|
テーマ:音楽のお仕事♪(1676)
カテゴリ:◆ピアノレッスンのための親学
「子どもが練習しないという前に~ピアノレッスンのための親学」シリーズの第七回目です。
総合目次はコチラです。 4. 年齢に応じた接し方で、無理なく練習の習慣をつけよう その3 小学校高学年の接し方(10~12歳) 1・勉強などとの兼ね合いをタイムマネジメントさせる 2・効率的な練習方法について考えさせる(先生と相談しましょう) 3・習い事が多すぎる場合は絞る。 4・睡眠時間・食事時間など、生活時間を整える 5・進度について言わない。練習をさぼったときのみ注意する。「練習しないからできないのよ」ではなく、「やるからには中途半端にしないで、毎日しっかりやることが成長につながるのだ」ということ徹底させる。 6・子どもに任せる部分が多くなるが、親も興味を持っているのだということを時折伝える。「今、どんな曲弾いてるの?」「その曲素敵ね」「大人っぽい曲が弾けるようになったね」 7・クラシック曲を一緒に聞き、感想を話し合う(改めてCDなどを聞かなくても、テレビで流れたときなどでもOK) 8・楽譜やCDを買うことを惜しまない(弾きたい曲を一緒に探しましょう) 9・指導者の悪口を言わない(直接お子さんに言わなくても、別のところで話すのもNG。お子さんは、親の話をよく聞いています) 高学年になると学校の帰りも遅くなり、塾などほかの予定も増えます。 学校の宿題と、塾の宿題でもうギブアップで、ピアノまで手が回らないという声もよく聞きます。 せっかく習い続けてきたのに、時間が取れないからと言って、小学生のうちにやめてしまうのはたいへんもったいないことです。 一時的な忙しさで、一生の財産になるかもしれない宝を手放すことになります 一時的な忙しさと言いましたが、実は、この時期の忙しさは、 子どもが未熟なため、「うまく時間をつかえていない」 本当に時間がないというだけではなく、親子ともに将来の不安から気持ちの余裕がなくなるために、時間がないように感じている だいたい上記の2つが多いです。 私は大人の方にコーチングをしていますが、タイムマネジメントもよく行います。 「忙しくて暇がない」とおっしゃる方に「今やっていることを全部書き出してください」というと、「意外とやっていることが少なかったです」という方がほとんどです。 「あれもしなくちゃ」「これもやっておかないとダメ」というふうに気持ちが焦っているために、忙しく感じていることが多いんですね。 高学年は、そろそろお子さんの将来が心配になる時期。 このご時世、就職に不安を持っている親御さんが多く、高学年になって周りの子が塾通いを始めると、「うちの子今のままで大丈夫?」「勉強させて、少しでもいい高校、いい大学へ入れなきゃ」と焦り始めます。 そんな親御さんに影響されて、お子さんも焦り始めます。 その結果「気持ちの余裕」と「時間の余裕」がなくなり、「ピアノなんてやる暇がない」となっていくわけです。 もちろん、そんなパターンばかりではないと思いますが…… 要するに、「将来の不安から焦る気持ち」が「ピアノを負担に思う気持ち」につながりやすいということです。 だいたい、低学年のころにしっかり練習の習慣をつけておけば、趣味でピアノを続ける場合なら、高学年になってもそんなにガツガツ何時間も練習する必要はないんですね。 低学年の頃、練習の習慣がつかず、ピアノの基礎ができていない場合ほど、譜読みや曲の完成に時間がかかるので、高学年になるにつれ、練習が負担になってしまいます。 しっかり基礎ができていれば、塾などで忙しくなった場合でも、ピアノを低空モードに切り替え、継続することも可能です。 曲数を減らしてもらえば、毎日20~30分の練習で十分です。10分だってかまいません。 余裕ができたらまた増やせばいいんです。 逆に、勉強の合間にピアノを弾くことが気分転換になるはずです。 低学年のころから練習の習慣をつけようと、声を大にしていってきたのには、こういう理由もあるんです。 また、高学年は、そろそろ自分で自分の生活をコントロールするすべを身につける時期。 遊びたい気持ちを抑え、やりたいことだけではなく、やるべきことも生活の中にしっかり組み込む…… 私は高学年の生徒さんには、生徒自身に「タイムマネージメント」の大切さを話しています。 その際、放課後の行動を4つのカテゴリーに分けてもらいます。 1・ごはん、お風呂・睡眠など……「生きていくうえで必須のこと」 2・遊び、趣味など、好きなことをやる時間……「やりたいこと」 3・宿題、練習、明日の支度、家の手伝いなど……「やるべきこと」 4・習い事など……「家にいない時間」 それぞれのカテゴリーを、毎日どのくらいの時間をかけているのか、どんな時間帯にやっているのか振り返ってもらいます。 そうすると、「やりたいことばかりやってた」「宿題に時間がかかりすぎていた」「夜になってからあわてて宿題や練習をしていた」「テレビを見てぼーっとしている時間が多かった」「○曜日は忙しいけど、○曜日は時間がある」 など、自分の時間の使い方を見直すことができます。 それをもとに、「○曜日は10分、時間のある○曜日は30分練習できる」「宿題と練習をセットにして、両方とも1時間で終わるようにがんばる」「テレビを見るとダラダラしてしまうので、テレビを見る前に練習を終わらせるようにする」などと、決めていきます。 上手にタイムマネジメントがでいている子は、「好きなこと」をやる前に、「やるべきこと」を入れています。 これは大人でも同じなんですよ~ タイムマネジメントについては、いずれ詳しく書いていこうと思います。 ピアノを習うことの価値を考える 今までは、時間の使い方を考えることが、高学年にとって大切だというお話でした。 それとは別に…… この時期のお子さん、親御さんには、ピアノを習っていることの価値を、「現在」だけではなく、過去や将来にも目を向けて考えてもらいたいです。 ピアノが弾けるということ、ピアノを習い続けてきたということ、毎日の練習をこつこつと続けてきたということが、お子さんにどんな価値をもたらしてきたのか、また将来、どんな価値をもたらすのか…… 目に見える価値として、生徒の親御さんから、次のような言葉を今までいただいています。 ピアノを続けていたおかげで、まじめにコツコツやる力がつきました 小さいころは引っ込み思案だったのが、自分に自信が持てるようになりました 時間をうまく使えるようになり、勉強も集中してできるので、成績も安定しています などなど…… これらは、結果的には「習っていて役に立った」ということですが、ピアノを続ける価値は、「目に見えるもの」だけではありません。目に見えない「心の価値」もあります。 ピアノがその子にとって、また、親御さんにとって、心の中にどんな位置を占めているのか。どんな輝きを与えてくれたのか……そういったことです。 お子さんがピアノを弾いている姿を見ている時間はかけがえのない時間。 家庭の中に小さな音楽があふれる幸せ。 お子さんにとっても、好きな曲を弾いているときは、何もかも忘れられる時間。 また、今はそう感じられなくても、大人になったとき、大きな慰め、大きな武器になるかもしれないですよね。 ちょっと振り返って、または将来に思いをはせて、お子さんにとって、そして親御さんにとっての「ピアノの心の価値」を思い描いてみませんか? 今回は説教臭くなってしまいした…… 次回は 5. もっと先生とコミュニケーションをとろう お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012.04.14 06:11:25
コメント(0) | コメントを書く
[◆ピアノレッスンのための親学] カテゴリの最新記事
|