終末のフール
去年就職し、関東に行ってしまった長男が置いて行った本の中から読んでみた本です。彼の残していった本の中では、伊坂幸太郎が一番多かったですね。本自体は読んだことがありませんでしたが、映画では伊坂幸太郎原作のものを見ています。「重力ピエロ」とか「アヒルと鴨のコインロッカー」とか。ジャンル的は、推理作家というくくりになるんでしょう。人気作家なので、私が説明する必要もないですね。で、最近読んだこの本は、ちょっと毛色が違って、推理ものでも、サスペンスものではありません。小惑星がぶつかってくるので、8年後に人類は滅亡する、ということが公にされ、世の中が混乱し、日本も無法地帯と化していたが、その後5年が経過して、世の中がだんだんと落ち着きを取り戻した時代の物語です。それぞれに背景を抱えた登場人物が、3年後に人類が滅亡するという極限状況の中で、何を考え、どう行動するのか、という短辺の連作です。大げさな感じではなく、淡々とつづられる物語だからこそのリアリティも感じられました。この人の映画もそうですが、なんとなく背景に人へのやさしさが感じられていいですね。自分が登場人物であったら、一体、どうやって過ごすでしょうね?。しばらく、長男の本棚で楽しめそうです。