ合って、とことんすさんでいって、 何も残らなくなったところから、新しい取り組みの芽が出てくる。 コーチはメチャクチャ苦痛だけど、「自浄作用」を信じて、 とことんチームメンバーのホンネを引き出すことに力を注ぐ。 それで組織が潰えたんなら、 そもそもその組織はそれだけの価値しかなかった、 ということですし、 それを怖れてホンネを隠していたら、 問題を先延ばしにしているに過ぎない。 メチャクチャにストレスのかかる手法です。 でも21世紀に入り、多様性が肯定される環境になってきた今、 この手法を用いることがこれからの組織運営には必須なのかもしれません。
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