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りゅうちゃんミストラル

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2009.01.15
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カテゴリ:読書
東野圭吾「さまよう刃」を読んだ。
(この記事はネタばれあり)

     

娘を少年二人に陵辱の上殺された長峰。
少年法では裁きが不十分と感じ、自ら復讐することを誓った。

この作品は救いがない。
いわば東野圭吾による問題提起の小説だ。

法律は何のためにあるのか?
警察の役目は?
織部刑事の目を通して、その問題は解決することなく終わる。

こうした復讐を描く作品は珍しくない。
ジョディ・フォスター主演の映画「ブレイブワン」でもそうだった。
この映画については以下の記事に書いた。

映画「ブレイブワン」

「さまよう刃」は織部による長峰の射殺で終わる。
その後、情報提供者が誰であったかが描かれる。
しかし、被害者家族にとって救われないことに変わりはない。

小説で描かれなかった「その後」はどうだっただろうか?
保護されたカイジは3年ほど服役して出所しただろうか。
和佳子は長峰の思い出を胸に、この先生きていくのだろう。
そして多くの人は、この事件を忘れる。
少年法の改正はあるかもしれないが、所詮は「他人事」でしかない。

東野が描く世界は、宮部みゆきと同じく「欠損家族」が多い。
長峰は妻を亡くし娘と二人暮らし。
事故で和佳子は娘を失っている。

悲しい事件を描く場合、この「欠損家族」が背景にあること。
それはストーリーを際立たせる。
もし和佳子の娘が生きていたら。
彼女は長峰を助けなかったに違いない。
「何かが足りない人」は、足りない何かを埋めようとする。
正しいか否かを別にして、それは確かだ。

「さまよう刃」を読んで思い出すのが本村洋さん。
光市母子殺害事件の被害者家族だ。
彼は、あの事件で奥さんと娘さんを失っている。

死刑を回避した一審判決後の記者会見で彼はこう語った。

「司法に絶望した、加害者を社会に早く出してもらいたい、そうすれば私が殺す」
(Wikipediaより引用)

この言葉は「さまよう刃」での長峰に通じる。

我々は、被害者家族の気持ちにどう応えられるだろうか?




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最終更新日  2009.01.16 13:57:34
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