フライブルク日記

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  暑い

  Bundesgartenschau 2015, Brandenburg posted by (C)solar08日本も暑そうだけど、こちらも暑い。もう３週間ぐらい雨が降っていないし、２週間以上前から日中の最高気温が３５〜４０度の日がしょっちゅう。４０度よ！２週間前にはベルリンにいたおかげで、４０度にはならなかったけれど、３５度ぐらいにはなった。でも、湿度が低い（２０から３０％ぐらい）ので、蒸し暑いのではなくて、焦げるような暑さ、灼熱。ベルリンでは炎天下を、毎日いろいろな公園を歩いた。ベルリンには広大な多目的公園がたくさんある。Park am Gleisdreieckとか、細長く延々と続くゲーリッツァー・パークとか、ほかにもたくさん。そもそもベルリンは首都なのに、都市の中に樹木や草原など緑地が豊かなので毎回、感激する。歩いても歩いても、終わりが来ないような広い公園をとぼとぼ歩いた（写真を撮る余裕なし）。テンペルホーフ飛行場跡地のテンペルホーフフィールドは、木陰がほとんどないので、太陽で焼かれているパンのような気分。３０分歩いただけで、ギブアップした。本当は反対側の端にあるアーバン　ガーデニングの様子を見たかったのだけれど、踵を返して、またとぼとぼと炎天下を歩いて戻った。歩いて戻れる場所がある境遇は幸せだ。ベルリンなどよりもはるかに暑い砂漠を何日も、何週間も、何ヶ月も歩いて、いつかは目的地にたどりつけることを願うアフリカの難民の境遇はこんな半端なもんじゃないだろうな。命の危険をおかしてでも、実行するのは絶望しきっているからだろう。水もジュースも買える自分の幸運に感謝、感謝。ただただ運が良かっただけだ。努力して得た境遇ではないのだから。ベルリンから５０キロ以上離れた、ブランデンブルク市その他、ハーベル川流域の５自治体で開かれている、連邦庭園博覧会にも出かけた。今回のは、各州で開かれる州庭園博覧会のようには華やかではなくて、自然たっぷりの手づくり風、あっと感激するような庭園風景は見られなかったけれど、これはこれで地味で良いかも。Bundesgartenschau 2015, Brandenburg posted by (C)solar08ブランデンブルク市の会場はいくつかの地区にわかれていて、会場への移動を徒歩ばかりではなく、船（小型フェリー）でも（川を上ったり下ったり）できて風流。ただね、会場内の飲食物の価格の高さにはあきれた。水でも清涼飲料でも小型ビンが一本５００円近くなんて！でも空気は乾燥していて、炎天下で暑くて暑くて、喉が乾きつづけるので、飲まないわけにはいかないの。家でもベルリンでも、ふだんは水道水を飲むことにしているのでトイレの水道水を飲もうと思ったけれど、「仮設トイレ」の水道水は「飲料水ではありません」と書かれていた！ウーベルリンで一週間過ごしたあと、南西へ下って、２０年ぶりにザールブリュッケン市に行った。ここは美しい観光都市ではないけれど、学園都市ではあるので、活気があって元気が出る。人々がおおらかで、オープンで、気分がよろし。人口の割には飲食店が多い。日本食のレストランも４、５軒あるとか。フライブルクより多いの。回転寿しもあるって。その一つ「オオサカ」で久しぶりに寿司を食べた。あー。翌日は大好きな陶器メーカーVilleroy & Bochの本社があるメットラッハでファクトリーアウトレットの食器をいくつか購入して、ついでにザール川がU字に蛇行する、有名なSaarschleifeも久しぶりに見た。Saarschleife posted by (C)solar08前に来たときは、日本のテレビ局の撮影隊といっしょだったんだっけ。もう２０年以上も前の話。でも、景色は変わってなかった。人間だけが変わる、中年は老年になり、いずれは消え、代わりに新しい世代が育ってくる。おしゃぶりが離せない posted by (C)solar08２才になりたて。これでも半分日本人。

  2015/07/15

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  アルガンオイルとモロッコの女性たち

  モロッコを走っていると、よくこういう看板や広告を見かけます。モロッコ、アルガンオイルを作る女性協同組合 posted by (C)solar08「女性協同組合（コープ）　アルガンオイル　テロワール（土地）の生産物」モロッコ原産の木、アルガンの種子から採られるアルガンオイル。ビタミンEや必須脂肪酸が多く含まれ、美容にも健康にも良いとか。ベルベル人は昔から、食用油や薬として利用してきたそうです。アルガンオイルの生産の主体は、ベルベル人の女性たち。もともと家の外で働くことがほとんどなかった女性たちが、経済的な自立のために、協同組合をつくって、栽培から収穫、石をつかっての殻割り、搾油など生産工程のすべてをするそうです。今では国内で５０００人の女性がアルガンオイル生産に働いているとか。わたしたちが偶然見かけて入ったのは、協同組合の直営店。店内では殻割りや種を挽いての搾油の実演が見られ、展示商品を買うことができます。モロッコ、アルガンオイルの原料となるナッツ posted by (C)solar08モロッコ、アルガンナッツから油を搾り出す posted by (C)solar08アルガンオイルの製品 posted by (C)solar08製品には食用のバージン油のほか、マッサージオイル、保湿オイル、ナイトクリームなどなど、石けん、固形パルファンなどなど、さまざまな商品があり、迷ってしまいます。ただね。お値段がかなり高いの。私が買った一番小さな瓶のエクストラ・バージンオイルは２５０mlで２０００円ぐらい。美容オイルの小瓶は、２３００円ぐらい。この国なら三人で食事ができるほどの値段です。でも、考えてみれば、当然です。殻を割るのも、種子を挽いて油を搾るのもすべて手作業なのですから。大量生産の商品とくらべる方が良くないのかも。アルガンの美容オイルと食用オイル posted by (C)solar08瓶の下に敷いてあるのは、前々回に書いた、ヤシ繊維の手織り・手刺繍のカーペット（タピストリー）です。美容オイルは右のスプレー。この店は山道の途中にあったのですが、後でワルザザートの市場内の店で見たら、同じ商品がもっと安く売られていました。でも、元気に働く女性たちへの寄付金と考えれば、高くはないわ。それに、ネットで見たら、このオイルはアンチエージング、加齢肌に効くとか。ほんとだったら、いいのにな。もっと買ってくれば良かったかな。モロッコ以外では手に入らないというし。食用オイルの方は、胡麻油にも似たとても良い香りがします。サラダに数滴たらすだけで、サラダがぐっとおいしくなります。今ではサラダには、オリーブ油、亜麻仁油、アルガンオイルを合わせて使うようになりました。何でもおいしくなってしまうみたい。ところで、昔行ったチュニジアでも感じたことですが、今回のモロッコでも、町中のカフェその他公共の場所にいる地元住民は男性ばかり（外国人観光客は別です）。とくに地方では、往来でも店でもレストランでもほとんど男性ばかりを見かけます。店の売り子もレストランのウエイターもホテルのフロントもカフェの客も、、、。ところが、ホテルをお掃除するのは女性ばかり（そういえば、ドイツや日本でもそうだね）。女性たちは目立たないところで、勤勉にお仕事をしているのでしょうね。でも、前回のタジン料理の店先では、元気な女性ばかりがいたなあ。肝っ玉母さんみたいなおばさんたちが声を張り上げて、客を呼んでいましたが、あれは首都近くの町だったからなのかしら。ところで、アルガンオイルが人気になったおかげで、女性達に仕事ができただけでなく、アルガンの木がたくさん植えられるようになり、砂漠化がくいとめられるとも言われます。ああ、もっと買ってくればよかった。　

  2014/11/08

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  モロッコへの旅

  モロッコの要塞村アイット・ベン・ハドゥ posted by (C)solar08北アフリカのモロッコに足掛け９日ほど行ってきました。フライブルクからバスで一時間のバーゼル空港からたった３時間で、マラケシュ市に着いてしまいます。モロッコは回教の国ではありますが、キリスト教もユダヤ教も禁止されておらず、現地の女性も都会では、スカーフで髪をおおっていない方がたくさんおられ、自由な雰囲気があります。マラケシュから南西に向かい、アトラス山脈の裾沿いの半砂漠地帯を進み、まずはワルザザトという町で二泊。二日目に出かけたのが、上の写真の世界文化遺産に指定されている要塞村。泥土の古い家が背景の山に溶けてこんでいるように見える村です。アラビアのロレンスなどの多くの映画の撮影場所になったそうで、行ったときにも映画の撮影隊が来ていました。モロッコの要塞村アイット・ベン・ハドゥの店 posted by (C)solar08ほとんどの家は今は空き家になっています（住民は近くの町に越してしまった）、それでも１１家族がまだ住んでいるとか。お土産物屋がならび、客引きが絶えません。若い男性から日本語で話しかけられましたよ。国境のない医師団の日本人から教わったそうです。親切そうなお兄さん（みんな親切そうよ、何か魂胆があるんだろうな）が『村を案内するよ」と頼みもしないのに、ガイドをしながらついてきます（ガイド料要求するんだろうな）。ブラット・ピットが撮った映画のエキストラになったことがあるんだって。モロッコ、要塞村のアイット・ベン・ハドゥのテラスカフェ posted by (C)solar08真ん中のお兄さんがガイド君です。「僕の家族はここに住んでいるんだ。家を見たいかい？」もちろん、現地の生活には興味があります。最初の写真の家々の一つが彼の家。中はもちろん暗いです。彼はさっそく、居間（華やかな絨毯が敷き詰められている）に案内すると、地元のヤシからとられた繊維で妹やお母さんが絨毯を織っていると話し、次々と絨毯（タピストリーにもなる）を広げてみせます。モロッコの要塞村アイット・ベン・ハドゥ内の屋内 posted by (C)solar08確かにきれい。ウールでないので、埃にダニなどがつかず、アレルギー症の人にも良いとか。手織りなだけでなく、その上に家の家紋みたいな模様も刺繍されています。写真の真ん中の赤い小さなタピストリーは彼の妹の作品だとか。モロッコでは商品の値段は値切るのが常識だとか。売る側も値切られることを予定して、値段を高めに設定、つまりふっかけます。それで、あれこれすったもんだして、上の赤いのをBFが、もっと大きいのをBFの息子が買うことにし、わたしはこの赤いのと良く似たタピストリー（写真右下の）を買うことに。これはガイド君のお母さんの作品だとかで、仕事がもっと丁寧です。そのお母さんも自ら出てきて、「これわたしの、わたしの」と自慢そう。「４５ユーロ」と言われたけれど、「５ユーロ札ないから、４０ユーロしか出せない」と粘ってしまった。本当は払っても構わなかったのだけれど、こういう時って、つい意地を張ってしまいます。わたしが４０ユーロのお札を出したら、ガイド君の妹（つまりお母さんの娘）がさっと取ってしまったのですが、お母さんはすぐに「ダメダメ、それはわたしのよ」と彼女からお金を取り上げました。ガイド君はまじめに要塞村の一番高い所まで案内してくれました。モロッコ、要塞村のアイット・ベン・ハドゥの頂上から下を見る posted by (C)solar08タピストリーを三枚も家族のために売ることができたことに気を良くしてか、出口まで送ってくれれ、ガイド料も要求しないでお別れしました。で、タピストリーなんですけどね。わたしたちは、機内持ち込み用のバッグ一つで旅行したので、これを詰め込むのがたいへん。でも、わたしはすぐに詰め込んで、ずっと肌身離さずにいました。ところが、BFは最後の最後に小型スーツケースに詰め込むことにして、結局は最後から三番目の宿に忘れてきてしまいました。あんなに値切ったのにね。

  2014/11/05

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  箱根とコートダジュール

  Hakone, Japan posted by (C)solar08東京プチ旅行では、やさしい友人のおかげで箱根に一泊旅行をすることができました。箱根って東京からこんなに近いのに、山や湖が楽しめるすばらしい所なんですね。それなのに、学校での遠足で山に登った以外は、一度もでかけたことも泊まったこともありませんでした。友人が予約してくれた宿は「松坂屋本店」という、なんと創業３５０年の老舗旅館。１６６２年（寛分２年）の創業だそうです。もちろん、何回もリニューアルされて、現在は和室の隣に広々としたベッドルームがあり、館内は和と洋を巧みに組み合わせて、落ち着きとモダンさがマッチしたすてきな雰囲気。あちらこちらのディテールのデザインに目がとまります。in einem japanischen Hotel, Hakone posted by (C)solar08温泉自体もすばらしいのですが、わたしは湯船に長くつかっていられない（忍耐心に欠けるのと、風呂に入る習慣を忘れてしまったのがいけないらしい）ので、カラスの行水を二回しただけになってしまいました。お食事は創作料理。たとえば、こんな美しい前菜とかJapanische Küche, Vorspeise posted by (C)solar08こんなジューシーで柔らかい牛肉とか（三枚肉とは信じられないやわらかさ）Japanische Küche, gegrilltes Rindfleisch posted by (C)solar08旬のサンマと焼きナスとかjapanische Küche, gegrillter Fisch und Aubergine posted by (C)solar08他にも松茸のお吸い物とかキノコと白身魚の上品なお鍋とか、、、、。見た目に美しく、食べておいしく、それでいてお腹にもたれない和食、ああ、天国の気分。ところで、旅館でもレストランでも和食のコースなどを食べるときに、「お食事をお持ちしましょうか」とか「お食事はいつに」という言葉を使うでしょう？この「お食事」はご飯と汁物と漬け物などのことを指すわけですよね。昔から、わたしはこれが不思議でした。今でもです。はじめてこう聞かれたときには、何の事を言われているのか理解できませんでした。「お食事をお持ちしましょうか」、ってもうお食事しているのに、今まで食べてきたのはお食事ではなかったの？っと聞き返したくなったほど。推測するに、アルコールを飲む人にとっては、ご飯以前のお料理は「お食事」ではなくて、「酒のさかな」だから、最後の〆としてのお米ご飯と汁物・漬け物が「お食事」というわけなのかもしれませんね。わたしはアルコールが飲めないので、この「酒のさかな」がピンとこなくてね。最初から「お食事」を持ってきていただきたくなるのを、こらえることがあります。翌朝の朝食も豪華japanisches Frühstück posted by (C)solar08写真以外にりっぱな鯵の開きとか、お刺身などまでついてきました。とくにおいしかったのは、ササガキゴボウとアサリとネギの煮物。上品で味わいがある逸品。アジの開きもおいしいわ。アジという魚はドイツやフランスでは出会わないので、貴重です。アサリは出会うけれど高い。ハムだけは「なくていいのに」と思いましたが、あとは満点のお食事でした。詳しい創作料理やすてきなお部屋や施設については、このホテルのサイトのすてきな写真をご覧下さいね。何度も書いてますが、日本の食事状況ってほんとうにすばらしいですね。でもね、余計な心配までしてしまいましたよ。従業員がこれだけ多くて、部屋の一つ一つがとても広くて、調度品が凝っていて、清潔で、サービスが完璧で、こんな手のかかる料理を出して、採算が合うのだろうかと。客の立場から見ればたしかに安くはない価格だけれど、経営する側からみたら、さぞかしご苦労が多いことでしょう。また、来てみたい宿です。彼岸花 posted by (C)solar08箱根では鮮やかな彼岸花（曼珠沙華）も見ることができて、幸せ。この花、どこか寂しげなのに艶やかですね。そして、東京旅行から戻って１０日には、どういうわけかまたまたコートダジュール、アンティーブ岬からニースを臨む posted by (C)solar08地中海沿岸のコートダジュールに来ていました。ちょうどお天気が良くて、九月末から十月はじめだというのに、日中は夏のよう。相変わらず、人々の大半は泳がずに、浜辺で肌を焼いていました。わたしは雨傘を日よけにして居眠り。soup de poisson posted by (C)solar08食事？フランスだからって、どこでも食事がおいしいというわけではありません。ミシュランの星つきレストランは別として、あるいは一食に１万円も出す場合は別として、ふつーのふだんの食事をするなら、同じお金で日本の方がずっとおいしいものが食べられるというのが、わたしの独断と偏見に満ちた意見です。それに、ドイツの方がフランスよりもおいしいくらい（２０００〜４０００円級の食事ならの話ですが）。というのも、ドイツの方が物価も人件費も安いからです。そのつけは、誰かに、そしてどこかに回っているはずなのですが、表面的にはこれが景気の良さにも貢献しているようです。そういえば、フランスでも気泡の大きなバゲットには出会わなかったなあ。クロワッサンはおいしかったし、一度だけ食べた、人気パティッセリーのフランボアーズタルト（一個８００円！）もおいしかったけれど。やっぱり日本の食事が恋しいです。

  2014/10/04

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• ノーパン東京旅行

  いやいや、ごぶさたしてます。その間にちょっと、９日間、東京に行ってきました。最初の二晩は仕事の関係でお茶の水近くのホテルに泊まり、あとはとってもやさしい親友のお家にまたもご厄介になりました。まるで実家に戻ったような気分にさせていただける（それは、出るものが出るという事実から証明されている）のは、本当にありがたいことです。仕事以外にしたことは、今回は盛りだくさん。まずは、１６年前の母の死後、一度も会っていない、一才半下の弟をかつての実家に訪ねたこと。お互い、会って驚きましたね。老け方と顔の変化に。弟は、ますます両方の祖父に似てきました。祖父はどちらも鼻が高くて彫りが深かったので、弟の顔はますます日本人離れしていました。戻って写真を周囲のドイツ人に見せると、「この人ほんとに日本人？これはヨーロッパ人だよ」とマジで言われました。弟はわたしに向かって、「人間の顔って変わるものですねえ。あなたはウナちゃん（母方の祖母）そっくりですよ」とのたまいましたよ。ガーン、まあね、これまでは父方の祖母に似ていたのが、母方にシフトしたようですが、どちらもイケメンとはお世辞にも言えないお顔。赤ん坊から幼児までは弟とわたしは双子にまちがわれるほどだったのに、年月とともに弟はますます美しくなり、わたしはトホホとなり、よその人がわたしたち両方の顔を見比べてから、わたしに向かって「可哀相に」と同情の目で見たこともあります。今回の東京行きのお楽しみの一つは、プログでお知り合いになったAmeliaさんとお会いしたこと。詳しいことは、Ameliaさんがプログにアップしてくださったので、わたしはそれに便乗させていただきますね。ブログで知り合った方の「実物」にお会いするのって、とても刺激的ですね。ブログを読む時には、なんとなく、その書き手をいろいろイメージするでしょう？小説を読むときと同じように。それが、実際の姿となって目の前に現れると、今度は頭は、その実物とブログとを合致させようと働くみたい。でも、Ameliaさんはブログのイメージとかなり一致していて、最初から違和感がまったくなくて、前からずっと知っていたように自然な形で、色々なテーマのおしゃべりができて、とても愉しいひと時を過ごすことができました。わたしがまったく知らない分野でご活躍なさっているAmeliaさんを、まぶしく、うらやましく思いました。Ameliaさん、愉しい時間とすてきなプレゼントをありがとうございました。ある日には、息子と彼の妻と娘といっしょに昼間っからカラオケに行きましたよ。驚いたね、日本では、カラオケがファミリー娯楽センターみたいなものになったのですね。もう一つの大きな出来事は居候させていただいた、友だちといっしょに箱根の温泉で一泊旅行したこと。わたしとしては相当の豪華旅行、景色やすてきなごちそうは、次の機会に写真をまじえて書きます。そして、こちらに戻る前の最後の晩は、中学・高校・大学の先輩女性（現在はある私立学校の院長先生）に久しぶりにお会いするのをきっかけに、大学時代の先輩後輩（中には４０年ぶりにお会いする男性もあり）や同じ大学の卒業生ではあっても未知だった方々とご一緒に、愉しい集いをもつことができました。これら１０人ぐらいの女性・男性たちは、いろいろな分野で今もご活躍。興味深いお話が聞けました。４０年ぶりに見る方々が、顔は昔と同じままなのには驚きました。お腹はまあね、ワタシ同様にそれなりにですけどね。こうして、刺激的でおいしい一週間余は瞬く間に過ぎました。とはいっても、自分の家にいて、何事も起こらない一週間はとても早く過ぎ去るのに、毎日いろいろ新しい事や人間に遭遇する旅の一週間はまるで一ヶ月分を生きたような気持ちにさせてくれます。それにしても、日本って、そして東京って、何でもありますねえ。デパートの地下階は行かず、ふつーのスーパーの食料品売り場をめぐっただけなのに、おいしそうなものがいっぱい。スーパーのお寿司だっておいしそう。野菜の種類も魚の種類も、ドイツとはくらべられないくらいたくさん。そして安いのにも驚きました。まあ、円安だからだけど。エノキダケはドイツでも売られてますが、とっても高いのに、大きな一袋が９８円なんて！舞茸もシメジもああおいしそう。あ、なんでタイトルにノーパンと書いたかというと、今回の東京滞在中、パンは一度も口にしなかったからです。意識的にそうしたわけではないのに、パンは食べなかったことに今になって気がついたわけ。ホテルの朝食ビュッフェでは、もっぱらお粥とヒジキの煮物、切り干し大根な、温泉卵など和食をもりもりいただき、昼食はなしにしました（朝食をしっかり食べると、お腹が減らない）。その後の友人宅での朝食は、コーヒーとフルーツとお菓子だけ（といっても、ついたくさん食べてしまう）にして、昼食と夕食は外でも家でも、いつも和食。和食の食べだめです。それでも、一度もパンが恋しくならなかったから、不思議です。せっかく東京に行ったのだから、せめて有名パン屋でバゲットでも買ってみればよいものを、そんなことを思いもしなかったのです。食事は風土と合っていると、よく思います。実際、日本に行くと、和食の朝食がとてもおいしく感じられるのに、ドイツに戻った途端に、朝食にお米やみそ汁は食べることができず、やっぱり朝食だけはバゲットやドイツパンが食べたくなります。東京から戻って二日目の今、さっそくまたライ麦サワー種の全粒粉たっぷりドイツパンと自家製酵母ホップ種のバゲットを焼きました。ホップ種の元気がなくて、バゲットがイマイチだけど、やっぱりおいしいわ。でも、昼食はまたしても、自家製柴漬けとご飯ととろろ昆布汁の和食。ああ、おいし。

  2014/09/19

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  生アサリ、生ハマグリ初体験

  アンティーブ、ジャン・レ・パンのビーチ posted by (C)solar08いやはや、前回の二週間後に、こりもせずにまたまたコートダジュールに行ってしまいました。今回ははじめから飛行機で出かけ、バーゼル・ミュルーズ空港から一時間、やっぱり楽で安いです（往復２万円）。環境が泣くね、これじゃ。アンティーブのジャン・レ・パンというビーチは観光客でいっぱい。まさに芋を洗うような状態です。これじゃあ、海の水もさぞかし、人間の垢その他で汚れていることでしょう。海辺にそって、数キロメートルをただただ裸足で歩いたのですが、寝そべる人の体を踏まないようにするだけでも、せいいっぱい。だれもが茶色に焼けて、白人も茶色人も黒人も顔をみなければ、区別がつきにくくなってます。何もそんなにしてまでも、肌を焼かなくたっていいのに、と思いますが、このジャン・レ・レパンに２５年以上も住んでいるBF妹も、いまだに毎日、午後に泳ぎ、そして海辺の日差しに肌をさらしているようです。だから、腕も胸元も顔も茶色で、しわがよっています。そりゃそうよね、これだけ乾かせば、しわもよるわよね。梅干しと同じ。アンティーブ、アンティーブ岬の海岸 posted by (C)solar08今回はシニアばっかりですから、５日間の滞在中の活動は町中や海岸の散歩だけ。あとはアンティーブ岬（こちらはジャン・レ・パンよりも人が少なく、店がかなり高級っぽくて、つまりは高くて、海の水もきれいで、落ち着ける）の海辺のレストランに午後じゅう夕方までぼけっとすわって、（わたし以外は）ロゼワインをすすり、あとは食ってばかりの怠惰な生活。まあ、たまにはいいけれど、貧乏性のわたしにはちょっと物足りない。ある日の昼食はせっかく海辺にいるからということで、魚レストランで貝類の盛り合わせを食べました。氷の上にずらりと盛られたのは、車エビ（これだけはゆでてあった）、生ガキ、生アサリ、生ハマグリ、生ムール貝、生のツブガイのようなもの。これらをただひたすら、レモンをかけただけで食べるのです（海水の塩で塩味は十分）。生ガキはまあ何度か恐る恐る（父が昔、生ガキでチフスにかかったそうなので、ちょっと怖い）食べたことはありますが、アサリやハマグリやムール貝などの生ははじめてで、ちょっとびびりました。ツブガイは飽きてしまって、残すことになってしまいました。あー、もったいない。でもね、アサリの生が思いのほかおいしかったのには感激でした。ムール貝もなかなかクリーミーでおいしかった。毎日お客で満席のレストランなので、回転がよいから、材料が新鮮であることは確か。お腹をこわすこともなかったです。ただし、これらが地元産であるなどという確証はまったくないですけどね。最後の日に、ニースの近くのヨットハーバーでサーモンとマグロと小貝柱のタルタルを食べました。それぞれがタタキになっていて、それぞれ別のソースで和えられているもの（こんなもんが２５００円もするとはね）。半分ぐらい食べて、げんなりしてしまいました。そこまではよかったのですが、戻ってきた翌日に激しくお腹をこわしました。この食事が原因かどうかはわからないけれど、いやあどうなるかと思った。でもね、水も何もかもが素通りだったのが、自作のライ麦サワー種で焼いたドイツパンを食べたとたんに、ぴたっと止まったのには驚きました。サラー種の酵母が細菌をやっつけてくれたのかなあ。頼りになるヤツです、自家製酵母。ニースの海岸わきの有名ホテル posted by (C)solar08

  2014/08/18

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  南仏、コートダジュールのアンティーブでクロワッサン

  コートダジュール、アンティーブの海岸 posted by (C)solar08やれやれ、前の日には思いもしなかったところに翌日はいることになった、という体験をしました。先週の月曜日、いつも書いているBFのフランスの田舎家に出かけました。彼の姪が一週間前に着の身着のまま、二匹の猫だけを連れてやってきて、一人でここに泊りこんでいるので、どんなことになっているかと様子をさぐりに、、、。彼女は南仏、地中海に面したコートダジュールのアンティーブ（カンヌとニースの中間にあるリゾートとヨットハーバーの観光都市）で生まれ育ち、母親は今もそこに住んでいます。着いた翌日、あれやこれやと話している内に、話が展開して、彼女が母親のところにおいてきた荷物や書類を取りに行こうということになったのです。この田舎家があるのは、フランスの真ん中よりも東より、北よりの村。アンティーブまでは８００キロメートル余りあります。出発したのは午後の四時、６時間ぐらい走って、この日は途中のグルノーブルに泊りました。昔、冬季オリンピックが開かれた、ジュラ山脈に抱かれた学園都市です。翌日はさらに南下し、プロヴァンズ地方を抜けて、夕方にやっとアンティーブにたどりつきました。つまり二日がかりでドライブしたわけです。コートダジュールに並ぶ、カンヌ、アンティーブ、ニース、モナコには前に一度、来たことがあります。コートダジュール、アンティーブのヨットハーバー posted by (C)solar08コートダジュールは紺碧海岸と訳されて、なんだかとても風光明媚のように聞こえますが、実際に見れば、なんてことはない、人とヨットばかりで混み合っているリゾート海岸です。沖縄の方がわたしにはきれいに思えるわ。ヨットハーバーには大金持ちの豪華船（写真撮らず）もたくさん停泊しています。数年前はロシアの億万長者がうじゃうじゃいたそうですが、今はいなくなったとBFの妹（つまりは姪の母親）は言っています。彼女の肌は毎日の日光浴で、全身が革のように茶色に光っています。泊まったのは、アンティーブの中心の広場に面したレストランが経営している階上のプチホテル（なんでも高いこの観光町にしては安い）。朝食は下のレストランでとりました。ふつうのカフェの朝食セットと同様、ジュース、プチパンやバゲット、クロワッサン、ジャム・バターと飲み物。このレストランは自分でパンや焼いてないようだから、パン類はどこかのパン屋から卸しているのでしょう。で、このクロワッサンなんですが、あら驚いた。なんと、クラムが、まるでわたしが焼いたかのような、例の「生八つ橋」のようだったんです。クラムの層が開かず、そのままくっつきあって、生焼けのようになった状態です。コートダジュール、アンティーブのホテルのクロワッサン posted by (C)solar08うれしくなってしまいましたよ。パン屋でもこういうクロワッサンを焼いてしまうことがあるんですね。次の朝のクロワッサンも、多少とも似たようなものでした。ま、食べられないことはないんです。自分が焼いたのを食べていると思えばいいんだから。アンティーブ、ヴィクトール・ユーゴー広場のレストラン、朝８時半 posted by (C)solar08店を開けたばかりの時間、常連が毎日コーヒーを飲みに時間です、この二階がホテルの部屋。このホテル（というかレストラン）の名誉のために言うと、レストランはリーズナブルな値段で結構おいしい食事を提供していて、昼も夜も、広場に出された何十ものテーブルは満席でした（屋内で食べる人ほとんどゼロ）。髪がシルバーになったおじさんウエーターは、朝八時前にプラタナスの落ち葉の掃除をし、朝食やコーヒーのサービス、昼食、そして１１時ぐらいまで続く夕食のサービスまでこなして、１２時間以上も働きづめです。「シーズン中は、いいお金がもらえるから、がんばっているだけよ」とBF妹は言ってましたが、そう簡単にできることじゃあなさそう。体をつかって働く人を見ると、本当に尊敬してしまいます。三泊して最後の朝は、朝食を食べたテーブルからも観察していた、真向かいのブランジェリーで、クロワッサンとアップルデニッシュとコーヒーで朝食にしました。こちらのクロワッサンはさすがにちゃんとクラムが層をなしていて、焼け方も完璧で、おいしかったです。その写真はないのですが、パンやコーヒーを買ったり飲んでいる間に、パティシエらしき男性がケーキをショーケースに並べているところを撮りました。アンティーブのパン屋（なのに菓子が目立つ） posted by (C)solar08おいしそう、とは思ったのですが、まあ暑さで食欲がわかないのと、町中どこのブーランジェリーでもパティシェリーでもこういうケーキを売っているのを見ると、途端に欲がわかなくなって、買わずじまい、食べずじまいでした、やっぱり食べれば良かったかな。この近くのもっとシックな店でもクロワッサンを買った（ここもおいしかった）のですが、その店はマカロンに重点を置いているらしくて、さまざまなマカロンが積み上げられていました。アンティーブの菓子屋 posted by (C)solar08でも、一つ大きさが並でないの。それも買わないで終わりました。南仏、アンティーブの町中 posted by (C)solar08三泊後、田舎家へと荷物と姪を乗せて、ふたたび８００kmを走らなければならなかったのですが、わたしは車の長期移動はもうたくさんなので、卑怯だけど、逃げ出しました。精神的にいささかしんどい姪のお相手はBF一人にまかせて、わたしは一人でバスでニース空港に行き、ニースからバーゼル・ミュルーズ空港までたった一時間で飛び、空港から一時間、バスにゆられてフライブルクに戻ってきました。あー、ほっとした。南仏もたまには良いけれど、家でご飯もいいもんだ。クロワッサンはしばらくはいただかなくてもよさそう。朝は定番のドイツパンを焼かなくては。

  2014/07/21

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• 三津浜・興居島探訪

  ずいぶん長くごぶさたしてしまいました。二週間ほど、日本に出かけていました。フライブルクの姉妹都市、愛媛県松山市で姉妹都市２５周年記念の催しがあり、環境フォーラムに呼んでいただいたのです。ある一日、松山市近くの港町、三津浜に出かけてみました。三津浜という町の存在を知ったのは、パンのブログでなっちゃんという方が２０１１年に三津浜でN's Kitchen & Laboというパンのお店を開かれたことを知って、ときどきなっちゃんのブログを読み逃げしていたから。コメントとかメールを差し上げたこともなくて、ただただ一方的にこちらがお店のことを知っているだけで、なっちゃんは私のブログもご存じないはず。そういう方のところに、前置きもなく出かけて行くのはストーカーみたいですけど、お店や、町のみなさんが町の活性化に向けて、三津浜クリエーターズというネットワークを作り、いろいろなイベントを実践しているという町を見たかったのです。平日だから、なっちゃんのお店が開いていないのも承知で、出かけました。三津の駅をおりて商店街に入ると、そこは静かな町並み。ほとんどのお店のシャッターは閉まっています。それでも、寂しいという雰囲気ではなくて、静かで落ちついて雰囲気がほわっとしています。入ってすぐの右手にある小さなお店からおじさんが出てきて、私たちを見ると、「この店は高いけど、ウマいよ」と包みをかかげて言いました。「お、竹輪のお店だ。入ってみよ」とさっそく入りました。お店には、ずらりとじゃこ天とかゴボウ天など、天ぷらというよりもさつま揚げに近い揚げ物が並んでいます。一つ、１００円。「え、どこが高いの」。やさしい奥様（？）に「さっきのおじさん、高いけどおいしいって言ってましたけど」と言ったら、「あら、高いなんて」と苦笑されました。目移りするほど、いろいろある揚げ物から、まずはじゃこ天をその場でいただきました（立ったまま買いたてにかぶりついた）。そのおいしいこと。「もっと食べよ」と、結局一人３個ずつ食べてしまいました。ドイツ人のBFも、ムシャムシャぱくぱく。奥様らしき方に「家で魚をすってさつま揚げを作ろうとしても、繊維が残ってしまってうまく行かないんです。なぜなんでしょう」と話したら、奥様はすぐに調理場にいらして、ご主人（？）にお伝えくださり、今度はご主人が出てきてくださいました。「家ですり身を作るのはむずかしいかもしれません。魚ごとに処理の仕方も違うから」と詳しく処理法を丁寧に説明してくださいます。あらあら、そんなに手のかかる作業だとは知りませんでした。心と手間をかけて作られている、こんなにおいしいじゃこ天を１個１００円でいただいてしまえるなんて、なんと幸せでしょう。なっチャンのお店はどこですか、と聞いたら、「すぐ先の左側、でも今日はなっちゃんは東京に出かけているよ」と。ご近所さんたちが、こうやってお互いのことを知っているというのも、商店街の方々のコミュニケーションを感じさせます。「おいしかったねえ」と言い合いながら、お店を後にしました。ネットで後から知りましたが、お店の名前は「練や正雪」さんです。なっちゃんのお店のシャッターを通りすぎて、歩いていくと、右側のお店の前にテーブルとベンチが置かれ、ドアの右にはミカンやはっさくなどが並んでいました。柑橘類を見ると、すぐに食べたくなるBFはもう、手を出しています。お店のドアは閉まっているので、買えるのかどうかもわかりません。で、ドアをおそるおそる開けて入ってみると、大きなテーブルと椅子、カウンターが見えます。どうやらカフェらしい。カウンターの向こうに若い男性がいらっしゃいました。「外のみかん、買えますか？あ、それとコーヒー飲めますか？　外のテーブルで」とお願いすると、「どうぞ、どうぞ」と快いお返事。BFがみかんや伊予かんを選んでいる間に、お店の中からコーヒー豆を挽く音が聞こえてきます。うーん、注文受けてから豆を手で挽くんだー。BFがベンチにすわって、ミカンをむさぼって「食って」いる内に、おいしいコーヒーが出されました。私はどうして三津浜、松山に来たのかを説明するのを皮切りに、お店のご主人とお話がすすみました。三津浜の活性化、クリエーターズなどを中心として、全国からアーティストが集まってくれること、商店街の問題、どこでも見られる小都市の市街地の空洞化の問題（ドイツにもあります）、政治への無関心はどこから来るのかなど、意見を交換できて、本当に楽しく勉強になるひと時をもつことができました。私がご主人と話している間に、BFは１キロの柑橘類を平らげてしまいました。そしたら、ご主人は「ミカンはプレゼントです、お代はコーヒーだけで結構ですと」とおっしゃいます。申し訳なく、ありがたい気持ちで、今度はちゃんと払って、ミカンを買わせていただきました。この伊予かんなどの柑橘類はご主人の故郷の島のものだそうです。ちなみに、このすてきなカフェの名は「田中戸」さん。これもあとでネットで知ったことですが。この後、三津浜港の目の前に見える興居島（ごごじま）に行きたくなって、三津駅に戻り、高浜という駅まで電車に載って、そこからフェリーで島に渡りましたよ。なんだか「瀬戸の花嫁」という歌を思い出しました（古いね、みなさん知らないでしょう）。フェリーでたどり着いたのは由良という港。由良から、海沿いの道路を１時間ほど、泊という港までのんびりと歩きました。とってもすてきな散歩。海はきれい、山は緑、夏みかんなどの畑が続きます。人の姿はほとんどありません。ここもきっと、過疎化が進んでいるのでしょうが、それだけに静かで落ちついていて、自然に包まれながら、心穏やかに過ごせるような環境です。この散歩は本当に楽しかった。泊からはモーターボートのような高速船でさっと高浜に戻りました。後からブログで知ったのですが、なっちゃんさんは、この島のご出身なのですね。これまで、三津浜も興居島も知らなかった私ですが、パン焼き・ブログを通じてこんなにすてきな場所と知り合えたのは、とても幸せでした。なっちゃんさん、ありがとうございます。この週末（昨日まで）にはまた三津浜でイベントが開かれたようです。イベントとタイミングが合わなかったのは、残念。今回の旅行にはカメラを持参しなかった（重い）ので、写真がなくてすみません。

  2014/04/21

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  ハンブルク

  Hamburg, Rathaus posted by (C)solar08ハンブルク市庁舎旅行中は時間がゆっくりと進むような気がしますが、自宅での日常生活では、あっという間に一週間が過ぎていきます。経験することが、日常生活でよりも圧倒的に多いからでしょうか。これが個人的な「相対性理論」。ハンブルクにいたのは、１０日余り前ですが、もうずっと昔のような気がします。北ドイツの港町、ハンブルクには仕事などで何回か行っているのに、まともな観光はしたことがありませんでした。Hamburg posted by (C)solar08観光船が出る桟橋たちの隣の建物のテラス、ハードロックカフェそれで、今回は船による２時間の港めぐり（外国からの貨物はここに集中するので、港といってもいくつもならんでいます）と、バスの市内観光の両方をやってしまいました。ハンブルク港 posted by (C)solar08観光船から、上の写真を撮った、観光船が出る桟橋ふきんの岸を見るHamburg posted by (C)solar08コンテナを積んだ貨物船でやはり目立つのは、中国の船。上の船、たしか長さが数百メートルあったはず。でかーい。ハンブルクといえば、一番（ネガティブな）話題になり、一番目立つのは、建設中のエルプフィルハーモニーというコンサートホール兼ホテルその他用のシルエットが斬新な建物古い倉庫の建物の上に新建築がのっかったような形で、完成時には高さが１１０mで２６階建てになるとか。Hamburg, Elbphilharmonie posted by (C)solar08この建物の建設が決定された頃は、完成は２０１０年で建築総額は１８６００万ユーロ（２００億円くらい）で内７７００万ユーロをハンブルク市が負担のはずだったのが、問題が生じたり、計画が変わったり、建設会社が問題あったりで、建設は遅れに遅れ、今のところの予定では２０１６年に完成（そもそも完成すればの話）、オープンは２０１７年。しかもハンブルク市、つまりは納税者が負担する金額は十倍にはねあがり、約８０００万ユーロ（９００億円近く？）になるそうだとか。市民の怒りを買っています。Elbphilharmonie, Hamburg posted by (C)solar08こういう例はドイツ内にほかにもあって、多くの市民が反対したけれど建設されてしまう、シュトゥットガルトの中央駅（線路を地下に入れる）も当初の何倍もの建設費となりそうです。そもそも建設が必要なのかが最初から疑問視されていて、住民投票もありました。もっとすごいのはベルリンの新国際空港建設です。去年だか今年だかに完成するはずが、遅れに遅れ、今ではいつ建つのかを正確に言える人はいないようです。一日遅れるだけで、維持費がものすごくかかっています。この場合も、建設会社は、施主がしょっちゅう要望を変えるから、それに対応して建築を変えなければならないといった根拠を、遅れる根拠として挙げています。だいたい、計画を決めた時点から何年もたつと、必要な施設も変化してしまうから、要望も変わるようです。施主である市の管理の悪さが批判されていますが、そもそもこんな大それた建築プロジェクトなどを手がけたこともない役人には、手に余る作業のようです。政治家も勝手なことを言うでしょうし。ドイツでも、いい加減な公共事業の例、必要もない橋とか人が集まりそうもないのに大金かけてつくった娯楽施設とか道路とかの例がまだいくつもあります。一方では、穴ぼこだらけの道路などが整備されないことが問題になっています。政治家も役人も、自分のカネを使うわけではないから、カネの扱いにいい加減になってしまうのではないでしょうかね。自分が働いたお金で家を建てるとなったら、もうちょっと計画的かつ慎重かつ緻密になるでしょうにね。本当は人様の税金を使って建てるからこそ、慎重であるべきなのですが。エルプフィルハーモニーを口をあけてぽかんと見上げながら、そんなことを考えました。

  2013/09/11

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  トンネルを過ぎるとそこも寒かった

  スイス、南に向かって posted by (C)solar08今年は異常に寒くて、中部ヨーロッパにはまだ春は来ません。今週末はイースターだっていうのに。イタリアなら北でもさすがに暖かいだろうと、先週末、スイスとの国境にあるラーゴ・マッジョーレという大きな湖をめざして出発しました。金曜日はまだお天気がよくて、スイスのアルプスの山々が空にきれいに映えていました。スイス、南に向かって posted by (C)solar08ますます南に近づく。ますます山に近づく。スイス、ゴッタールトンネルの手前 posted by (C)solar08ゴッタールのトンネルは１７kmつづきます。火災事故を起こしたこともある、ちょっと怖いトンネル。つまりはスイスアルプスを上から越えるのはむずかしいから、地中にもぐって、反対側に行くわけです。ところが、いくつもの短いトンネルをくぐって、そろそろ長いトンネルに近づくという時点で、交通はぴったり止まりました。ラジオのニュースでは「トンネルは上下とも閉鎖」！車たちはうんともすんとも動かず、かといってトンネルがいつまで閉鎖なのかも知らされず。待つ事、１時間半（たまたま前もってトイレに行っておいてよかったー）。やっと動きはじめて、トンネルも無事くぐることができました。さー、イタリアだー。あったかいかな？北イタリア、ラーゴ・マッジョーレ posted by (C)solar08ラーゴ・マッジョーレは霧に包まれ、気温は１５度もないくらい。肌寒い。道ばたには雪も残ってた。上の景色は、知人の女性がもっているセカンドハウスから撮ったもの。とても見晴らしのよい、すてきな場所にセカンドハウスをお持ちです。タウンハウス、つまり軒割り長屋で、前にひろがる共同の庭は広くて、プールもあります。ただね、共同の敷地の扱いをめぐって、他のオーナーたち（すべて別荘族のドイツやスイスやオランダ人）どうしがこじれてたいへんらしいです。ま、ぜいたくな悩みといえますけど。翌日は曇りで寒く、翌々日の日曜日は雨、そそくさと帰路につきました。帰りはトンネルをすんなり通れました。イタリアからの唯一のみやげは、ラーゴ・マッジョーレで手折った椿の枝 posted by (C)solar08村を散歩していて、見かけた、他人様の椿の小枝。ドイツでは屋外で椿が育つことはまれで、ふつうは温室が必要。東京の実家には、たくさんの椿の木があったので、ときどき椿が恋しくなります。わたしはとくに、一重の椿が好きです。椿の花を飾ると、周囲がふわっと日本風になります。戻った日の翌日、雪がちらほら落ちてくる今日は、パソコンを開ける前に、まずパン焼きをしました。これをすると、家に戻った気になるのよね。カンパーニュ？ posted by (C)solar08お？カンパーニュのクープがぱっくり？いえいえ、そんなことがわたしにできるわけがありません。プチパン posted by (C)solar08カンパーニュっぽい生地（ライ麦全粒粉、１０％入り）を小さく丸めて、いろいろに成形したプチパン。小さくするとクープがぱっくり開くのですね。これを段々に大きくしていったら、どうなるんでしょうねえ。イタリアのレストランの白いプチパンよりは、ずっとおいしいと自己満足にひたっております。スーパーで買った紫陽花の鉢植え posted by (C)solar08花ついでに、安売りスーパーの大型チェーン店で、高さ５０センチぐらいの紫陽花の鉢植えをお安く買うことができました。大きな鉢に移して台所に置いて、毎日、この花びらの色に見とれています。色が移り変わるのが、なんともすてき。やっぱり、造花よりも本物の花の方がいいわ。スイートシュガー posted by (C)solar08オンジジューム・スイートシュガーというらしいですね。ガーデンセンターで、やっとお気に入りのランを見つけました。このレースのような模様と小さな花が大好きです。今度こそ、枯れさせないようにしたいものですが、手入れがね、むずかしいです。スーパーの安売り水仙 posted by (C)solar08さすがに屋外も水仙とクロッカスは咲いておりますが、「春は名のみの、風の寒さや」です。東京は桜が咲いたって？？？いいですねえ。地球規模では温暖化現象がますます進んでいるのに、地域的には逆に温度が下がったりするから、ますますわかりにくくなるのですね。

  2013/03/25

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  ポーランドのお祭り

  ポーランド、Zgorzelecのお祭りでのコンサート posted by (C)solar08仕事でたいへん、などと言いながら、１１日間、ベルリンから旧東ドイツの町や村を回る旅をしてきました。旧東ドイツのザクセン州、ポーランドとの国境にあるゲーリッツ（本当はゲとゴの間のように発音する）という人口５万人余りの町が大好きで、数年前から毎年のように行っています。ここは戦争で建物が壊されなかったおかげで、古い町並みが残っているのです。東ドイツ時代は手入れがされなかったので、老朽化し、見るも哀れな状態だったのが、２２年前の東西統合以後に多くの建物が改修されて、とても美しい町によみがえりました。２００８年にこの町についてはちょっと書きました。ここをクリックすると町が出てきます。今回はちょうど町のお祭りが開かれている最中で、町中はもう歩けないほど人でいっぱい。観覧車やジェットコースター、たくさんの屋台やお店がびっしり並んでいるのですが、あまりに商業趣味でへきえき。この町はナイセ川をはさんでポーランドのZgorzelec（発音できない）という町と接しています。今ではポーランド川にはパスポートを見せることもなく、橋をわたって行き来できます。で、ふと川の向こうを見たら、ポーランド側でもお祭りをやっているではありませんか。それならと、まずは夜に出かけました。最初に出会ったのが、上の写真のコンサート。パンチがあって、ドイツ側のお祭りでやっているドイツ歌謡曲よりずっといい音楽。子供も混じって、リズムに乗って踊っている人もたくさん。とってもいいムード。ポーランド、Zgorzelecのお祭りの屋台の焼き鳥 posted by (C)solar08お店では、ローマ時代の戦士のかぶとや剣、衣装などを売っていて、ローマ時代の衣装を着て歩くおとなや子供も見られます。屋台はドイツ側よりもずっと素朴ですが、商業的でなくて、手作り的なところがあって、好感がもてます。上の焼き鳥、鶏肉が縦横５センチ近くあって、その間に脂びっしりのベーコンがはさまっていて、カロリー高そう。見るだけにしておきました。ポーランド、Zgorzelecのお祭りの屋台の豚のローストとソーセージ posted by (C)solar08豚の骨付き塊の焼き肉もすごいボリューム。これも見るだけ。ビールが５００ml　１５０円ぐらいと安いですが、私はこれも見るだけ。食べたのは、１個１００円のブルーベリータルトだけ。これはとってもおいしかったです。食べちゃったので写真なし。あんまり楽しかったので、翌日の午後にもまたまた行きました。ポーランド、Zgorzelecのお祭り。ドイツ側の教会が見える posted by (C)solar08この写真では、川向こうのゲーリッツの教会が見えます。ポーランド側のお祭りにはドイツ人もたくさん来ています。異文化をこんなに近くで楽しめるのは幸せ。ポーランド、Zgorzelecのお祭りで。ドイツ人の女の子 posted by (C)solar08野外のテーブルで同席したドイツ人、ゲーリッツに住む女の子。お母さんといっしょに来ていて、とっても可愛いの。将来はマリリン・モンローみたいになりそう。もうすぐ４才になるそうです。女の子のお母さんから、ゲーリッツの生活などの話を聞きました。東西統合後は若者はみんな、さっさと西側に職や学業を求めて出て行き、過疎がどんどん進んでいるのは今もそうですが、それでも、段々に故郷に戻ってくる人が増えているそうです。旧東ドイツの人は、旧西ドイツの人と国民性が微妙に違って、話が合わないのだとか。旧東ドイツの地域に旅して、いつも感激するのは、旧東ドイツの人が気さくで、自然な形に親切で、オープンなこと。店員でもウエイトレスでも、お客とふつうの人間対人間で接してくれる感じがします。店員としての作り微笑とか、とってつけたような応対ではなくて、その人の人柄をそのまま自然に出した形のコミュニケーションとでもいいましょうか、、、。なんだか気持ちがほわっとなって、つい話したくなるのです。東西統合前の東ベルリンでは、そういう体験はしなかったから、不思議です。というわけで、女の子のお母さんと話していると、ドンドンと太鼓の音がして、怪獣の行列がきました。ポーランド、Zgorzelecのお祭りで。怪獣たちの行列 posted by (C)solar08プラスチック製の空気でふくらました巨大な怪獣たち。子供達は大喜びで、怪獣の手足に触ったり、つかまったりで大騒ぎ。さっきの女の子は、一人で怪獣についていってしまい、お母さんは青くなって、女の子を探し回り、連れ戻しました。こんな素朴な行列におとなも子供も喜ぶのが、可愛いです。この怪獣の行列は、川ぞいのこの道を何度も往復しましたが、最後まで観衆から喜ばれていました。私はお祭りが大好きです。上野公園のそばで育ったので、夏には池之端の盆踊りの太鼓が聞こえてくると、気持ちがソワソワしたものです。トトントトン　カラカッカ　トトントトン屋台の物は食べさせてもらえなかったけれど、見て回るだけでもうれしかったー。日本の夏祭りの雰囲気は、ドイツでもポーランドでも味わえません。どの国のお祭りにも、店の飾り付け、食べ物、香り、光、音楽、そもそも人間そのものがかもしだす独特の情緒や雰囲気があって、それぞれが違うからこど、面白いのですね。こんなささやかなお祭りでしたが、とっても楽しかったです。ポーランド、Zgorzelecの祭りの「音楽士」 posted by (C)solar08一人でピアノも太鼓もラッパも歌も演奏してしまうミュージシャン

  2012/09/02

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  ベルリンにちょっと

  ドイツ鉄道、ICEの食堂車 posted by (C)solar08先週末はちょっくらベルリンに行ってきました。どういうわけか、今ドイツでは、普通の鉄道の切符だけを買うよりも、宿泊＋鉄道切符のパックにした方が安いのです。ホテルの宿泊券をもらっても、泊まらなくてもよいので、パックを買って、鉄道だけを利用します。しかも、一泊パックとか二泊パックを買っても、自費で宿泊するなら、帰りの日は１ヶ月以内ならいつでもよいという便利さ。で、今回は１泊パックを買って、娘のところに３泊してきました。さらにさらに、二等車両（日本の普通車量）込みのパックよりも一等車両（日本のグリーン車）の方が安いという不思議さ。もちろん一等にしました。一等車両だと、飲み物や食事を席まで運んでくれたり、チョコレートなどの無料サービスもあります。世の中、お金のあるなしで、こういう不平等があるんですね。ふだんは二等しか乗らないから、気にもとめませんでした。ベルリンの中心部、列車から posted by (C)solar08「ドイツはアジアの大都市のような高層ビルが少ないの」と友人に聞かれ、なるほど、言われてみればそのとおりだと思いました。ベルリンの真ん中だって、古いレンガや石造りの建物が多くて、モダンな高層ビルはあまりありません。そういう町並みが好きです。で、列車から町を撮ろうとしたのですが、これっていざ試みると難しいのね。ベルリン、Sバーンから posted by (C)solar08ベルリンはどんよりとしていて、フライブルクとちがって寒かったー！私が行った前までは日中は２０度ぐらいになったそうですが、日頃の行いが悪い私が出かけた日は温度が急直下、おまけに雨だのアラレだのに降られて、まるで雪の中を歩いているようでした。写真なしよ。料理好きの娘婿さんが作ってくれたディナーはラムステーキ、ゆでポテト、フェンネル posted by (C)solar08付け合わせのフェンネルが特別おいしかったです。フェンネルをバターで焼いてクリームソースかけ posted by (C)solar08フェンネルを縦四つ割りにして（私はこれまで一枚一枚はがしていました）、バターで十分いためてから、チキンスープ少々をそそいで蒸し、最後に生クリームをかけまわしただけですが、柔らかくて、しかも歯ごたえがあって、なんとも言えないおいしさでした。まねしよっと。翌日の晩は、電車で１時間ぐらいのところにあるブランデンブルク市のギャラリー（旧東ドイツ時代の工場跡の建物）で開かれた展覧会のヴェルニサージュに。ブランデンブルク市の工場跡にできたギャラリー posted by (C)solar08娘婿さんの知り合いのアーティストというか、大学の美術の教授をなさっていた方の展覧会。ブランデンブルク市の展覧会 posted by (C)solar08こういう幾何学的な模様が緻密に描かれた絵。でも、私の趣味ではなかったなあ。好みの問題だけど。ベルリン、シェーネベルク posted by (C)solar08ベルリンを後にする日曜日になって、やっとお天気が晴れました。ベルリン、シェーネベルクのカエデの新芽 posted by (C)solar08帰りは食堂車には行かずにコンパートメントに閉じこもり。向かいの席に座った一人旅の男の子（１５才）は、「どこに行くのですか」「どこにいらしたのですか」などなど、まるでおとなのように話しかけてきて、自分のことも聞きもしないのに、よく話してくれます。マンハイムに住むという彼は一人っ子。お父様は警察にお勤めで、１１０番の電話に対応する緊急部署の上司であるとか。去年の秋にローマ法王がフライブルクを訪問したときには、警戒のためにかり出されて（警備にあたった警官の数は４０００人ぐらいだったはず）、彼もお父様についてフライブルクにやってきてローマ法王のお顔をおがまれたんだそうです。そういえば、私もたまたま家の近くの道路をわたろうとしたら、警官に「今はわたっちゃだめ」と足止めされ（ほんの数メートルを渡るだけなのに）、１０分ぐらい信号前でつったっていたら、パトカーでなくパトオートバイに先導されたコンヴォイがつらつらと走ってきて、ある乗用車の後部座席にローマ法王の姿がしっかり見て取れました。白い衣装だから、暗い車内でもくっきり目立つので見分けられたのです。「あー、あそこにいるー」と思わず指差して、叫んでしまいましたよ。フランクフルト近く、列車から posted by (C)solar08で、向かいの席の男の子ですが、飲食物の注文をとりにきたウエイターに「オーヴンで焼いたポテトとクワルク（クリーム状のとろっとしたフレッシュチーズ）をお願いします。ただし、ポテトとクワルクは別の皿にもってきてください」などと生意気な注文しました。フランクフルト市、列車から posted by (C)solar08お行儀良く食べている彼に、「君は警察につとめたくはないの」と聞いたら、「給料は良いし、公務員だから失業の心配もないけれど、父の苦労を見ていると、僕は警察にはつとめたくありません。僕は１０年生（日本の高校一年に相当）を終えたら、専門学校に通って、ゆくゆくは銀行に勤めたいんです」ですって。近頃の若者は最初から、人生に安全を求めるんだろうか。フライブルクに到着したら、やっぱり空気が暖かいわあ。誰に似たのか、いつも食べてばかり posted by (C)solar08君はどんな人になるのかな？？？

  2012/04/03

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  北海道、ニセコのモルゲンロート

  ニセコの山 posted by (C)solar08こちら、フライブルクではもう紅葉が散っています。１０月に紅葉まっさかりの北海道から戻って、もう一ヶ月がたってしまいました。もうニセコは雪が降っているでしょうね。ニセコ、アンヌプリの麓にあるヒュッテ「モルゲンロート」のオーナー、藤井さんご夫妻にご招待されて、生まれてはじめてニセコを訪問することができました。ヒュッテ、モルゲンロート posted by (C)solar08初めてお会いするのに、藤井さんご夫妻はまるで旧知の間柄のように、気さくで心暖かくもてなしてくださいました。「モルゲンロート」と名付けたのは、ここではよく朝焼けが見られるからのようです。どうしてドイツ語の名前にしたかというと、どうしてもロッジとかペンションではなくて、ヒュッテ（小屋）というドイツ語にしたかったので、それに合わせてドイツ語名にしたのだそうです。ヒュッテとはいっても立派なお家。薪ストーヴのある快適な居間／食堂にはいくつもの小テーヴルと椅子がならび、昼間はカフェにもなっているそうです。ヒュッテ、モルゲンロートの窓 posted by (C)solar08家のあちこちに、奥様てづくりのパッチワークの作品が飾られ、ベッドカバーも見事なパッチワーク。そして、居間やほかのいくつもの部屋には、たくさんの絵本や児童書が展示されています。今はもう成人された四人のお子様たちが読んだ本ばかりだそうです。でも、その数がすごいこと。私の子供たちが小さな頃に読んだ、なつかしい本「ぐりとぐら」とか「てぶくろ」もありました。外国資本で建てられた家？ posted by (C)solar08ヒュッテのご近所には、モダンでいかにも「高そうな」家がたくさんならんでいます。まるで、東京の成城学園とか田園調布のようです。これらのお家はオーストラリアとか台湾とかの不動産業者が建てたり、売ったりしたものだそうです。億のつく価格のこうした不動産を、今は中国の業者が買いにくるのだとか。着いた翌日は、青空に映える紅葉が美しいアンヌプリの周囲をぐるっとまわってから、ニセコ大湯沼 posted by (C)solar08お湯がぼこぼこわいている大湯沼のまわりを散歩。いいですね。地表にお湯が出ている温泉がいくつもあるっていうのは。でも、この熱がちょっともったいない。このお湯で暖房とか発電とかできないんでしょうかね。温泉の熱エネルギーを利用しても、温泉が楽しめなくなることはないと専門家に聞いたことがあります。日本中、自然エネルギーがあちこちにあるのに、これを利用しない手はないと思うのですが。ドイツでは１０００m以上も掘って、なんとか地熱利用をしようとしていますが、これはちょっと大掛かりすぎるし、掘ったために地震が起こったりして、問題があるので、なかなか実現していません。大谷地駐車場から神仙沼までの道 posted by (C)solar08大湯沼からチセヌプリの山を左に見ながら北上し、大谷地の駐車場で降りて、ぬかるみの林を歩くこと１時間。ニセコ、神仙沼 posted by (C)solar08やっと林を出たところに、こんなきれいな神仙沼がありました。この日は観光客でいっぱい。この日の晩は倶知安で市民の方とお話ができました。その後、有志の方とごいっしょに、モルゲンロートで藤井さん奥様のとってもおいしいお手料理で懇親会。私も連れも、お話をそっちのけで、鍋料理、キノコ料理、煮物などご飯に気と口をとられすぎて、失礼いたしました。だって、こういうお料理には、外食ばかりの毎日ではなかなか出会えないから、大感激。あんまり食べ過ぎて、写真を撮ることも忘れてしまいました。ヒュッテ、モルゲンロートはもうスキー客の方が訪れているのかもしれませんね。藤井さんご夫妻と知り合えて本当に幸せでした。お二人のますますのご活躍をお祈りしています。ニセコへの旅行を考えていらっしゃるかたには、ぜひぜひお薦めします。ニセコの次は洞爺湖と昭和新山（右） posted by (C)solar08洞爺湖へ。上の写真は有珠山ロープウエイから見た洞爺湖と昭和新山です。あらためて写真を見ていると、北海道にまた行きたくなります。日本はほんとに自然が美しいです。

  2011/11/14

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  知床半島、ウトロの酋長の家のおいしいご飯

  知床半島の山 posted by (C)solar08霧多布の次は、知床半島を羅臼から横断して、ウトロに泊まりました。漁港のある町、鮭でいっぱいの町。ウトロの漁港 posted by (C)solar08翌日は漁港から観光クルーザーに乗って、知床半島そいに北に進み、半島を海から眺めました。カムイワッカの滝を見てから、ヒグマがよく海岸に出てくるというルシャまで行って戻る「ルシャコース」。知床半島のヒグマ posted by (C)solar08期待どおり、クマさんたちは、まるで船に時間を合わせたかのように、あちこちからゾロゾロと出てきてくれましたよ。毎年、来ているのに、まだ一度も見ていないという人もいるそうで、私たちはラッキーでした。写真の左手には、鮭の産卵場があって、漁師さんが泊まりこむ小屋もあるのですが、漁師さんたちとヒグマたちはうまく共存しているそうで、まだ事故は一度も起きてないそうです。漁師さんは、クマと出会ったら、どう行動すべきかを知っているし、出会いに慣れていらっしゃるのかもしれません。聞いた話ですが、ある漁師さんはヒグマに出会うと、「ここはお前の出てくるとこじゃないよ、森に帰りな」と諭すして追っ払うのだとか、、、。ドイツではヒグマは絶滅に近い状態で、いません。たまーにアルプスを超えてオーストリアとの国境近くの山に出てくることがありましたが、射殺されてしまいました。鮭漁から戻った漁船、ウトロ posted by (C)solar08漁港に戻ると、ちょうど鮭漁から戻った船から、大量の鮭が運搬用の箱に移されているところでした。こんなにたくさんの鮭！ふだん、チリで養殖された鮭しか食べていない身なので、うらやましい！ウトロの漁港近くの魚屋さん、半干しの魚 posted by (C)solar08漁港の近くには、魚を空気干しにしているお店があります。その一つ、写真の店は、採れたての魚を真空冷凍パックして宅配したり、生干しにした魚をその場で焼いて、店の前のベンチや店中の食卓で食べさせてくれる小さな魚屋さん。生きているウニも石で割って食べさせてくれます。しかも一個百円。私は三個のウニと、三つの茹でツブ貝をたいrげてしまいました。連れは干した魚の焼いたのをたいらげて、おおいに満足。こういうのが海辺の町の醍醐味なのですね。ドイツにはこういうのがないのが残念です。もっと食べればよかったー。ウトロの川をさかのぼる鮭たち posted by (C)solar08写真手前に二匹見えますウトロの町中に流れる川は、産卵のために川をさかのぼろうとする鮭でいっぱい。流れになんども押し戻されながらも、ひたすらのぼろうとする姿が痛々しいほど。近くで観察していた方にお聞きしたら、川をのぼってくる鮭の９５パーセントは産卵に成功するそうです（この川はクマが出ないことも理由だとか）。鮭は産卵という生涯の目的を達したあとは、寿命まっとうで死んでしまうそうで、川のあちこちに鮭の「亡がら」が沈んでいます。それをカモメやカラスがつつく光景も見えました。ウトロの漁港近くに「酋長の家」という看板のあるお店／民宿をみかけました。アイヌの工芸品やアジア産のスカーフなどを売っているお店です。店のオーナーの女性は、アイヌの酋長だった方の娘さんです。だから、お店や民宿の名前が「酋長の家」なのです。ウトロ、「酋長の家」の「酋長の娘」 posted by (C)solar08食事の間に、アイヌの文化や歴史などを話してくださり、アイヌの楽器も実演してくれますこの酋長の娘さんは、本州ご出身のご主人と結婚したあとも、お二人でウトロに住んでお店を営んでおられます。お二人の間に生まれた息子さんが本州出身の女性と結婚なさったときには、アイヌのしきたりにしたがった結婚式をなさったそうです。今では息子さんご夫妻が民宿を営み、夕食のアイヌ料理はお嫁さんの手作りです。「酋長の娘」さんご夫妻と親しい、札幌に住む友人が「ご飯がすばらしくおいしいから、ぜひ」と薦めてくれ、電話で紹介してくれたおかげで、民宿客でもないのに夕食をいただくことができました。ウトロ、「酋長の家」の夕食 posted by (C)solar08今回、北海道を二週間以上回って大きな観光ホテルの夕食も何回かいただきましたが、ドイツ人の連れは「ここの食事が一番おいしかった」と今でも言っています。カニ、いろいろなお魚料理、アイヌ料理、鹿肉のたたきなどなど。私には量が多すぎて、食べきれなかったのが今も残念です。これらをすべて手作りされたお嫁さんは、見るからにやさしい方。元は洋裁がご専門で、彼女の作品は銀座でも売られていたとか。「お義母さんに教わりながら、やっといくらかできるようになりました」とご謙遜なさってましたが、いえいえ、もう十分プロの味でした。食事の間に、アイヌの歴史について簡単だけれど楽しいレクチャーをしてくださった「酋長の娘」さんは、「アイヌがやっと北海道の先住民族として認められました」とうれしそうに話してくださいました。もし、もう一度ウトロを訪ねる機会があったら、今度はぜひ「酋長の家」に宿泊して、お嫁さんの手料理をもう一度じっくり楽しみたいです。朝ご飯も。

  2011/10/20

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  北海道、浜中／霧多布のペンション、レストラン

  北海道浜中の霧多布湿原 posted by (C)solar08もう秋になってしまいました。久しぶりに北海道に仕事をかねて出かけました。いろいろ回ったのですが、その一つ、道東の霧多布／浜中で、楽しくておいしい経験と久しぶりの再会をしました。霧多布での宿泊はペンションポーチ。霧多布のペンションポーチ posted by (C)solar08瓜田さんという方ご夫妻がなさっている、すてきなペンション。ペンションの真ん前に、広大な湿原が広がり、散策もすぐにできます。実はご主人は、１０年以上前に、エコツーリズムやファームツーリズムの視察に、浜中のファームを営む方々といっしょにフライブルクや「黒い森」にいらしたことがあります。そのときにお手伝いしたのが縁で、一度泊まらせていただいたことがあり、景色のすばらしさや星空が忘れられなくて、またお世話になったのです。春や夏ですと、湿原に花が咲いて、とってもきれいなのですが、今はもう秋。ちょっとさびしい景色でした。ペンションの隣にはナショナルトラスト運動をする団体のかわいい事務所もあります。この湿原を守るために、土地を市民が買い上げて、保護しようとする運動です。着いたのが早くて、お昼を食べるために瓜田さんにレストランを紹介してもらいました。国道をかなり走ってやっと教えてもらったレストラン、ファームデザインズにたどりつきました。「あ、ここ来たことある」突然思い出しました。前に来たときも、ここで食事をしたのを。ここの社長さんも、さっき書いた視察に参加した農家さんのお一人だったのです。お店の方におずおずと「社長さん、いらっしゃいますか」とおたずねしたら、奥から、見覚えのあるなつかしいお顔が。１０年たっても若々しい社長さんは、乳牛の世話は息子さんにまかせて、ご自分はこのファームデザインズのスイーツ部門で全国／海外に進出されていて、いまや有名なスイーツ産業の企業家となられています。ファームデザインズのスイーツは北海道だけでなく、全国のいろいろなデパートでも売られているほか、タイやシンガポールにも進出しています。チーズケーキがおいしいという評判のおかげで、海外への出店も決まったとか。それで、ガーリックの効いたすてきなチキン料理のあとに、デザートとしてチーズケーキを試すことに（おいしいコーヒーとケーキは社長さんにおごっていただき、恐縮、感謝）。とっても濃厚なお味。卵は入れず、クリームチーズと生クリームが主体だそうです。社長さんが電話をして、もう一人、やはり十年前の視察に参加した男性もオートバイをすっとばしてやってきました。彼もファーム業なのですが、こちらは牧畜のほかに、いまでは鹿肉（北海道には道路に飛び出すほどたくさんいます）を東京などの高級料理店におろすお仕事をなさっているそうで、この方も元気、元気。久しぶりに出会った元気なファーマーたちのご活躍がうれしかったです。ちなみに、浜中の牛のミルクはハーゲンダッツアイスクリームの材料になっているそうです。ペンションポーチに戻ると、東京からきた再生可能エネルギー発電の実行者が、ペンションの看板の照明用の電気を供給する小さな風車をとりつけていました。こんな小さな風車でも、取り付けには丸一日いじょうもかかるとか。霧多布の湿原 posted by (C)solar08太陽が湿原の向こうに沈む景色がとってもすてき。瓜田さんの奥様のとってもおいしい数々の手料理で、ナショナルトラスト事務所の方も交えて夕食会。元気な女性と男性たちで、話がもりあがりました。静かな湿原の真ん中はとても静か。ぐっすり眠って、目が覚めると、翌朝も快晴。ペンションポーチの風車 posted by (C)solar08ペンションの前には、風車が完成。しばらくして、風が吹き始めると、元気に回っていました。北海道道東への旅の際には、ぜひ、ペンションポーチやファームデザインズに行ってみてください。絶対、後悔しませんよ。

  2011/10/17

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  ベルリン、ローストック、フェメルンなど

  北ドイツは風力発電でいっぱい posted by (C)solar08残暑お見舞い申し上げます。７月全体、８月上旬と、ぜんぜん夏らしくない日が続いたあと、８月中旬からやっと暑い日が何日か続きました。夏らしい数日に合わせたわけではないのですが、ベルリンなどを回ってきました。外壁に描かれたショウブ posted by (C)solar08ベルリンのアパートの前の家の壁。グラフィティ予防のためか、外壁いっぱいにアヤメが描かれていて、とってもきれい。遠くから見ると、まるで写真をプリントしたみたいですが、壁にペイントされた絵です。こうしておけば、この上にスプレーでいたずら書きする人はいないようです。私もこういう絵が壁に描けたらなあ。ベルリンにはこの十年、毎年行っているのですが、市内を流れる川を観光ボートで巡るのが、やみつきになってしまい、今回もまたやってしまいました。「岸辺のカフェ」 posted by (C)solar08議事堂などの名所を一時間で巡るコースのほかに、３時間以上かかって、住宅地などの間をゆっくり巡るコースもあり、こちらが特におすすめです。低い橋の下をくぐるときには、客は立つこともできず、思わず首をすくめてしまいます。橋をくぐる観光ボート posted by (C)solar08ベルリンの周囲、ブランデンブルク州には、美しい村や湖がたくさんあります。ブランデンブルク州のラインズベルク城 posted by (C)solar08プロイセンのフリードリッヒ大帝のお城で有名なラインズベルク城は、周囲の広大な公園がきれい。ローストッック市の中心街 posted by (C)solar08ベルリンをあとにして、さらに北上し、バルト海に臨む，旧東ドイツの都市、ローストックに行ってみました。町の中心はすっかり美しく改装されていて、旧西ドイツの都市よりもきれいです。ちょうど、宿泊した晩に「緑の党」の代表の一人、クラウディア・ロートさんが当市にやってきて話をするというポスターを見つけたので、ミーハーの私たちは行ってみました。「緑の党」の代表、クラウディア・ロートさん posted by (C)solar08この方は写真からもうかがえるように、明朗でちょっとおっちょこちょいに見えるのが受けるのか、テレビの政治とは関係ない番組にもよく登場します。ローストックが属するメクレンブルク・フォーポッメルン州の州議会選挙が来週末にあるのですが、この州だけはまだ緑の党は州議会に入れていません（得票率５％がクリアできない）。旧東ドイツは一般に、緑の党の人気度が低いのです。「緑の党は、衣食足りて不自由がない人のお遊び」といったイメージをもたれてしまうのも理由の一つかもしれません。一方ではこの州は、ネオナチ的なグループが多くて、外国人が攻撃されたり、排斥運動の対象によくなっています。失業率が高く、若者の将来が明るくないことも、原因の一つだと思われます。ロートさんは、「開かれた政治、民主主義、エコはエコノミーにつながる」などを強調して話していましたが、選挙はどうなることやら。バルト海の海岸 posted by (C)solar08ローストックを後にして、さらに北上。バルト海沿いの観光地を見ながら、北端のフェメルン島へ。この島の北端からはフェリーが出ていて、目の前のデンマークに行けてしまうのですが、今回は断念。数年後にはこの島とデンマークをつなぐ橋ができるそうです。フェメルン島の海岸（バルト海） posted by (C)solar08バルト海の海岸も、この島の海岸も、観光客がかなり訪れていました。でも、気温は２２度から２２５度ぐらいですから、泳いでいる人は少なくて、みなさん海岸で肌を焼いていました。フェメルン島には国立公園や自然保護地域などがたくさんあり、貴重な種を含む、たくさんの野鳥の生息地です。フェメルン島の国立公園、水鳥保護区 posted by (C)solar08水鳥保護地域には、ドイツ自然保護連盟（NABU）のヴィジターセンターがあって、その周囲は子供もおとなも楽しみながら野鳥観察や散歩ができます。こうすることで、観光客が他の地域に足を踏み入れるのを防ぐこともでき、自然教育にもなるのでしょうね。とっても楽しい散歩でした。フェメルン島のあとは、一挙に南下。北ドイツよりは１０度ぐらい暑いフライブルクに戻ってきました。でも、明日は一挙に気温が１５度ぐらい下がるそうです。夏が始まったと思ったら、もう夏の終わり。あせります。おっとっと posted by (C)solar08

  2011/08/26

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  ベルリンは春、フライブルクは夏

  DSC04377 posted by (C)solar08ベルリン、Schoeneberg地区内のある通り久しぶりに週末にベルリンに行ってきました。フライブルク（ドイツの南西の端っこにあります）を発ったときには、とっても暑かったのに、ベルリンに着いたら、空は曇り、冷たい風が吹いていて、がっかりしました。タンクトップ、Tシャツ、カーディガン、革ジャンを着てもまだ寒くて、その上にコートまではおっても、まだ寒かったです。体が南の暖かさになれて、なまっているようです。もくれん、Berlin posted by (C)solar08それでも、町は春の花であふれていました。フライブルクではとっくに散ってしまった、モクレンが花盛り。DSC04392 posted by (C)solar08ベルリン、Friedenau今回、ちょっと出かけたのは、娘たちが引っ越した先の様子を見たかったからと、娘のおなかの大きさを見るために。新しいアパートはフリーデナウ（シェーネベルクの隣）地区という旧西ベルリンの住宅地の古い建物の５階（最上階）。四方にあるテラスからの眺めがいいです（って、ご近所の屋根ばかりですが）。DSC04393 posted by (C)solar08Berlin, Friedenau市の中心からそれほど離れていないのですが、あたりは静か。DSC04390 posted by (C)solar08Berlin, Friedenau娘たちの新居は、まだ工事現場のようだし、整っていないのですが、キッチン、Berlin posted by (C)solar08キッチンがとても広いのが特徴。お料理教室でも開けそうです。でもね、調理カウンターだけでも畳一枚半ぐらいもありそうで、お皿とか道具が必要でもさっと取り出すことができず、カウンターをぐるりと回らなければいけないことが多くて、狭い私のキッチンの方が便利だと思ったしだいです。娘のためにアンパンやカンパーニュを焼き、手巻き寿司をつくりました。娘夫は、彼ご自慢のクロワッサンを焼いてみせてくれました。フンワリして、確かにおいしかったけれど、彼のクロワッサンのクラムも、鉢の巣のようにあ広がっているわけではなくて、私の焼いたのと同じぐらい詰まった層です。安心したというか、がっかりしたというか。これで良しとするかどうかは、趣味も問題かも知れません。今回は、面白い出会いがありました。娘夫が仕事の関係で知り合った舞台女優さんのお宅にお茶に招かれたのです。この演劇女優さんは、身の丈１７５ｃｍ以上のすらっとした、とっても元気な女性。彼女は今、あるプロジェクトを企画しています。いろいろな動物を毎回のテーマにして、その動物の生活とか、絶滅の危機とかを、劇や映像などのメディアを使って、子供たちのために、楽しい自然教育のイヴェントをしようというのです。最初のテーマはオオカミ。ドイツではほとんど絶滅していて、わずかに旧東ドイツの森にちらほらいるぐらいです。彼女はオオカミについての本を読み漁り、オオカミ学者にインタヴューをし、北欧のオオカミの生息する森や旧東ドイツの森に観察にでかけと知識を入念に集め、そこから台本を書き、自ら演じるそうです。ある学者によると、オオカミの群れでアルファオオカミ、ベータオオカミと順位がきちんと決まっている、というのは、自然囲い地のように、オオカミが無限に自由に遠出することができないところでの話だそうです。これは知らなかった！つまり、制限された空間にいる群れは、順位がきちっと決まった秩序ある生活をしないと、混乱するから。野生なら、気に入らなかったら、外に出て、別のオオカミたちと群れをつくることもできるから、順位が囲い地ほどは厳しくないのだそうです。これを聞いて、なんだか人間社会みたいだと思いましたよ。人間は、たしかに自由にどこにでもいけるけれど、実際には、決まった社会に閉じ込められたみたいなものでしょう。会社とかクラスとか、村とか、グループとか、さまざまな組織内からそう勝手に飛び出すことはできないのですから。それはともかく、この女優さんは、この企画のために、NPOを設立し、ドイツ中の博物館や学校や環境教育センターに声をかけることも自分でしています。企画を話すときの彼女は、もう舞台に立っているような口ぶりで、息をつく暇もないほどしゃべります。女優さんの友達はこれまで一人もいなかったので、おもしろいなあと思いました。私はオオカミについての本を三冊訳したので、話が合ったのも幸いしました。これが今回の小旅行の収穫でしょうか。それと娘のスイカのようなお腹を見たこともね。風が吹くベルリンを後にして、ふたたび６時間半、列車にゆられてフライブルクに着いてみると、DSC04401 posted by (C)solar08フライブルクの街中、ヴェトナム食堂の前まあ、こちらは今日は真夏みたい。コートはおろか、革ジャンも、カーディガンも脱いでもまだ暑くて。見回すと、みなさんタンクトップとかTシャツ一枚。DSC04402 posted by (C)solar08フライブルク、ドライザーム川の岸辺町の真ん中を流れるドライザーム川の岸辺では、上半身裸になって、日光浴をしている人がたくさん。この暖かさが東北の方にも来ているといいですが。

  2011/04/10

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  スペイン領、テネリフェ島でハイキング

  Tenerife, Puerto de la Cruz posted by (C)solar08今年もまた、北アフリカの目の前にあるスペイン領の島、テネリフェ島に二週間ほど行ってきました。去年の冬やその前にも紹介しましたが、この島はドイツ人にとって、日本人にとってのグアムかハワイのような存在。聞こえてくる言語のナンバー１はドイツ語です。とくに、私たちが毎回滞在する、北部のプエルト・デ・ラ・クルーズという漁村は、長期滞在や住み着いてしまったドイツ人でいっぱいです。私にとっては今回は確か８度目。毎回、お天気に恵まれて、今回も昼間は２０度ぐらいありました。Puerto de la Cruzの湾に打ち寄せる大西洋の波 posted by (C)solar08到着した日から数日は波が相当高くて、岬や湾に打ち寄せる地から強い波を見ているだけでも、ドラマのようでした。それでも、波に入っていく人もたくさん。水温は１９度。サーフィンをする人もたくさん。太陽が照ると、すぐに肌を日に向けて横たわる人はもっとたくさん。テネリフェ島、ホテル・レストラン「Maga」 posted by (C)solar08今回、ネットで見つけたリーズナブルな宿は、プエルト・デ・ラ・クルーズ町の真ん中、歩行者ゾーン内にあるレストラン兼小ホテル。ホテルの前の広場 posted by (C)solar08ヴェランダから目の前の小さな広場やタパスレストラン、小さな店などが観察できます。これまで何度もテネリフェに来ているのに、観光客用の目玉、「ロロパーク」という動物園には一度も行ってませんでした（ちょうどこの町にあるのに、前を通るばかり）。この動物園はドイツ人が設立したそうで、オウム収集では１、２を争うのだとか。それと各種ペンギンが有名だそう。ついに今回は出かけましたよ。動物園は島じゅうから押し寄せる観光客でいっぱい。テネリフェ島の動物園「ロロパルケ」のオルカショー posted by (C)solar08ここの呼び物はなんといっても、オルカのショーとイルカのショーこういうのも、生まれて初めて見ました。大昔、「Mind of water」という鯨の本を訳し、数年前には「イルカがくれた奇跡」というイルカヒーリングについての本を訳して、鯨やイルカの頭のよさ、繊細さ、やさしさについて読んでいたからか、いえ、読んでいなくても、さっそうと跳んだり、ひれでしぶきをあげたり、人間とコンタクトする姿を見ると、文句なく感動しますね。テネリフェ島の動物園「ロロパルケ」のイルカショー posted by (C)solar08ドイツ語の本を売っている小さな本屋さんで、ホーストという７６歳のおじさんと知り合いました。テネリフェ島の山中 posted by (C)solar08彼（↑の写真右）は１２月から一人で滞在している年金生活者。スポーツ万能でスキー、カヌー、登山など何でも楽しむ人。テネリフェは実は海岸だけでなく、富士山以上に高い山、テヒーデ山のほか、数々の山があり、すばらしい森も豊富な火山の島です。ホーストさんはテネリフェの山々を知り尽くしていて、登山・ハイキング道もすみずみまで歩いているとのこと。話している内に、彼に案内してもらって、ハイキングをすることになってしまいました。今回は車（レンタカー）はまったく使わず、すべて路線バスを乗り継いで行くことに。この島はバス路線が充実していて、どこの村にもバスでいけるのです。最初に出かけたのは、島の南西部、Icod町の上方の山。私たちは普通の革靴で、ステッキもなし。ホーストさんは登山靴に、オーストリア製のとっても軽い登山ステッキ。私は登り道はいくら急でもかまわないのですが、下り坂が急だとへっぴり腰になります。テネリフェ島の山の一つ posted by (C)solar08それでも、↑の写真の岩に私も登り、降りましたよ。テネリフェ島の山から、山間のマスカ村を見下ろす posted by (C)solar08岩から覗いた谷あいの町、マスカ。去年は車で行ってしまったところです。遠くの青い色は海と空。区別がつきません。テネリフェ島、アーモンドの花 posted by (C)solar08バス停のある村に下りてくると、アーモンドがもう咲いていました。写真の真ん中ごろに見える、淡い緑色のはアーモンドの実です。テネリフェ島、北部の山脈（メルセデス）を歩く posted by (C)solar08二日おいた、二度目のハイキングは北部の山の斜面にそって続く、灌漑用の水を引いた溝を歩くことに。テネリフェ島、北部の山で見た花 posted by (C)solar08さらにその後、また二日おいて、今度はバスで山のかなり高い位置まで登って、そこから急な山道を降りるというハイキングをしました。お天気が変わって、雲におおわれていました。↑の花、この頃ドイツでも観賞用の植物として見かけます。名前忘れました。この後、旅行の「〆」として、ホーストさんと海岸沿いのハイキングをする予定でした。ところが、彼から連絡が入り、なんと息子さんが自殺をされたので滞在を早めて、数日後にドイツに帰るとの知らせ。カフェでお会いすると、「もうたっぷり泣いたから」と微笑みをまじえてお話されました。５０代の息子さんは、脳溢血が原因で体の一部が麻痺し、片目も見えなくなってしまったのを苦に、命を絶たれたようです。「人間いつかは死ぬのだから、これもしょうがない。残された者は生きていくしかない」とホルストさんは自分に言い聞かせるように話します。「次はフライブルクでお会いしましょう」「黒い森のハイキング道はよく知っている、案内してあげるよ」とお別れしました。おりしもテネリフェ島はカーニヴァルの期間。プエルトの町でも、ある晩、「町の女王を決めるショー」なるものが開催され、一時間も並んで席をとって、観賞しました。いやあ、すっごくローカルで、キッチだったけど、観光客よりも町の住人が楽しんでいるのが好感がもてました。テネリフェ島の夕日 posted by (C)solar08こうして二週間はあっという間に過ぎ、一昨日の晩、戻ってきました。今日からドイツもカーニヴァル（ファッシング）。今日はフライブルクの町の真ん中でも、行進があるようですが、フライブルクのファッシングはケルンなどとは違ってすっごくローカルでトラディショナルなので、私は家でブログを書くことにしたのです。

  2011/03/07

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  マジョルカ島

  Mallorca,Cala Millor posted by (C)solar08昨日まで一週間、地中海に浮かぶスペインのマジョルカ島に出かけていました。ここはドイツ人にとって、日本人にとってのグアム島のような存在。飛行機で２時間ぐらいで着いてしまい、場合によっては格安の飛行機があるので（環境にとっては良くないです、ホント）ので、手軽にいけるのです。季節はずれの今は、航空券＋ホテル７泊のチケットが２５０００円で手に入ったので、良心がとがめながらも、つい手を出してしまいました。今回が二度目のマジョルカ島訪問です。島はどこもドイツ人だらけ、ドイツにいるみたいです。英語やスペイン語もちらほらは聞こえてきますが。Mallorca,Portcristo posted by (C)solar08泊まったのは、島の南東部にあるポート・クリストという港町。港には、漁船のほか、世界の大金持ちがもつヨットやモーターボートがずらずらと停泊していました。観光ピークシーズンは春、夏、秋ですから、今はホテルの客もちらほら、観光用の店やレストランの大半は店じまい。もう日中の気温が１５～１９度くらいなので、さすがに海に入る人もほとんどいません。こういう季節外れの島はちょっと寂しいけれど、静かですてきです。Mallorca, Inca近くの山 posted by (C)solar08マジョルカ島は、観光客が集中するパルマ海岸やアレナール海岸、カーラ・マヨール（最初の写真）などの砂浜だけでなくて、山々などさまざまな景観を楽しめます。Mallorca, Salina posted by (C)solar08↑は塩田に積まれた塩の山。塩の白さが目にしみました。Mallorca, Deya posted by (C)solar08パック旅行観光客が集中する海岸地帯を離れた、島西北部のSollerとか↑のDeyaなどには、有名人などお金に困らないお方たちが家やFinca(広大な庭つきの農家）を所有しています。Mallorca, Santany posted by (C)solar08私が気に入ったのは、↑のSantanyという小さな町（南東部）。黄色がかった色の石の家が並ぶ町並みがほんわり暖かで、すてきでした。セラノハムのバゲットサンド、Cafe Coltado posted by (C)solar08毎朝の朝食は、近くのバーでセラノハムやトマトをのせたボガディオ（バゲットサンドイッチ）とカフェ・コルタード（エスプレッソサイズのミルク入りコーヒー）。スペインのバゲットって、「バゲットの形をした白パン」みたいで、皮はフランスのバゲットのように厚くないし、気泡も小さいのですが、私の弱い歯にはこれがちょうどいいようで。これからは、気泡の大きさもクラストも気にしないでバゲット焼こうかしらと思い始めました。ところで、ギリシャ、アイルランドに続いて、ポルトガルやスペインも不況や国の負債などの問題を抱え、欧州連合の財政援助（ドイツとかフランスなどの「大国」の税金からなされる）なしでは破産する危険があると言われています。その兆候はここ、マジョルカ島でも見られます。どこに行っても、「売り出し」の札がかかった家やアパートがあちこちに買い手を探しています。バブル時代に不必要にたくさん建てられたビルディングやホテルが、いまや空き家のまま廃墟と化している光景も多々あります。今後はどうなることやら。Mallorca, Palma posted by (C)solar08島の「首都」パルマの古い町並みそれでも「首都」パルマの不動産はいまだに人気があるそう。ここは活気にあふれた町。Mallorca, Palma posted by (C)solar08Mallorca, Palma posted by (C)solar08こういう古い建物、ガウディがデザインしたみたいでしょう？誰の手になるものかわかりませんが、見ごたえありました。そんな中で、こういうお店を見つけました。Mallorca, Palma, サンリオショップ posted by (C)solar08キティちゃんは、ここ数年来、ヨーロッパでますます見かけるキャラクター。Tシャツでもバッグでも、カップでも。「にせもの」やコピー商品もあふれています。パルマ市の道路上で見かけたストリート・アーティストの絵にも、キティちゃんのモチーフがたくさんありました。物によっては、コピーの仕方があんまり下手で、ちっとも可愛くないの。思い起こせば、キティーちゃんが登場して間もない頃、幼い息子にキティーちゃんつきのバッグとカップをクリスマスにプレゼントしたっけ。あのときの息子は可愛かった、キティちゃんも可愛かった（両方とも今も可愛いけれど）。お天気続きでポカポカと暖かいマジョルカ島を後にして、帰宅してみれば、Freiburg, 28. Nov.2010 posted by (C)solar08ジャーン、フライブルクは雪に包まれておりました。気温は零下２度ぐらいです。

  2010/11/28

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  またまた旧東ドイツへの小旅行

  先週いっぱい、またまた東に向けて出かけていました。最初はまだ旧西ドイツ側、ヴュルツブルク近く、ハンメルブルクというワインの町郊外に、廃墟のような家を買って、自分で直しているハンスを訪問。ハンメルブルク近くの村にあるハンスのセカンドハウス posted by (C)solar08ハンスはアンチーク業者で、カッセルにある広いマンションにパートナーと住んでいるのですが、この村その他に、格安で古いガタピシャの家を買って、友だちとともに自分で直すのが趣味。感激したのは浴室。ハンスの家のバスルーム posted by (C)solar08質のよい床のタイルも、アンチークの家具も、下のトイレもネットで安く買ったのだそうです。ハンスの家のバスルームの四角いトイレ posted by (C)solar08このグレーで四角いトイレは、陶磁器で有名なビレロイ＆ボッホ社製。ちょっと傷があるとかで、格安で手に入れたのだそう。Riechenberg郊外 posted by (C)solar08ハンスの家を後にして、旧東ドイツ、ザクセン地方にまっしぐら。フライベルク近くにある、例のカールの家におじゃましました。翌日からは、ポーランドとの国境にあるゲーリッツに数日滞在。この町はユネスコの世界遺産を目指している歴史的な美しい街。でも、東西統合以後は企業が少なくなり、過疎化が進んでいます。せっかく、何百年も前の美しい家が並んでいて、美しく改修された家も多いのに、人間が少ないのです。Goerlitzのペンション、ユーゲントシュティールの部屋 posted by (C)solar08泊まったのは、美しく改修されたユーゲントシュティール（アール・ヌーボー）の建物にあるアパート。持ち主というか貸主は、作家のオットーさん。本を書いていらっしゃるようですが、副収入を得るために、この一部屋＋キッチン＋浴室のマンションを借りて、それを旅行客に貸しているのです。Goerlitzの町並み、改修前の古い建物が軒並み posted by (C)solar08まだ改修されていない旧東ドイツ時代のままの建物もたくさんあります。こうした家（例えば↑の写真の一番左、左から三番目と四番目）は、百万円以下で売られています。確かに安いですが、これを改修するのが大変。これらのほとんどは文化財保護に指定されているので、外見も中も昔のままに復元しなければなりませんから、改修はさらに難しいのです。財テクのために、買ってそのままにしている人も多いようで、そういう家には空き巣が入り、金目のもの（暖炉の鉄の扉とか、ドアの取っ手とか）を壊して持っていってしまうのだそうです。翌日は南下して、Zittauという市の近くにある、Grossschoenau（グロースシェーナウ）という美しい村に着きました。Umgebindehaus、Grosschoenau posted by (C)solar08この村はまるで野外博物館のようです。建物はたいていがUmgebindehausと呼ばれる様式の家。二階以上の部分が、一階を取り巻く柱で支えられており、一階の居間などの部分は二階以上とは独立しているのです。つまり、一階のブロックシュテューベと呼ばれる部分は二階以上を支えていないので、一階を取り去っても二階以上はそのまま建っているわけ。これは昔、スラブ民族が住んでいたところにゲルマン民族が入ってきたために、スラブ民族の建築様式とゲルマン民族のハーフティンバー様式がミックスされて成立した様式なのだそうです。そうした家の一つに、ロッケさんというアーティストが家を改修しながら、住んでいます。アーティスト、ロッケの家（Grossscheoenau) posted by (C)solar08写真から、二階のハーフティンバーがよくわかります。ロッケが手作りしたタンス posted by (C)solar08一階はとても住めるような状態ではないのですが、二階には居間・キッチン・食堂の境を取り払った大きな空間とアトリエ、さらに小さな寝室二つ、浴室があります。二階全体の広さは１８０平米とか。その一部の下は昔は家畜小屋だったそうです。居間に飾られたロッケの絵 posted by (C)solar08ロッケさんは最初に登場したハンスさんの友だち。ハンスさんは旧東ドイツ時代は印刷業を営んだり、アーチスト協会のような団体を運営していました。東西統合以後は旧東ドイツの企業の多くが倒産し、大量の失業者を出しました。彼もごたぶんにもれず、長期失業者として、生活保護手当てその他の経費をもらいながら、絵を描いたり、彫刻をしたりと、自由なアーチスト生活をしています。ちょうど、先のゲーリッツで彼の作品の展覧会が開かれているところ。チェコの食堂の食事 posted by (C)solar08この村はチェコとの国境にあり、歩いて五分でチェコに入ってしまいます。それで夕食はチェコの町で。値段の安さと量の多さに驚きました。チェコの食堂のデザート（パイナップル入りクレープ、アイスクリームと生クリーム添え、２００円ぐらい） posted by (C)solar08Grossschoenauのダマス博物館の機織機 posted by (C)solar08ダマスク博物館翌日はロッケさんの案内で村を散歩し、村にあるダマスク織博物館を見学しました。ダマス織の機織機だけでなく、旧東ドイツ時代に盛んだったタオルの機織り機も展示され、さらには下のような、昔の農家の部屋の展示もありました。Grossschoenauのダマス博物館に飾られた昔のベッド posted by (C)solar08翌日はゲラで一泊してから、フライブルク目指して南下。途中で日本人観光客でいっぱいのローテンブルクで昼食。ローテンブルクのマルクト広場、午後三時は観光客でいっぱい posted by (C)solar08私の生まれて初めての外国（ドイツ）旅行は娘が四歳のとき。時には娘をおぶいながら、ローテンブルクにも行ったっけ。もうはるか昔の話。時はどんどん通り過ぎていきます。

  2010/08/24

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  ベルリンゆったり旅行

  DSC03608 posted by (C)solar08テンポラリー・アートホールの外壁に市民が貼ったシール、背景はアレキサンダー広場の塔ご無沙汰いたしております。二週間ほど家を空け、ベルリンその他、東ドイツ方面に出かけておりました。いろいろなことをしたんですが、その一つは壊される予定らしいテンポレール・クンスト・ハッレ（テンポラリー芸術ホールとでも訳すかな）の外壁にカラフルなシールを貼るというイベント。背が届くところは簡単なんですが、高いところは客がはしご車に乗って、安全ベルトを着用してはしご車のボックスから身を乗り出すようにして壁にシールを貼るんです。もちろん、私はパス。下から写真を撮るだけ。DSC03600 posted by (C)solar08最初は「こんな形のシール貼るなんて、子どもっぽい」とイベントをいささか馬鹿にしていたんですが、娘も娘夫も連れも夢中になって貼ってるんで、私も試してみました。貼り出すとおもしろいの。きれいな模様ができるわけでもないのに、なんとか形を作り出したくなるんです。主催者は、韓国の観光客たちが「こんな楽しい経験をさせてくれてありがとう」とたいへん喜んでいたと話していたのも、理解できました。私は脳と能がないので、模様が思い浮かびませんでしたが、白のシールだけで立体模様が貼られていたりと、みなさん色々思いつくんですねえ。DSC03633 posted by (C)solar08Martin-Gropius BauのOlafur Eliassonのアート展示、鏡の空間アートと言えば、Martin-Grobius Bauという美術館で開かれていたOlafur Eliassonのアートを見ました。空間アートとでも言いましょうか。色々な色の光源が壁に投射されて、客が歩くとその影が壁にうつって、自分のシルエットの動きを楽しむとかね。印象的だったのは、上の写真の鏡に囲まれた大きな空間。鏡像がお互いに反射して、無限に広い空間のように見えて、頭がクラクラします。新しく完成したNeues Museum（ここをクリックすると、この博物館の目玉、エジプトの有名な胸像が見られます。写真撮影は禁止）にも行きました。Neues Museum posted by (C)solar08イギリスのスター建築家、デイヴィッド・チッファーフィールドが大掛かりに改修した建物で、その改装が見事でした。展示されているのは、古代エジプト博物館・パピルス収集・古代歴史博物館の所蔵品。DSC03647 posted by (C)solar08DSC03648 posted by (C)solar08ガイドしてくれた人が建築家だったので、改修の詳細にばかり目が向きましたが、やっぱり印象に残ったのは、ノフェルティティの胸像この胸像がある部屋はガイドもしゃべってはならず、客は静かに鑑賞します。もちろん撮影も禁止。とってもきれいでした。もしかして、昔、東京でこの胸像見たことあるかも、なんて思ってしまいましたが。DSC03629 posted by (C)solar08ベルリンの運河ベルリンに行くたびに思うのは、緑が市の中央部でもふんだんにあること。そして、市の縦横に運河が流れています。この運河をめぐる遊覧船がたくさん出ていて、今回はクロイツベルク地区など緑たっぷりの小さな運河もめぐる「橋巡り遊覧」三時間の旅をしました。DSC03622 posted by (C)solar08お天気が良くて、太陽がギラギラだったので、白人の顔はやがて真っ赤に。私の顔はシミがまた増え・・・。低い橋の下をくぐっていくので、その旅に頭を縮めます。場所によっては、「柳川」の船を思い出しました。DSC03615 posted by (C)solar08緑ばかりでなくて、こんな建物も見えます。居眠りしてはっと気がついたら、船は首相官邸前を走っていました。運河から見た首相官邸 posted by (C)solar08中ではさぞかしもめていることでしょう。ユーロ危機、経済危機だけでなく、大統領がとつぜん辞任するわ、現政権の支持率が最悪わで、問題いっぱいですからね。どうなることか。そんな心配もどこ吹く風（？）ではないのですが、心配しても始まらないので、緑いっぱいの公園に。DSC03690 posted by (C)solar08Britzergartenベルリンの南部にあるブリッツァーガルテン。９０平米という広大な公園。ガーデンといっても、森や草原、葦に囲まれた湖など自然に近いエリアが豊富で、ハイキングができます。これが市街地内にあるなんて、信じられないほど。ベルリンではほかに、新しく住み始めた友人夫妻のお宅に招かれて、二十年来の友人にも出会ったり、娘たちと食事をしたりと、楽しみました。フライブルクが雨だらけの間、ベルリンは晴れで真夏のような陽気でした。帰ったら仕事が待っていて、洗濯と仕事を終えて、やっとこれを書くことができました。DSC03688 posted by (C)solar08公園の湖畔のカフェはテレビがないから、サッカーWM見たい人には不向きなのよ。

  2010/06/23

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  ゴメラ島のフィンカ

  ゴメラ posted by (C)solar08テネリファ島で八日過ごしたあと、フェリーで一時間ほどのゴメラという小さな島に行きました。ゴメラは昔、ヒッピーたちがこぞって出かけた島だそうです。小さいし、交通の便が悪いので、大規模な観光開発がおこなわれませんでした。おかげで今も、大きなホテルはなくて、休暇用のアパートやペンションが並ぶ程度、静かに保養できるのが、とくにドイツ人には受けているようです。ゴメラ、グラン・レイの町を臨む posted by (C)solar08この島は崖だらけで、海岸線に沿った道路はなく、町から町への移動ではバスか車で峠を越えて行かなければなりません。目的の町はグラン・レイ。グラン・レイの港からフィンカにいたるがけ下の道 posted by (C)solar08グラン・レイの港から海岸線に沿って切り立ったがけ下の道を十五分歩くと、目指すフィンカ、「アルガヤル」（HPは英語もあり）に到達します。フィンカというのは、カナリア諸島でよく見られる、いわば「農家民宿」みたいなもの。といっても、個人民宿もフィンカと呼ばれることがあります。この人里はなれた入り江にある１，４ヘクタールの広大な土地を、１９８６年にドイツ人を中心とする人々が買って家を立て、オータナティヴ（従来とは違った、新しい）形の生活をめざし、共同生活を営みながらフィンカを経営しているのです。ゴメラ、グラン・レイのフィンカ、コテージ posted by (C)solar08（↑客用コテージ。残念ながら満杯で、ふつうの部屋に泊まることに）ですから、ここはふつうのフィンカとはちょっと違っています。スピリチュアルで健康な生活が目標です。特定の宗教にこだわっているわけではありませんが、朝や午後にメディテーションする時間があります（参加は自由）。プールわきとか庭の隅に、小さな仏像が置かれていましたが、これはデコレーション用。マッサージや霊気などもオプションとして出されているようですが、積極的なオファーがなかったので、体験しませんでした。現在１８人という「クルー」チームも、客といっしょになって、食事をしたり、話したり。いろいろな機会に、晩にイヴェントも開かれます。ゴメラ、グラン・レイのフィンカのプール脇におかれた仏像 posted by (C)solar08シャワー用の温水はすべて太陽熱温水器で供給。ゴメラ、グラン・レイのフィンカ、客室 posted by (C)solar08電気も自家発電なので、照明以外の電気が使える時間は制限されています。食事は三食ともすべて菜食。魚や肉はゼロ。菜食なのに食事がおいしいのには驚きました。写真を撮るのを忘れました。三食ともビュッフェスタイル（バイキング）。昼食や夕食には七種類ぐらいのお料理が並びました。パプリカやナスなどの野菜料理はともかく、豆や雑穀と野菜が微妙に混ざったお料理はいったいどうやって作ったのかわからないけれど、とてもおいしかったです。finca Brot posted by (C)solar08とくに感激したのは朝食のパン。本格的な手作りドイツパンが中心なのですが、ほーんとにおいしいの。全粒粉のほかに粟とかアマランサスとかナッツが入っているからなのか、麦類が丸ごとまたはつぶして加えられているからなのか、わかりません。やっぱり勇気を出して聞けばよかったとくやまれます。「スペルト麦だよ」とコックのおじさんが言ってました。私もいつもスペルト麦で焼いてるけれど、こんなにおいしくはできないわ。帰ってから、あれこれ雑穀を買って、今はいろいろ試しています。finca Obst posted by (C)solar08ゴメラ、グラン・レイのフィンカ、アルガヤルの庭 posted by (C)solar08お庭もきれい。同じ敷地内に、スタッフが住む家や菜園もあります。ゴメラ、グラン・レイのフィンカの菜園と自家発電機（青） posted by (C)solar08お客のほとんどがシングル。二人連れは、もう二組だけでした。あるドイツ人の女性は、「一人だから普通のホテルに泊まっても、楽しくないの。ここならすぐに他の人たちと知り合えるから独り者にはぴったりよ」と言っていました。食事はキッチンの前のテラスにおかれた大テーブルでするので、自然に他のお客と知り合えるのです。ゴメラ、グラン・レイのフィンカ、食堂とキッチン posted by (C)solar08夕食後の語らいで、隣のテーブルから「夫が若い女性と仲良くなったので、ふられちゃったのよ」という声が聞こえてきました。その後、このテーブルでは男女の差などをめぐっておしゃべりが始まりました。フィンカの目の前は海。でも海岸は砂ではなくて、大きなゴロゴロした石。快晴で、気温が三十度ぐらいになった日、水温は２０度だというのに、たくさんの人が泳ぎました。ゴメラ、グラン・レイのフィンカの目の前の海 posted by (C)solar08ここはヌーディストクラブでもないのに、たいていの人（年配者も！）が素っ裸になって海に入りました。私たちがすわっているテラスのテーブルからそう離れていないところで、素っ裸で足を広げて日光浴をする人もいました。戻ってから友達のドリスに話したら、「あーら、私だって昔はいつも裸で泳いだわ。さわやかで気持ちいいわよ。今はこのデッカイお腹が恥ずかしいから、しないけど」と言ってました。ポインセチアの木 posted by (C)solar08（ポインセチアがこんなに大きくなれるとは知らなかった）ここに泊まるお客はふつうのリゾートホテルに泊まる客層とはちがって、自然の中でのハイキング、海の静けさ、そしてスピリチュアルなものを求めてくる人たち。だから、話題に政治とか現在の経済危機などがのぼることもありません。ちょっと世の中から離れたような気分になれる三日間でした。ゴメラ、グラン・レイの満月一日前 posted by (C)solar08

  2010/02/03

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  カナリア諸島の島、テネリフェ

  テネリフェ島のシンボル、テヒーデ山 posted by (C)solar08ごぶさたしています。前回アップにコメントをいただきながら、お返事が遅れ、失礼いたしました。寒さと雪を逃れて、小旅行に出かけていました。一年前にも書いた、カナリア諸島の島、テネリフェと、テネリフェの前にあるもっと小さな島、ゴメラに出かけていました。テネリフェ旅行は今回で七回目か八回目くらいになります。カナリア諸島はアフリカ大陸の北にある島々で、スペイン領です。とくにテネリフェ島は、ドイツ人やイギリス人にとっては、日本人にとってのグアムやハワイのように、気軽に避寒のために出かける観光先です。私は泳げないのですが、海に囲まれていないと、時々海が恋しくなります。ドイツに来てはじめて、日本にとって、海は当たり前のような存在だったのだと気づきました。テネリフェへの観光客は南部の海岸に集中し、そこには気分が悪くなるほどたくさんのホテルが乱立しています。それで、南部は避けて、いつも泊まるのは北部（お天気が悪くて、ちょっと寒い）のプエルト・デ・ラ・クルーズという漁港の町。テネリフェも今は冬ですから、気温は２０から２３度ぐらい。海水温度は１９度から２０度。それで、海には入りませんでしたが、泳ぐ人はかなりいました。波が高い日が多くて、サーフィンをする人はたくさんいました。tenerife,puerta de la cruzの漁港 posted by (C)solar08ここにも、かなりホテルが乱立していますが、南部ほどではなく、漁港に接する旧市街は、観光客だけでなく、ふつうの市民たちの暮らしも見られます。tenerife,puerta de la cruzの漁港 posted by (C)solar08↑の写真の海岸で、毎朝、獲れたての魚が売られます。群集はちょうど出会ったデモ。会社が三ヶ月も給料を払わないことに反対する従業員たちの抗議デモだそうです（ノボリにはドイツ語でも抗議文が書いてあったのでわかった）。現在の経済危機で、テネリフェの失業率は３０パーセントも上昇したそうです。観光客が激減したのが大きな理由。私たちが定宿にしているのは、ホテルではなくて、旧市街にある小さなペンション。tenerife,puerta de la cruzの旧市街 posted by (C)solar08↑の写真は、ペンション裏のプロムナード。とても静かです。tenerife, puerto de la cruzの漁村のカフェ posted by (C)solar08朝食は、観光客よりもふつうの市民が気軽に立ち寄る、漁港に面したバー。ここで、セラノハムのサンドイッチと濃いコーヒーを毎朝食べるのが楽しみ。tenerife,puerta de la cruzの海岸 posted by (C)solar08テネリフェは火山の島で、とくに北部は、なだらかな海岸や砂浜はほとんどありません。ところどころにある入り江から、海に入ることができるだけ。ですから、入り江があるところに、町があり、観光施設も集中します。テネリフェの海 posted by (C)solar08テネリフェの海岸 posted by (C)solar08海岸線に沿って、切り立った断崖がつらなっています。テネリフェの町 posted by (C)solar08テネリフェの魅力は海だけでなく、山々の景色。テネリフェ、山間 posted by (C)solar08とくにマスカという小さな村は観光客、とくにドイツ人（ハイキングが大好き）が好んで訪れます。テネリフェの山間の村、マスカ posted by (C)solar08↑の写真の山林は、去年、何日も続く山火事に会いました。切り立った山に囲まれた村の人はさぞ怖い思いをしただろうと、想像できました。テネリフェの山間の村、マスカのレストラン posted by (C)solar08でも、私たちが行ったこの日はお天気にも恵まれ、ドイツ人の女性がご主人と経営するこの小さなレストランは、とてものどかでした。テネリフェ、マスカ村のレストラン posted by (C)solar08久しぶりに海を味わい、潮風に当たって、すがすがしい思いをしました。泳げないけど、海は好きなんだと自覚しました。テネリフェで一週間のらくらしたあと、フェリーでゴメラという島に行きました。その報告は次回で。帰ってきたら、ドイツはまだ冬。しかも、またまた雪で、気温も氷点下。今は道路も凍っているようなので、私は外に出られません。昨日、野菜の買いだめをしておいてよかった。テネリフェの暖かさが恋しいです。テネリフェ、おもしろい植物 posted by (C)solar08

  2010/01/31

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  テレビ

  マドラスの場末 posted by (C)solar08先日テレビのインタビュー・討論・番組で、児童の貧困がテーマになっていました。多くの先進国の例外にもれず、ドイツでも、お金持ちと貧しい人の差が、どんどん広がっています。ドイツでは５００万人の児童が、「貧困」（平均所得の半分以下でクラス人）な状態または貧困とされるギリギリの状態で生活しているそうです。一日に一度も「温かい食事」（パンとハムなどといった冷たい食事ではなく、調理した食事）をとらない子どもも多く、学校にお弁当をもってこられない子ども、遠足費が払えない子どもも多いと言われます。そうした子どもは、将来進学したり、職業の資格をとるチャンスも少なく、社会保障に頼ることになり、そのまた子どもも貧しくて、・・・というように、貧困の悪循環がつづくというわけです。これを解決するために、「子どもへの援助をもっと」といった声が当然あがりますが、そのときに必ず出てくるもう一つの声があります。「子どものための援助費を出しても、その金を親がビールで飲んでしまったり、タバコ代（一箱６００円ぐらいします）に使ってしまう。生活保護家庭にはよく、大きな最新型の液晶テレビがでーんとあったり、コンピュータがある。そんな金があるなら、子どもに食べさせろだから、補助金ではだめだ。子どもの食事代とか、教材など、ちゃんと子どものところに金が行くようにしなければいけない」というわけです。これはごもっともではあるけれど、まるで貧しい人は最新式のテレビとかコンピュータをもつな、と言っているかのようにも聞こえます。でもね、考えてみれば、これも悪循環の結果なのかもしれません。失業している人、貧しいために教育を受けられなかった人、お金がない人は、読書とか旅行とか芸術といった過ごし方をする機会も余裕もないし、そもそもそういう楽しみもある、ということを知らないのかもしれません。友だちとの交友にもお金はかかるし、自分の状況を考えると、他人との付き合いにはいとわしい面もあるかもしれません。それで、手軽な娯楽である、テレビがとてもたいせつになってしまい、薄型液晶テレビを買うことの方が子どものご飯よりも大切になってしまう、ということもあるのではないかと。たまさんの、ワクワクするようなインド旅行体験記を読ませていただいたこともあって、この関係で思い出したのが、数年前に行ったインドで知り合ったある家庭のこと。飛行機の乗り継ぎの関係で一泊だけしたマドラス（写真上）の薄汚いホテルで従業員男性に話かけられました。飛行機が出発する夜中まで、まる一日あるので、自分が市内の観光案内をするというのです。気乗りしない私とは反対に、「観光は地元の人に案内してもらうのが一番」という楽観的な「旅の連れ」がホイホイとこの申し出にのってしまい、この従業員氏の家にまずはスーツケースを預けに行きました。オンボロ三輪オートリクシャに巨大な男性二人と私と二つのスーツケースその他が搭載できたという奇跡を経験し、数キロメートルの道のりの途中でリクシャが壊れるなどのトラブルを克服して、やっと一時間以上かかって、市の反対側にある彼の家に到着。マドラスの「従業員氏」のアパート（左） posted by (C)solar08彼はやさしい奥さんと赤ちゃんと小さな息子とともに、アパートの一階に住んでいました。六畳ぐらいの部屋と三畳くらいの台所。建物の外に共同トイレが一つ。台所にも水道はなくて、外に一つある水道でアパートの奥さんたちが洗濯をしていました。寝室・食堂・居間すべてを兼ねる部屋は、家具もほとんどないのに、こぎれいに整頓され（見習いたい！）、ベッドで男の子が昼寝をしていました。「従業員氏」のアパート posted by (C)solar08部屋で目立つのが、大きなテレビでした（写真なし）。さっそく、この男性はテレビを自慢しました。このテレビを買ったローンの返済で、給料の三分の一が消えてしまうそうです。それでも、買ったことに後悔するどころか、もうこれだけが彼が自慢できるもののようでした。この後、いくつものゴタゴタが続きました。この男性が提案する市内観光なるものには、かなりのお金がかかるようなのでまずはお断り（彼は観光に使うタクシーからマージンをとるつもりだったのでしょう）。街中のショッピングセンターに連れていかれ、彼の家族へのプレゼントをねだられましたが、奥様用のドレスを買ってあげるのを「連れ」が拒否したので、妥協の産物として、子ども用の服を買ってあげることに（５００円ぐらいの出費ですんだ）。ますますがっかり顔のこの男性が、次に出したオファーは、彼の自宅での奥様お手製のカレーのご馳走。これには「連れ」は乗って、タクシーの運ちゃんもいっしょになって、ご馳走になりました。激辛ではあってもすごくおいしかったです。台所に水道もなく、調理台もなく、たたきの隅に小さなコンロ一つだけなのに、こんなにおいしいカレーが作れるのですから、さすがインド。「従業員氏」の奥さんとただ一つのコンロ posted by (C)solar08この後、さらに「おねだり」が続いて、空港までこの男性が送っていく（代りに帰りのタクシー代を出してほしいと言われました）のをお断りするのにも三十分はかかりました。もっと色々あったのですが、詳しいことは本に書いたので、ここでは省略。話をテレビに戻すと、生活が貧困で、人生の色々な面を楽しむ余裕がなければないほど、テレビが重要になってしまうことを、インドでのこの珍妙な体験でも知ったのです。だから、お金のない人が、テレビだけには高いお金を出すことも、一方的に非難できないのではないかと思うのです。非難する代りに、子どもたちが別の楽しみや学習をする機会をもっと設けるとか、失業している人が、家でテレビばかりに集中するのではなくて、地域などで他の活動をするなどの、別の楽しい機会を設けてあげることが、必要なのではないかと思うのです。でも、国の負債がどんどん増えたドイツ、そんな余裕ないだろうなあ。

  2009/11/04

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  チュニジアのブリック

  ここはどこでしょう posted by (C)solar08白黒写真ですみません。この写真は、昔、市の児童館のような施設の写真クラブに入っていた娘が、自分で現像して伸ばした写真、それで白黒なのです。壁にかかっていたのをはずして、スキャンしてみました。十五年ぐらい前に、娘、そしてドイツ人の友だち３人とともに、北アフリカのチュニジアに二週間ほど行きました。ふつう、ドイツ人観光客の多くは北部の海岸で過ごすようですが、私たちはレンタカーを借りて南下し、色々な町や村を巡りながら、サハラ砂漠まで足を伸ばしました。これはその途中の半砂漠地帯の写真です。当時はまだデジタルカメラはもっていなかったので、これ以外の写真はなし（っていうか、プリントした写真をどこにしまったか、不明）。なんで突然、チュニジア？実は昨晩、二十年来の友だちの誕生パーティーにいきました。二十人以上のお客たちの中に、おもしろいカップルがいました。奥さんはクロアチア（旧ユーゴスラビアの一部）とロシア人のハーフで、育ったのがイギリスその他の国々。話せる言葉は英語、ドイツ語、フランス語、アラビア語、クロアチア語、ロシア語少々・・・、という人。若い夫の方は、ものすごくハンサムなチュニジア人。彼らと話していて、昔行ったチュニジアを思い出したのです。この男性も言うとおり、チュニジアでは、首都のチュニスは別として、町で見かけるのは男性ばかりでした。「女性はどこにいるの？」と彼に聞くと、「家だろう。テレビでも見てんじゃない？」とのお答え。カフェとかレストランも、見えるのは男性ばかり。そういう国で、私たち母娘がカフェに入るのは、一瞬ためらわれましたが、思い切って入ってしまいました。一瞬、視線が私たちに集中（こういう経験って、ドイツではしないもんね）。それでも、みなさんふつうに親切にしてくれ、いやな思いをしたことはありませんでした。チュニジアは回教の国です。回教の国に行ったのは、この時が初めてでした（その後もマレーシア以外には行ったことありません）。印象的だったのは、お祈りの時間になると、スピーカーから流れてきて、町中にこだまする祈祷の声。長く引き伸ばされる、朗々とした声。最初に聞いたときは、ちょっと違和感を覚えたのですが、慣れてくると、この声が、夕方の光に調和した、どこか物悲しくも心に響くメロディーに感じられてきたものです。サハラ砂漠に落ちる夕日。ラクダたちが、悲しみなんか超越したような、かすかな笑みを浮かべた平和な顔で、トクトクと歩いている。背後から聞こえてくる、朗々とした声。結構ロマンチックでした。ロマンチックでなかったのは、バザールでの売り子との値引き駆け引き。絶対ふっかけられていると思うから、こちらも意地になって値引きさせようとする。それが相手にも見透かされて・・・。買わないで立ち去れば、値引きするかと思って立ち去ったら、全然追っかけてこないので、がっかりした経験もあります（我ながら卑しい性格でいやになります）。私の記憶は、どんどん消えていきます（今に自分の名前も忘れるんじゃないだろうか、昨日食べたご飯だって忘れるし）。旅で出会った町並みも景色も、どんどんかすんでいきます。でも、覚えているのは、やっぱり食べもの。チュニジアの砂漠を走っていて、突然見かけた屋台で食べた、「殺したて」のラムのバーベキュー。やたらに脂身が多くて、旅の連れのドイツ人三人がブツクサ文句たらたら言ったっけ。ナスやトマトやラムを煮込んだシチューをかけて食べるクスクスはチュニジアの定番料理。フェンネルのサラダを娘がパクパク食べるので、「生もの食べて、大丈夫？」とハラハラしたっけ。でも、とりわけおいしかったのが、ブリック。これは屋台でも、レストランの前菜としても、いつでもどこでも食べられて、いつでもどこでおいしかった。日本でもドイツでも作れます。春巻きのような皮（春巻きの皮で代用）を広げて、真ん中にパセリとかネギ、細かく切ったポテト、ツナなどを置き、最後に生卵を割り落としてから（卵は溶かないで！）、皮を対角線にそって折って、三角形にし、縁を水でぬらして、ぴったりと閉じます。これを油で揚げるかたっぷりの油で焼いて、卵が半熟状態になったところを、レモンやライムをたらして、熱々のうちに食べるのです。娘のお気に入りは、ブリック・アヴェック・クレヴェッテ。つまり上の材料のほかに小エビが入ったブリック。彼女は念仏のように、こればかり唱えて、注文していました。切ると、中からトロリとした卵が溶け出してきて、それはそれはおいしいです。こんなに簡単なのに、どうしておいしいの？書いていたら、作りたくなりました。皮まで自分で作るのめんどくさい。ベトナムの生春巻き用の皮じゃ、だめかしらね。さて、昨晩の誕生パーティーには、夜中の二時までお邪魔してしまいました。さよならをしたときにも、まだ数人のお客が踊っていて、「もう帰るの？まだ早いよ」なんて言う人もいました。というのも、昨夜の夜中に夏時間が終わって、今日からは冬時間となったからです。夜中の三時になった瞬間に、時計の針が一時間もどされて、二時に戻ったのです。つまり、一時間トクしたわけ（って、春に一時間損したのだから、差し引きはもちろんゼロですが）。今日から三月までは、日本時間との差は８時間。日本で晩の八時なら、こちらはまだ昼の１２時です。

  2009/10/25

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  帰って来たヨッパライとベルリン探索

  ベルリン、連邦首相官邸とおもしろい緑地帯 posted by (C)solar08ちょっと野暮用で、ベルリンに出かけていました。日曜の午後六時ごろにベルリンに着いたのですが、娘が出張でパリに出かけていて、彼女の夫も週末には彼女と合流したので、二人が戻ってくるのは夜の十一時半。彼女たちの家にはそれまで入れないので、どこかで時間をつぶさなければなりません。映画でも見るか、とポツダム広場にとりあえず行ってみました。富士山型の屋根で有名なソニーセンター、ショッピングモール、無数のレストラン、ミュージカルシアター、ＩＭＡＸシアターなど大きな映画館もいくつか集まっている、観光客や市民でにぎわう場所です。ここにはフィルムミュージアムという施設もあって、その地階にある映画館ではふだん商業映画館では上映されないような外国の映画も見られます。ちょうど、九月に入って「日本ヌーヴェル・ヴァーグ（ジャパニーズ・ニュー・ウエイヴ）監督」特集が開かれているところでした。毎日、大島渚とか今村昌平といった日本ヌーヴェル・ヴァーグ監督による過去の映画を上映しているのです。日曜の晩に上映されたのは、１９６８年の大島渚監督による「帰って来たヨッパライ」　という映画でした（クリックすると映画の筋や写真が見られます）。知らない映画だけれど、どうせ時間つぶしなのだからと、入ってみました。大島渚監督の映画はこれまで二つしか記憶に残っていません。一つは、日本ではやばい場面のほとんどがカットされたりぼかしにされた「愛のコリーダ」。これをノーカットでこちらのテレビで（！）見たことがあります。カットされる理由はよーくわかりました。もう一つは彼が監督したフランス映画「マックス・モン・アムール」。この映画はよかった。（シャーロット・ランブリン演じる主婦が猿と仲良くなる話）。けれども、今回の「ヨッパライ」には二十人にもならないほどわずかな観客しか入りませんでした。私もこの映画のことは聞いたこともなかった。映画が始まってやっと、この映画のタイトルの意味がわかりました。　フォーククルセダーズの「帰って来たヨッパライ」という歌からきているのです。ひところ大流行した歌です（クリックすれば聞かれます）。この映画の主演も当時、クルセダーズのメンバーだった北山修、加藤和彦、はしだのりひこです。四十年前ですから、彼ら三人はまだ高校生みたいな感じです（今ではすっかりオジサンになっているみたいですね、当然だけど。私がすっかりおばさんなのと同じよね。自分の顔は見えないから、そういう自覚はないけれど）。映画は表面的にはドタバタナンセンス。かれら三人が演じる若者たちが、九州に密航してきた韓国兵と入れ替わらされて、警察に追われ、果ては韓国兵自身からも追われ、それを救いに美しい美女（緑魔子という女優演じる）があらわれ、さらにドタバタが続くという、なんだかわけがわからない話。ドタバタの中に、ベトナム戦争とか日本人と韓国・朝鮮の関係とかいったことが暗に示唆はされていて、なんらかの意味が込められているらしいのですが、なにしろ、演じる若者三人が、まるで子どもの学芸会のように（あるいはそれよりも素人っぽい）セリフを話すので、時には日本語が聞き取れず、ドイツ語の字幕を読んでやっとわかることもしばしば。見ていて（聞いていて）、とてもしんどい映画でした。笑うところもないし、ジーンとくるシーンもないし。唯一かっこよかったのが、若き頃の佐藤慶さん。男っぽくって、とっても素敵（その後も素敵でしたが）このブログを書くために、ネットでクルセダーズ三人のその後などを検索していたら、三人とも結構いい曲を作ったり、歌ったりしていたのですね。この映画の中で、美女にほれるヘナヘナ若者を演じる北山修さんは、「戦争を知らない子どもたち」などの作詞をされた後、精神科医になられ、現在は大学の先生なのだどうですね。映画の中での姿からは想像できません。こういうわけで、「ああ、先日のワイマールのカバレットといい、このところ娯楽ではついてないわ」と一人ごちながら、娘たちの家近くにある、待ち合わせレストランに向かいました。ところが、まだ十時前だというのに、その店はもう閉まっていたのです。娘たちが住んでいるところは、ベルリンの中心部近くの住宅地なのですが、当たりは暗くて、レストランや飲み屋が集中するところではありません。さあ、どうしよう、まだ彼らが到着するには、一時間半もあるし。玄関前にすわって待つのもいやだし、そもそも夕食をまだ食べていないことに気がつきました。とぼとぼと彼女たちの住まいがある建物を通りすぎ、「飲み屋が一軒でもあればなあ」と歩いていたら、昔ながらの「クナイペ」（ドイツの飲み屋のこと）がありました。近頃はどこもかしこもモダンでシックになってしまって、こういう素朴な椅子やテーブルとカウンターだけの、古めかしい飲み屋は姿を消しつつあるので、うれしくなりました。予想したとおり、店内は近所に住んでいるらしい常連客ばかり。毎晩、ビールを飲み、おしゃべりにやってくるおじさんたちが中心です。ちょうど、店を切り盛りするらしいお兄さんが、客を前に本を朗読してていたところで、一章を読み終わったところで、みんなが拍手。「暇つぶしにはちょうどいいな」とすわり、注文を聞きにきたお兄さんに「何か食べものちょうだい。腹減ったー」と言いました。店の奥に引っ込んだ彼が「今ある食べものはこれだけ」と持ってきたのは、ピーナツとクラッカーだけ。トホホ。これをボリボリかじり、リンゴジュースを飲み（アルコール分解能力が乏しいので、外では極力飲まないようにしています）、お兄さんが仕事の合間にする朗読に耳を傾けていました。すると、別の男性（客なのか経営者なのか不明）が通りすがりに「Ｉｓ　ｅｖｅｒｙｔｈｉｎｇ　ｏｋ？」の意味のことをドイツ語で聞いたので、「腹減っている以外はね」と答えたら、彼が家から持参したらしい野菜スープをレンジで温めたもの（常連客の３人にあげようとしていたらしい）の一カップを私にくれたのです。まさしく恵んでくれたという感じ。店内のほかのお客たちも、ニコニコと「哀れな」私をやさしく見守ってくれました。私は喜んで、一気にいただいてしまいました。トマト、玉ねぎ、ポテトなどの野菜のスープですが、辛口パプリカの粉がぴりっと効いて、とてもよいお味でした。そして、このスープは結局、サービスということで、私は飲み物（ジュースのほかに何か注文しなくちゃ悪いと思って、洋梨のスピリッツを注文したけれど、ほとんど飲まなかった）の料金プラスチップとして５００円余りを払っただけでした。娘たちがやっと到着して店を出るときには、店内のみなさんが暖かく「さよなら」を言ってくれました。こういう気さくさが、ベルリンのいい所なのよね。フライブルクじゃなかなかこうはいかないわ。またいつか、行こうっと。次の日はやぼ用のあと、ひたすらベルリン内を歩きました。これは公正取引されたエコ素材で作られ、しかもかなりファッショナブルな衣料を売るブティック（プレンツラウワーベルクのMarienburgerstr.39)エコ・フェアー・トレイドの衣料ブティック posted by (C)solar08下は、Prenzlauerberg地区にある、エコ食品（有機・無農薬農業）やエコ衣料を売る、二階建ての大きなスーパー。去年、ぴかままさんに連れて行ってもらって、初めて知りました。切干大根とかくず粉なども売ってますが、高いので買いませんでした。切干大根は自分で作ろうっと。大型エコ食品のスーパー posted by (C)solar08お昼は安いベトナムレストランで、ヌードルスープのフォーを注文。もやしとたっぷりのコリアンダーとチキン入り。幅５ミリぐらいの麺はおいしかったけれど、いまいち、スープのパンチに欠けました。ベルリンのフォー（４，９ユーロ、約６５０円） posted by (C)solar08それに、フォーにはライムが欠かせないことを確認しましたね。「ハノイではライムが必ずついてくるのに」と不満を言ったら、「ドイツじゃあ、出しても使わない人が多くて無駄なので、ライム付けてと言う客にだけ出す」という答え。そういうことは前もって言って欲しかったです。娘は会社の仕事が空けられないので、娘婿さんに午後は付き合ってもらって、首相官邸付近などをお散歩。首相官邸周辺の散歩道 posted by (C)solar08この辺りは川にそって緑が豊かで、市の中央とは信じられないくらい。東京の千鳥が淵あたりを忍ばせます。夜行列車が出る前に、娘とも落ち合って、三人で旧西ベルリン側にある、とっても小さな和食食堂で、天ぷら付きの手打ちウドンをいただきました。お寿司は前菜代わりに細巻きを三人でシェアしただけ。これは正解、えび天ぷらに限っていえば、フライブルクの高級和食レストランの天ぷらよりも、おいしかった。やっと、しっかり大きなエビが入った天ぷらが食べられたー！デザートには鯛焼き＋緑茶セット（２ユーロ、３００円ぐらい）。たぶん冷凍で仕入れられる鯛焼きを電子レンジで温めたのでしょうが、それでも「腐っても鯛！」久しぶりの鯛焼きに満足しました。

  2009/09/08

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  ワイマール（Ｗｅｉｍａｒ）の面白くないカバレット

  ワイマール、マルクト広場 posted by (C)solar08世界史で「ワイマール憲法」とか「ワイマール共和国」というのを習ったのを覚えていらっしゃる方、いませんか。このワイマール（Ｗｅｉｍａｒ，ドイツ語読みではヴァイマー（ルはほとんど発音しない））に行ってきました。ドイツ鉄道のパックで、一泊三日、ドイツの新幹線（っていっても、日本のほどはスピード出ない区間がほとんど）であるＩＣＥ（アイスではなくて、インターシティーエクスプレスの略）乗車券とホテル代込みで、一人２万円以下というオトクな料金で、このワイマールに行ってきました。ワイマールは旧東ドイツのテューリンゲンという州にある、人口６万人余りの町。ヨーロッパ文化都市に指定された、文化豊かで、美しい町です。ワイマール、観光用馬車 posted by (C)solar08ここの「呼び物」は、ゲーテとシラー。二人とも、この町に長らく住んだので、ゲーテハウスもシラーハウスもあります。町中どこでも、ゲーテ、ゲーテ（たとえばゲーテチョコレートとか）、シラー、シラー。ワイマール、客寄せ用のゲーテ人形？ posted by (C)solar08さらにここには作曲家のフランツ・リストも住んだそうです。市の真ん中の国立劇場前にある、ゲーテとシラーの有名な像に、今回行ってみたら、リストが後ろから顔をのぞかせていました。ワイマール、ゲーテ、シラー、リストの像 posted by (C)solar08観光客はびっくりしていました。私もびっくり。今回は三回目のワイマール訪問ですが、前回までは、ゲーテとシラーの二人だけ、リストはなかったからです。前に来たときに、観光名物である、ゲーテが住んだ家（屋内は写真禁止なので、写真なし、屋外は別にきれいではないので写真なし）やシラーの家その他の名所を見学しましたが、今回はそういうのはなしに、ただ町やその周辺を見てまわりました。ワイマール、市立図書館 posted by (C)solar08この市立図書館も、市の中心のマルクト広場にあるのですが、フライブルクの市立図書館なんかよりも、ずっと立派で中はモダン。おまけに、ここにはコインロッカーがあって、しかもお金は戻ってくるしかけ。トイレも清潔で、誰もが入れます。さらに、カフェの日替わり定食は、ちょっと学食の定食に似たもの（この日は魚、ライス、サラダ）で、四百円ぐらい。コーヒーもケーキも安くておいしくて、観光の拠点に使えそうでした（本は借りないのに）。ワイマール、公園のブランコ posted by (C)solar08市の中心には、広い公園もあって、散歩も楽しめます。公園の一角、児童の遊び場にあった、ブランコや木のサイが可愛くて、おもしろい。ワイマール、公園にある木製のサイ posted by (C)solar08これは巨大な椅子。ビルの二回ぐらいの高さがあります。ワイマール、巨大な椅子 posted by (C)solar08ワイマールの良さは、小さい町なのに、ゲーテ・シラーの歴史や文化都市・観光都市としての存在を反映して、市内のあちこちに大小の博物館や劇場があること、また衣服その他のブティックもたくさんあること。もちろん、大型スーパーも進出しているのですが、まだまだいろいろ工夫をこらした小売店があります。こういう小さいお店ががんばることが、市の中心部の活性化につながるのでしょう。下はすてきな花屋さんの椅子です。ワイマール、店先で見かけた椅子の植木鉢 posted by (C)solar08それで、せっかくだからと、小劇場でカバレット（政治や社会を風刺して、観客を笑わせる講談や漫才みたいなもの）を見る（聞く）ことにしました。プログラムで見つけたのが、小さなカバレット劇場。ちょうどこの日には政治カバレットがあるというので、出かけました。ワイマール、カバレット小劇場 posted by (C)solar08入ると、むっつりした男性が飲み物を売っていました。客席にもテーブルがあって、観客は飲みながら観賞できるからです。お客は全部でたった十人余りでした。これはなんだか雰囲気悪いなあ、とひそかに思いました。上演開始の午後八時になると、先のビールや切符を売っていた男性が、おもむろに、さっきわたしたちが入ってきた入り口のドアを閉めて、内側から鍵をかけました。「ウッ、わたしたち閉じ込められた」それから男性は客席から舞台を通って、舞台裏へ姿を消しました。鍵がジャラジャラいう音が聞こえてきます。しばらくすると、彼が舞台に登場しました。舞台上の小さな椅子にすわると、政治について、解説するみたいな口調で話しはじめました。言っちゃ悪いけど、彼の顔は面白みがないんです。口調も面白みがないんです。話も新聞・雑誌・ニュースで知っていることばかり。肝心の風刺のポイントは、たまにクスっとぐらいはできても、笑えるほどには面白くはないんです。同じツマラナイ冗談でも、プレゼンテーションのしかたや、する人のそぶりや口調によっては面白くなったかもしれないけれど、このむすっとした顔の人が紋きり型の口調で、ただ話しても、笑いようがないんです。たぶん、覚え込んだセリフを、やっとのことでくりかえしているだけなのでしょう。十分たつともう苦痛でした、聞いているのが。ちょうど学校や大学のつまらない授業のようです。授業なら、眠ってしまうという手があるのですが、眠るほど眠気にはおそわれないので、話を聞いてしまい、ひどい冗談（冗談にもならない冗談）にしらけてしまうのです。客席は静まりかえっています。感動して静まりかえるのではなくて、心の中でみんなイライラして静まっているという感じ。落語家やお笑いの人が、新米のときに経験する雰囲気かもしれませんね。三十分たったところで、いったん休憩となりました。講談師は入り口のドアの鍵を開けました。そしたら、前列にすわっていた六人のお客、すべてが出て行って、そのまま戻ってきませんでした。残るは数人の客だけ。講談師も辛かったでしょうが、わたしたちも辛かったです、後半を聞くのが。ついに、辛い授業のような一時間が過ぎて、ほっとして、劇場を出ました。あのあと、あの男性、一人泣きしたかもしれません。本当は言ってあげたかった。「あなたはカバレットには向いていないわよ。早いところ商売変えした方がよい」と。今回の体験で。何事も努力で成功させることができるはずとはいえ、あることに向いてない性格とかそぶりとか外見というのはあるのかもしれない、と見方が変わりました。そう考えると自分のことも反省してしまいます。私のしていることも、自分には向いていないことなんだろうな、と。いまやもう遅いですが。それとも、そういう私の考えがまちがっていて、この人だって、もっと経験をつめば、ただ覚えたことをくり返すのではなく、楽しげに、余裕をもって、「演じられる」ようになるのかもしれません。彼のためにはそうなることを願ってしますが。

  2009/08/27

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  ロンドンでの冒険

  昨晩、眠れなくて、つらつら色々なことを考えているうちに、なぜか突然、二十年以上も前に、幼い娘といっしょに、フライブルクから出かけて行ったロンドンでの冒険（体験）を思い出しました。当時、一応身分は学生で、お金もなかったので、ロンドンではホテルに泊ることなどできませんでした。それで、まずはロッテというドイツ人の女性の家に一泊させてもらい、次にロッテの友だちの、女性教師の一部屋アパートがしばらく空くというので、彼女の家に数泊（知りもしない人だったのに、泊らせてくれた）。そして、この彼女が戻ってきたときには、彼女のまた知り合いのドイツ人男性に連絡してくれて、そこに泊めてもらえるということに。ここから冒険というか体験のはじまりです。住所と地図をたよりに娘の手を引いて、下町みたいなところに歩きました。もうあたりは暗くなっています。中国人が経営する小さなお惣菜屋で夕食を買って、さらにトボトボ。住所どおりのところにやっと着いたのですが、門というか木戸には表札も名前も書かれていません。ほんとにここでいいのかしら？不安だけれど、もう暗くなったことだしと、呼び鈴らしきものを押しました。長く待って、やっと出てきたのは、やせてちょっと頭がはげかかった中年にさしかかったドイツ人でした。名前はヨハンだったかな。いきなりやってきた見ず知らずの母娘を彼は、まったく当たり前というように中に招き入れてくれました。古い家で、キッチンのほかに何部屋かあるようでした。「実は僕たちは、この家を“占拠”、無断で使ってるのさ。だから、警察が来たら、すぐに隣の家に移れるようになっているんだ」と、彼はこともなげに、逃げ方を教えてくれました。ヨーロッパの家は、隣の家どうしと壁がぴったりくっついていることが多いので、その壁（石）をぶち抜いて、隣の空き家に行けるようになっていたのです。不思議なことに、そんなことを聞いても、恐いと思ったわけではないんですね。「フーん、なるほど」なんて納得しちゃったりして。ヨハンはこの家の一部屋だけを使っているようでした。大きな部屋には大きなベッドとソファーだけ。彼はしきりに咳をしています。タバコのすいすぎで肺だか気管支炎を痛めたのだとか。いわゆるインテリあがりの失業左翼みたいな男性で、昔は大学に通っていたけれど、今は左官職人だとか。お茶をいただいて、いろいろな話をしていると、「ヤー」と言って、若い日本人男性がやって来ました。ロンドンで暮らしていて、この家の地下にドラム一式を置いていて、ときどき叩きにやってくるのだそうです。彼を交えての話がどんなんだったかは、まったく覚えていません。夜も更けてきて、娘を寝かさなければなりません。「わたしたち、どこで眠ったらいいのかしら？」とヨハンに聞くと、「僕はソファーで眠るから、君たち僕のベッドで寝ていいよ」と言います。そのときも、「エー？」とか思わず、「ああそう、ありがとう」と言って、まず娘をねかしつけ（娘もまた、それが当然みたいに、すやすやと眠りました）、わたしもあとからベッドに入りました。ドイツでも知人仲間は当時みんな学生でしたから、かなり変わったというか、知らない人でも来たら泊めてあげるのが当然みたいな人たちと付き合っていて、こういうこともあまり不自然に思えなかったのです。ただし、かの日本人男性はいっこうに帰る様子はなく、アルコールを飲みながら、相変わらず話しつづけていて、その声で、私は眠ることができませんでした。そのうちに「カーナビス」を吸う匂いもただよってきて、ますます眠れません。カーナビスはドイツ人の友だちも当時はジョイントをしていた人がいたので、香は知っていたわけ。オランダのユースホステルでもこの香がよくただよってきてました。やっと日本人男性がいなくなったと思ったら、地下室からドラムズを叩く音が聞こえてきて（真夜中です！）、しかも、ソファーで眠っているヨハンがしょっちゅう咳をするので、ほとんど眠ることができませんでした。翌朝、キッチン兼食堂に行ってみると、そこにはアメリカ人の若い陽気な娘と、もう一人、やはりここで「占拠」しているドイツ人男性がいました。どうやら、このドイツ人男性は昨晩どこかで彼女らと知り合い、自分のところに「連れ込んだ」ようです。かれらもまたアッケラカンとしていて、アメリカ人ギャルたちは、まるでもうずっとここに住んでいるかのようにふるまって、「ヨハン、トーストはいかが」とか私にお茶をすすめてくれたり。ものすごい旧式のトースターがあって、ヨハンは「トーストするってことはsophisticated matterなんだよな」などとわけのわからない冗談を言ってみたり。今思えば、当時はまだああいうちょっとインテリで何もしないような人たちがかなりいたもんです。あの人たちはみなどうなったのかなあ。ヨハンのベッドを取り上げてしまうのは申し訳ないのと、ここでは眠れないので、次に、もう一人、先の女性教師から教わった別の人をたずねました。バスから降りると、ちょうど直径一センチ以上のあられがふってきたので、痛いこと、痛いこと。雨宿りする屋根もなく、娘をかばうのでいっぱいでした。たどり着いたところは、有色人が住民のほとんどらしい地区でしたが、その知人の知人は、古風なきちっとした家に曲がりをしている、まさしく若い紳士といったところで、学者の卵。自宅にいるのにネクタイをしめて、髪もぴたっとなでつけていて、ヨハンとは対照的な人物。彼が「夕食をご馳走する」と言ってくれたので、ご好意に甘えることになりました。でもね、そのいかにもジェントルマンの書斎みたいな格調ある部屋で、出てきたのは、カリフラワーのミルク煮みたいなものだけ。これだけよ！しかも、しかも、その味のまずいこと。カリフラワーのミルク煮は、子どものころ、母親が朝食でいつも作って飽き飽きしていたのですが、母親のはこんなにまずくはなかったわ。この男性とわたしが英語で話していると、娘（当時はドイツ語はできても、英語はできませんでした）がとつぜん、日本語で「おかあちゃん、このご飯まっずいねー」と叫んだのです。ジェントルマンは不審げな顔をして、「彼女はいま、なんて言ったの？何かトラブルでも？」と聞くではありませんか！とっさにもっともらしい作り話もできず、「いえべつに、たいしたこと言ってません」とか何とか、ごまかすのに苦労しました。娘がまだ英語ができなくて、あーよかった！ここの家も居心地が悪く、結局、あと一泊はどこかのホテルに泊って、そそくさとフライブルクに戻ったのでした。それでもロンドンでは大英博物館で娘は感激して、くわしく見てまわったし、ある教会で、わたしの好きなフォーレの「レクイエム」のコンサートを聴くことができたし（娘に大量のキャンディーをあたえて、わたしの膝で静かにするよう言い聞かせました。おとなの聴衆よりも静かだったのは偉い、と今頃ほめたくなります）、こういう団体旅行ではできない体験ができて、幸せだったのです。でもね、噂どおり、ロンドンはうまいものがなかったですねえ。たぶん高いレストランは別なんでしょうけどね。おいしかったのはチャイナタウンの小さくて不潔っぽい中華料理屋とか、あとはインド料理かな。ピッツァまで（トイレを借りるために入った）がものすごくおいしくないので、びっくりしました。高いばっかりで。ところで、どうしたこんなことを今頃思い出したのか、思い当たります。キーワードは「占拠」。次回はその関係の別のお話をします。

  2009/07/12

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  ベルリンの粉屋さん

  一昨日まで１０日間ほど、ベルリン、ゲーリッツ（一年前の日記「ゲーリッツのヴェラ」で詳しく書いた、ポーランドと国境を接する美しい町）、エルツゲビルゲ（ドレスデンの南にある山脈）にある、小さな村ビーネンミューレに出かけていました。これまでパン用の色々な粉は、インターネットで見つけたベルリンの粉屋さん、Mehlstuebchenから取り寄せていました。わたしが見つけた限り、唯一、フランス製のバゲット用の粉を売っているからです。この店は有機栽培のさまざまな粉も売っているので、ライ麦、スペルト小麦、小麦、パン用のスパイスなどもついでに取り寄せていました。値段は、市販の二倍以上になるのですが、安心でおいしいのと、粉を買って運ぶ手間がないのとで、毎回、まとめて買っていたのです。それでも、難は運賃！運賃だけで、数キロの粉が買えてしまうことを考えると、くやしくて（根がケチなので・・・）。ところが、この粉屋さん、偶然にも娘夫婦が住んでいる家のすぐ近くだということが一年ぐらい前に判明しました。場所は、Schoenebergという西側の地区のLeberstrasse。それで、今回やっと店を訪ねてみました。Berlin, Mehlstuebchen posted by (C)solar08ここは小さくて、気さくで、店員の笑いが絶えない、可愛いお店。この日は、ふだんは警官だという男性も、どういうわけか店員のようなふりをして、客とおしゃべりばかりしていました。粉のほか、自家製のパンも売っていて、店内でコーヒーを飲みながら、焼きたてのパンをいただくこともできます。この店がパン焼き教室を開いていると聞いたので、店の人に、「誰が教えるのですか？」と聞いてみました。「私よ」と答えたのは、若い女性。それで、いつもの悩み、バゲットのクープとか気泡のことを打ち明け、店頭に出ているバゲットを指さして、「こういうクープ、どうやって開けるの？、どうやって成形しているの？」と矢継ぎ早に質問しました。ところが彼女曰く「ああ、これはオーブンがやってくれるのよ。特定の場所に熱を当てるみたいよ。成形っていっても、ただグルグル巻くだけよ。気泡？クープ？私だって、家のオーブンでは気泡なんて出ないわよ」というタメになるお答え。がっかりしましたね、正直言って。まあね、この店は形にこだわらないものとみえ、バゲットのクープはぽっかり開きすぎて、となりとつながっているものもありました。カンパーニュも写真を見てのとおり、日本人のみなさんがお焼きになる完ぺきな外観とはくらべようもないです。Mehlstuebchenのパン posted by (C)solar08でも、さすがプロ。コーヒーといっしょに食べたクロワッサンは形も味も完ぺきでした。今回は連れの車で来ていたので、運賃節約のために、粉の買いだめをしました。気がついたら、二十キロ近くの粉を買っていました（それでも四千円余りですから日本よりは安いでしょうね）。でも、無計画に買ったので、やたらバゲット用のタイプ６５（バゲット用はこれしか手に入らないのです、ドイツでもフランスでも）が多いことに気がついたのは、フライブルクに戻ってからです。ああ、これからバゲットばかり焼くことになりそう。フォカッチャ用のミックスも試しに買って、焼いてみました。これはバゲットとちがって、気泡もたっぷり、簡単に焼けるのでびっくり。フォカッチャ posted by (C)solar08でも、このパンは柔らかいので、ドイツ人向きではないようです。「チャバッタの方が固くておいしい」と言われてしまいました。そうですね。歯にはやさしいけれど、フワフワパンは何だか歯ごたえがなくて、噛みしめて味わうには、もの足りないのは確かです。というわけで、非常食用に冷凍庫行き。今はまた、ライ麦とスペルト麦とクルミで、ライ麦サワー天然酵母パンを焼いています。代わり映えがしませんが、結局、ここに戻ってしまうのです。やっぱり課題はバゲットですね。あああ。

  2009/06/24

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  感動の一言「時間だな」

  三月はじめのある日、徳島県阿南市の柳島町にある自然スクールTOEC（トエック）を訪問しました。トエック（TOEC）農園と「校舎」 posted by (C)solar08空は雲でおおわれ、冷たい風が吹く中を、田んぼのあぜ道を歩いていくと、何人かの子どもたちが、まだ何も生えていない田んぼの中でころげまわってい遊ぶ姿が見えました。田んぼのほかに、野菜畑や果樹園も見られます。手前には木造の小さな平屋の家があり、小さな子どもたちの声が聞こえてきます。縁側からのぞくと、４、５歳の子どもたちが、絵の具で絵を描いたり、工作をしている姿が見えました。小道の奥には、もう一つ平屋の家があります。広い土間、三十畳ぐらいの大きな部屋、同じく広い物置からなるこの建物が、自由な学校の校舎。土間では、数人の男の子たちが、熱心に泥をこねたり、かなづちやのこぎりを使って、板切れから何かを製作しています。その間を一輪車で動く女の子たち。お座敷では、女の子や男の子たちがテーブルで書いたり、描いたり、作ったり。「外人」連れの私たちの姿を見ても、子どもたちは不思議そうな顔もせず、ごく自然に「こんにちは」と声をかけてくれます。一人一人が自分の興味で活動（TOEC) posted by (C)solar08「やあ、いらっしゃい。長靴を用意しときましたから、まず靴をはきかえてください」と物置に案内してくださったのは、NPO法人自然スクールTOEC、TOEC幼児フリースクール（自由な幼稚園）、TOEC自由な学校（小学校）の設立者で代表のタツロウさん。見れば、スタッフのみなさんはみな長靴とアノラック姿。これなら、ぬかるみにも田んぼも入っていけます。「田んぼで遊んでいた子どもたちは、自分たちで薪でたいたお風呂に入ってたんですよ。風呂焚きが好きでねえ」とタツロウさん。お座敷にあがると、スタッフの女性が子どもたちが作った絵本を見せてくださいました。「昨日は絵描きの方が見えて、子どもたちは刺激されて、絵本づくりをしているんです」とのこと。コラージュや絵を組み合わせて、楽しい作品ができつつあります。子どもがつくった絵本の１ページ（TOEC) posted by (C)solar08タツロウさんにお話をうかがいながら、５０００坪の農園や果樹園、幼児フリースクールを見せていただきます。「この建物は解体で出た廃材や家具をもらってきて使ってます。お古ばかり」「ここでは授業はしないのですか？」「カリキュラムのようなものはありません。毎日、朝のミーティングで子どもたちもスタッフも今日は何をしたいかを発言して、それぞれが好きなことをするのです。スタッフはそれを見守り、ささえます」「中学校に行ってから、授業についていけるのですか？」「それがおもしろいことにねえ。ふつうの学校の子どもよりもついていけるみたいですよ。市立の図書館で本を借りる子どもの数では、ここの子が一番です。」子どもたちは自分の関心に応じていろいろ活動していくうちに、字を覚え、算数を身に付け、自分自身で考えて何かをなしとげることを養うようです。「博士みたいな子どももいてね。化学の知識では大学生みたいすよ。」トエックの基本は、子ども一人ひとりをありのままを受け入れ、ほめたり叱ったりで子どもをしつけたり、条件づけたり、強制したりしないこと。そしてなにより、「自然と遊び、自然から学び、伸びやかに生きさせてあげる」こと。「幼児フリースクール」の家では、昼食がはじまっていました。ちょうど来ていた一人のお父さんも子どもたちに混じって、食事中です。幼児も手伝いながら、スタッフがつくる昼ごはんは、この農園で子どもたちもいっしょになって無農薬で育てたお米のご飯、おみそ汁、野菜と鶏の煮物、ワカメ、菜の花のおひたし。一つ一つがちゃんとした瀬戸物の食器で出されています。とても健康でおいしそうで、密かに「早く食べたいなあ」と思いました。小学生たちの過ごす家に戻ると、やさしいスタッフのお姉さんが「じゃあ、そろそろお昼にしましょうか」とおっしゃいます。部屋の端のテーブルには炊飯器、みそ汁や煮物の入った大きなお鍋、食器がならんでいます。遊びが一区切りついて食べたくなった子どもたちが、自分で食器にご飯やおかずをよそって、食卓に運んで食べ始めます。いっせいに食べるのではなく、お昼の一定時間内の好きなときに食べるのです。それでも、友だちといっしょに食べたい子は多いらしくて、数人の子どもたちがスタッフの一人と食卓を囲んでいました。野菜たっぷりの昼食（TOEC) posted by (C)solar08タツロウさんの向かい側で私たちも食事をいただきました。野菜もご飯もおいしい！食材を生かしてあっさりした味付けがなんともいえません。「野菜づくりにも子どもたちが参加するので、みんな食物を大事にしますよ。お茶の木の葉をつんで、お茶づくりもしました。」とタツロウさん。一人の女の子（六歳）が食事をもってきて、タツロウさんの隣にちょこっとすわって、食べ始めました。もう、ほとんどの子どもは食事を終わって、遊びはじめていましたが、この女の子は遅めの今が食事の時間というわけ。ドイツ人の「連れ」が（失礼にも！）カメラを向けると、いやな顔もせず、かといって「ピース」などといって媚びることもなく、まっすぐにカメラを見つめました。その姿がなんとも自然。タツロウさんが「キャンプで、若者が小さなことでも自分で決められないのには驚きますよ。あるとき食事していて、学生が『先生、鍋のふたはどこに置いたらいいんでしょう？』って聞くから、『どこだっていいよ』って言ったら、床の上にじかにふたの内側をべたっとつけて置いたんですよ。『なんでよりによって床に？』って言うと、『だって、どこに置いてもいいっていうから』と言うので唖然としましたよ」と愚痴ります。昨今、似たような話をよく聞きます。みそ汁があまりおいしいので、おかわりをすることにしました。ぶしょうな私は、鍋のふたを適当に食器の上にあぶなっかしくたてかけました。すると、食べ終わった食器を洗っていた男子が、さっとふりかえって、場所を空けてふたをちゃんと置きなおしてくれたのです。その気遣いの細やかなこと。私は恥じ入ったのでした。ここでは子どももスタッフも、とても気配りがきく人ばかり。相手が必要としていることを、さっと感じ取って、言われない先にするのです。自分が自由な行動をするためには、他人への思いやりは欠かせません。それを、毎日の自主的な生活の中で、はぐくんでいるようです。「じゃあ、そろそろお話をみんなで聞きましょうか」というスタッフの声で、１５人余りの小学生たちが、畳の部屋に集まってきました。唯一の暖房である火鉢の隣が、私のための「上席」。その前には、私が書いた本が並べてくださってあります。これもスタッフの気配り。目の前にずらりとすわり、無駄口も聞かずに私にまっすぐに目を向ける子どもたちを見て、どんな講演のときよりもドギマギしました。というのも、この子たちに「環境を大切に」とか「自然を守りましょう」などという念仏はすぐに見透かされてしまうからです。彼らこそが私よりもはるかにたくさん、自然と付き合い、自然から学び、自然を愛しているのは、それまでの数時間でよくわかりました。ふつうの学校で環境教育の話をしたことは何度もあるのですが、ここでは、毎日の生活が環境教育を実践しているようなもの。私などが、えらそうなことを言うわけにはいきません。それで、子ども時代に薪のお風呂（東京のど真ん中でです！）を炊いたこと、お風呂が週一回だったので足が真っ黒で「クマのようだ」と先生に言われたこと、家には火鉢だけしかなかったこと（子どもの中に、湯たんぽを暖房にしているという子がいて、感心しました）、ミミズで遊んだこと、大学時代に哺乳類の生態を学んだこと（ここでも、哺乳類がなんだか説明できる子がすぐに手をあげました）、ドイツのある学校で、ミミズをクラスで飼い、ミミズが食べられないもの（プラスチックとかアルミなど）は悪いゴミということを子どもに心で実感させる環境教育を実践したのこと（ある子がすぐに、このことを書いた私の本のページをさっと開けてくれました）などを、つたない言葉で話しました。一時間近くも話したのに、子どもたちはざわつきもしません。一人の子はスタッフの女性に膝まくらしてもらって、寝そべっていますが、顔はしっかりこちらに向けて聞いてくれています。「ドイツの童謡を聞かせて」というスタッフの言葉に、連れが「Alle meine Entchen・・・」を歌いました。このメロディー、実は「コギツネコンコン、山の中」なんです。そう、この歌の原曲はドイツ発祥なんです。ここからが、実は一番書きたかったことです。子どもたちに「ふつうの学校とちがって喧嘩やいじめがないようだけれど、もし喧嘩になったら、それをどう解決するの？」と聞いてみました。すると、六年生の男子がぽつりと「時間だな」と言いました。頭の悪い私たちは、「？　どういう意味？」とポカーン。すると、膝枕してもらっていた男の子が「それはね、喧嘩をすると相手の顔をしばらくは見たくないから、おたがいから離れるでしょ？そうやって時間がたつと、いつのまにか喧嘩のことは忘れるでしょう？だから、時間が解決する、っていう意味」と、とてもわかりやすく教えてくれたのです。なーるほど！スタッフの女性も、「暴力を止めはしますが、私たちが仲裁をしたり、どちらかが悪いとか、あやまりなさいなどと判定を下すことはありません。両方の話を聞いてあげ、怒りやくやしさを受け止めてあげるだけです」とやさしく説明してくれました。この子どもたちにして、このスタッフあり。ほかのことでも、、子どもたちがしっかり自分の言葉で筋道を立てて発言するのには驚きました。大学生より成熟している！タツロウさんはすばらしい子どもたちとスタッフに恵まれて、幸せな方だなあ。こういう学校ならぬ学校が、もっともっと増えればいいのに、と思わずにはいられませんでした。トエックはフリースクールのほかに、週末や夏休みに一般の人（子どもも）を対象としたキャンプも行っています。そこでもコンセプトは同じ。無人島や川の美しい自然の中で、子どもや親が自由に自分の力で好きなことを伸び伸びとするキャンプです。

  2009/03/21

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• 日本はおいしかった

  ただいま！というのも変ですかね。日本から戻ったのだから、ドイツ側から見ればただいまなんですが、日本から見ればさよならですよね。ともかくも、昨日３月１８日に成田を発って、こちらに戻りました。昨晩の夢の中ではまだ日本にいて、目が覚めて、自分がどこにいるかわかりませんでした。２月１５日にこちらを出て、１６日に東京に着いたのですが、寒いのにはびっくり。これならトレンチコートではなくて、ダウンジャケットを着ていけばよかった。翌日はまずは仕事。丸の内にあるエコッツェリアで開催された企業の方向けの環境セミナーのような催しで話をさせていただきました。この催しでは、農林水産省の方のお話が印象的でした。日本の食物自給率の低さ、農業の重要性、そして、日本人が残す食物の膨大な量。みなさーん和食をしっかり食べましょうっと呼びかけたくなりました。それから、寒さを逃れてグアム島で十日余りをのんびり過ごしました。グアム島は噂どおり、日本人でいっぱいなんですね。ちょうどドイツ人にとってのマジョルカ島のようなものです。ここでは、いまさらながらドイツの物価の安さを実感しました。なんでもドイツより高いです。グアムでも日本でもホテル住まいで一ヶ月余りを過ごすとあって、経費が馬鹿にならず、せめて食費ぐらいは節約しなければなりませんでした。そんな私たちに、コーヒー一杯５ドルは痛かったです。アイスクリームはドイツの数倍。節約のために、毎日、ヒルトンホテルに通ってそこのバイキングランチ（これはお薦め、１８ドルで新鮮なエビや魚、野菜も果物が食べられます。ほかのホテルのもっと高いバイキングよりも質が上等です）をお腹いっぱい食べ、密かに持ち帰ったパンを翌朝の朝食にするという姑息な方法を使いました。グアムで驚いたのは、日本人の若い人たちがブランドショップにあふれていること。不況って本当？と思えるくらい。みなさんお金持ちなのか、お金をためて来ていらっしゃるのか。三月はじめに東京に戻り、四国に出かけました。お目当ての一つは、徳島県の阿南市にあるトエックというフリースクール・幼稚園の見学。田んぼの真ん中にある自由な学校です。ここの子どもたちには心底感激しました。一斉授業はなくて、子どもたちは思い思いの活動をするのですが、その集中力、創造力、根気、自主性には感動しました。これについては、別にくわしく書きます。徳島から室戸岬を経由して海岸沿いの景色を楽しみながら、高知市に移動しました。高知は大好きな町です。たまたま町をあげてのお祭りをやっていて、広場に様々なブースが出ていて、ゆずのジュース、いわなの炭火焼きなどを楽しみました。各地区のよさこい節の踊りグループの発表や、ヒップホップとブレークダンスの「バトル」も見ました。ヒップホップもブレークダンスもこれまで見たことはなかったのですが、子どもも混じったグループも含め、みなさん、ものすごく上手なので、ついに終わりまで見てしまいました。踊っていた若者から「ブレークダンスはドイツでも盛んですよ」と言われましたが、そんなことも知りませんでした。いやー、かっこいい！高知市の日曜市場もすてき。新鮮な野菜や果物が安くて、文旦が何キロも入った大きな袋が３００円。キュウリの山盛り（日本のキュウリはドイツのとちがって細くて小さくて香がいいのでおいしい）が１００円。思わず買ってしまいました。高知に来るまでの道路上でポンカンを買ったら、おまけといって、さらに大きな袋のポンカンとデカポン（これも知らないかんきつ類でしたが、おいしいですねえ）を大量にくれました。というわけで、毎日、毎日、ジュースの代りにかんきつ類をひたすら食べました。新鮮で安くておいしくて、感激しまくりました。それでも食べきれず、最後には文旦を六個ぐらいレンタカー屋のおじさんに受け取っていただきました（もったいなかったなあっと未練がましい私）。高知の四万十川沿いを走ったときには、快晴に恵まれ、ウグイスがあちこちで声高にさえずっていました。桜はまだでしたが、それでも春の気分にひたれました。その後、フライブルクの姉妹都市、松山をまわってから新幹線で東京に戻りました。そしてまた一つ仕事。「地球の友」という環境団体の勉強会で、ドイツ人の経済専門家と私が話をしました。「気候変動防止」とか「グリーンニューディール」とか固いテーマなのに、五十人以上の方がいらして下さり、話の後にもたくさんの質問が出て、その熱心さには驚きました。これ以外は旧友と食事をしたり、日比谷公園を散歩して「日比谷パレス」のランチ（野菜のビュッフェがおいしい）を食べたり、浅草の河童橋に出かけたり。戻る前の一日、ちょうど快晴になった日に、去年と同じく鎌倉に出かけました。私はこの町が大好きです。森も海岸も近いし、町が落ち着いていて、すてきな散歩場所がいくつもあって。八幡にいたるまでの、小さなお店が並んだ道も好きです。どういうわけか、この道沿いの「洋品店」には、どこでも１０００円のTシャツとか３０００円ぐらいの大胆なデザインのベストが並んでいるのが、目をひきました。日本での数週間、とくに高級なレストランで食事をしたわけではないし、ときにはファミレスにも入ったのですが、日本の食事はどこでもおいしいですねえ。まず、その多種多様なところがすごいですね。和食といっても、色々なタイプの和食があるし。若い人が多く見られる、洋風と和風の混ざったような店（こういうの居酒屋っていうんですか？丸ビルみたいな大きなビルの上階にあるモダンな和風の構えの店）では、工夫を凝らした色々なお料理（焼き飯みたいなものにイクラが乗ったのとか、玉子焼きのチーズグラタンみたいものは初めて食べました）に出会いました。去年、日本に行ったときには見られなかった料理も。食材もそうで、ベビーリーフと名づけられたサラダ用の野菜は前にはなかったなあ。そう、日本はパン以外の食物はなんでもおいしいですねえ。徳島の鳴門にある、ドイツハウスというところに行ったのです。そこのショップで売っている「ドイツパン」は見かけは茶色でライ麦も入っていて、ドイツパンぽいのですが、ドイツ語で展示のガイドをしてくれたドイツ人男性も言うとおり、日本人の口に合うように「モディファイ」されていて、押すとフカフカしていました。「本場の」ドイツパンは顎に力を入れないと噛めないです。こうして、おいしい日々はあっという間に過ぎていったのでした。昨日、こちらに戻り、今日は洗濯と食料の買出しをしたあと、冷凍してあったライ麦天然酵母の元種に水とライ麦粉を混ぜて、目を覚ましてもらっているところ。まだ、宙に浮いているような時差ぼけ状態なので、めちゃめちゃ文章ですみません。まぶたがふさがりそうに眠いので、ここらでお仕舞いです。

  2009/03/19

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• しばらく留守にしまーす（日本への旅）

  今日もまた雪です。明日、列車走るかなー、飛行機ちゃんと飛ぶかしらん？というのも、明日こちらを出て、しばらく日本その他で過ごす予定だからです。まず、東京で一日だけ仕事をしてから、別の国にちょっと出かけ、三月はじめに四国にお邪魔してから、またま東京に戻り、仕事をします（パンばかり焼いているわけにもいかず、たまには仕事も）。仕事の一つは、三月十三日にエコギャラリー新宿（西新宿の公園の中）で、午後六時半に始まる催し物で、ちょっとしたレクチャーというか、エコのお話をすることです。主催は地球の友ジャパン（Frend of Earth)。ドイツの大きな環境団体、BUNDも地球の友の一つです。イベントでは、このBUNDの経済専門家で現在京都にいらっしゃる方もお話なさる予定です。「グリーンニューディール」というタイトルがイベントにつくかもしれませんが、私が話すのは、いつもブログに書いているような身近な内容です（ブログが役に立った）。本当はパンとか料理の話がしたいんですけど、そうも行かなくって。「イベントは一般公開ですので、どなたでもご参加できます。近いうちにFoE JapanのＨＰ（http://www.foejapan.org) に開催案内が出ますので、そちらからお申込みいただけますと幸いです。」と開催者の方がおっしゃっていますので、もしご興味がおありなら、いらしてください。というわけで、こちらに戻るのは３月１８日。この間の留守番・見張りは隣人に頼みました。こういうとき、階の上下に人が住んでいるというのは、安心（？）です。私は旅にはパソコンも持たず、ネットカフェにも行かないので、この間、ブログは読むこともご返事することもできません。明日の朝（日本の日曜の午後）が最後。これ以後は音信不通ですので、失礼があるかもしれません。お許しください。スパムがたまるであろうことが心配。まだ荷造りもしていない（スーツケースなし、おみやげゼロ、機内持ち込み荷物だけで出かけます）のに、今はまたクロワッサンを焼いています。帰ってきたときに食べられるように冷凍保存をするの。では、また後ほどー！

  2009/02/14

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  テネリフェ島

  バーゼル空港からの離陸時に窓から見えたスイスアルプス posted by (C)solar08十一月はドイツで一番いやな季節。どんより曇る日が多いし、寒くなるしで、気分がめいります。いやなことに立ち向かわずに逃げてしまう軟弱な私は、一週間ばかりスペインはカナリア諸島の最大の島、テネリフェに出かけました。カナリア諸島はスペインに属していますが、位置的にはアフリカに近い島です。テネリフェ島はドイツ人にとって、日本人にとってのハワイやガムに当たるかもしれません。飛行機で四時間で手軽に行けるのと、一年中、気候がほぼ２０度から３０度弱で安定しているからでしょう。旅行に行くだけでなく、住み着いてしまうドイツ人もたくさんいます。島にはドイツ語の新聞もありますし、ドイツレストラン、ドイツパン屋、ドイツ飲み屋も軒並みにあり、多くの現地人がドイツ語を話せます。私も今回はもう六回目。この島では、泥棒というか家宅侵入者とワインを飲む羽目になったりなどの冒険（この出来事については、こちらに書きました）もしましたが、行くたびにほっとする島です。テネリフェは火山の島なので、ふつうの細かい砂の浜はほとんどありません。それで、島の南側にははサハラ砂漠から運ばれた砂で浜辺がつくられ、海岸沿いに大小の観光ホテルが密集して立ち並び、「ぞっとするような」景観を呈しています。多くの観光客はこちらに滞在するのですが、私たちはいつも、島の北西に位置するプエルト・デ・ラ・クルーズという町に泊ります。ここの海岸のほとんどは切り立った岸壁すが、ところどころの入り江に黒い砂（火山灰）の浜があり、泳いだり、サーフィンを楽しむことができます（私ははできませんが）。でも、いつも思うことですが、ヨーロッパ人の海岸バカンスって、泳ぐよりも浜に一日中寝そべるのが目的みたいなんですよね。もう、こんなに茶色なんだからいいじゃん、って言いたくなるぐらいなのに、ブラをはずしてまで、茶色になろうとするあの意気込みはなんなんでしょう。テネリフェ島、Ｐｕｅｒｔｏ　ｄｅ　ｌａ　Ｃｒｕｚの入り江の海岸 posted by (C)solar08それはともかく、今回の旅行で印象に残ったのは：１．フライブルクでもほかの観光地でも、街角で、仮装して顔もべっとり塗りたくって、肖像のようにじっと立っている人をよく見かけます。眉一つ動かさず、瞬きもしないので、一瞬、肖像なのかと思うほどじっとしています。足元にお金を入れる容器が置かれていることから、この肖像が生身の人間だとわかるだけ。いっしょに写真を撮ってもらう観光客もいますし、子どもが肖像の洋服を引っ張ったり。そういうときには、肖像がとつぜん、ニヤッと笑ったり、さっと手を出したりして、観光客の笑いをかいます。私がテネリフェで見た「肖像」の一つはこれ。日本人になったつもりのスペイン人？ posted by (C)solar08この人、日本女性になったつもりのようで、足元のお金入れのとなりに、Ｊａｐｏｎと書いてありました。これが日本女性のイメージとは、ちょっと情けないですな。しばらく後に、「仕事が終わった」彼女が、すたすた歩いている姿を見かけました。２．プエルト・デ・ラ・クルーズは、観光客と地元民とが適当に混じり合っているのが魅力です。小さな漁船が出入りする小さな入り江には、毎朝、獲れたばかりの魚を売るスタンドが立ち、下の写真のような素朴なカフェで、地元民がコーヒーやビールをすすり、おいしいセラノハムのサンドイッチ（２００円）をほおばります。テネリフェ島、Ｐｕｅｒｔｏ　ｄｅ　ｌａ　Ｃｒｕｚの入り江のほとりのカフェ posted by (C)solar08地元民の生活を垣間見るようで、朝食は毎日、ここで摂りました。３．ちょっとした広場や街角に、夕方になるとテーブルと椅子が出され、地元民や観光客がすわって、軽くいっぱいひっかける姿が見られます。テネリフェ島、Ｐｕｅｒｔｏ　ｄｅ　ｌａ　Ｃｒｕｚの入り江の広場 posted by (C)solar08ここで皆さんが食べているのは、焼き栗。写真の中央に見える煙突のような筒の中で火をたいて、筒の上の丸い鍋に栗を入れて焼くのです。客は栗をつまみに、プラスチックコップのワイン（一杯１ユーロ、１３０円くらい）を飲むのです。栗は天津甘栗よりも大きくて、日本でふつうに売られている栗ぐらいの大きさ。味もドイツのよりも甘くて、日本のに似ていておいしかったです。ワインはおいしいとは言えませんでしたが。焼き栗と安ワイン posted by (C)solar08テネリフェ島のシンボルは高さ３７００ｍもあるテイデ山、ちょっと富士山に似ています。テネリフェ島のテイデ山 posted by (C)solar08頂上まで登ることもできるのですが、かなりハードで高山病にかかってしまう人もいるとか。富士山にも登ったことのない私は、そういう冒険はしないで、毎回、高度２５００ｍぐらいのところにあるテラスでお茶をして、目の前に広がる火山景観をながめることで満足。テネリフェ島には、このほかにも緑豊かな山々とか、ロス・ギガントスという壮大な断崖の景色とか、マスカという美しい山村など、さまざまな景観や村を楽しめるが魅力。泳げないし、砂浜に寝そべるのも好きでない私には、ちょうどよい島です。そして、テネリフェの最大の魅力は夕焼。今回は、プエルト・クルーズでは雲が広がることが多くて、鮮明な夕焼を見ることができませんでしたが、最後の晩に泊った、島の南、空港近くの海辺でおがむことができました。テネリフェ島の南、空港近くの海岸の夕日 posted by (C)solar08さてさて、一昨日フライブルクに戻ってみると、なんと当地では雪が降り、気温が零度近くにまで下がっているではありませんか。それでも、地球温暖化の「おかげ」か、雪はまたたくまに溶けましたが、風邪を引いてしまいました。一週間怠けたばちが当たったのかもしれません。前回、パンを焼いたときに、ライ麦天然酵母の元種の一部を残しておくのを忘れたので、島から帰ってから、酵母おこしから始めなければなりませんでした。ここでパンを買うのはくやしいので、じっと我慢。明日までには天然酵母が育ってくれて、パンが焼けることを願っています。

  2008/11/24

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  ベルリン観光のおすすめスポット

  ベルリンが好きでよく出かけます。ベルリンは「名所」は多いし、美術館・博物館も充実しているし、何より色々な地区をただ散歩するのも楽しいしで、見る物、行く場所がたくさんあるのですが、ベルリンの中心部から少々はなれた、お気に入りの場所を二つ紹介させてください。一つは、西側の郊外、ヴァンゼーという湖のほとりにあるLiebermann-Villa。２０世紀はじめに活躍した、ユダヤ人画家、マックス・リーベルマンの夏用の別荘跡（写真上）です。彼はここを「夏の城」と名づけて、ここでたくさんの作品を描いたとか。今では美術館になっていて、彼の作品を見るほか、７０００平米の美しいお庭を散歩したり、テラス（上の写真の花壇の向こう）で、お茶を飲むことができます。目の前に広がる白樺林、その向こうの湖を眺めながら、ゆったりと。そもそもヴァンゼーの周辺は、裕福な人の邸宅がぞろぞろ並んでいて、これを「きれい」と感心するか、世の中の貧富の差の大きさに憤慨するかは、人それぞれ、気分それぞれですが、一方では野性的な自然いっぱいの場所もあって、「ここがベルリン？」と信じられないくらい、自然を満喫できます。どうせヴァンゼーまで来たのなら、さらに足を伸ばす（つまりはＳバーンに乗る）と、隣の市、むかし歴史の授業で習った「ポツダム宣言」のポツダム市に着きます。この町も私は好きです。お城もさることながら、私が好きなのは市の中心にある「オランダ地区」（Hol?ndisches Viertel）。赤レンガづくりの、オランダ風の家々が１５０軒もならぶ地区です。これらの家々は、１８世紀にオランダ人の職人のために建てられたという歴史的建造物。倉敷の美観地区や高山の古い町並みエリアを思い出させるように、家々がブティックやカフェやレストランに利用されていて、まあいかにも観光用の地区なのですが、かといって、それほど観光客でごったがえすわけでもなくて、落ち着いていて、どこかのどかなところが気に入っています。下の写真のレストラン（名前を忘れた）で注文した魚スープ（ブイヤベースに似ている）は７ユーロという値段にしては、本格的なお味。フランスのプロヴァンスで食べた高くて気取ったブイヤベースよりもずっとおいしかった。一度はランチタイムが終わるギリギリのときに頼んだのですが、なんと、残りの材料を全部投げ込んでくれたのか、ムール貝がわんさと入っていました。大通りに面した、近頃ドイツでどこでも見られるようになったチョコラッテリア（手作りチョコレートの店）ではコーヒーも飲めます。ドイツにめずらしく、とっても親切でやさしい女性がつくったトリュッフルやチョコレート・アーモンドケーキは甘みが少なくて上品なお味。テーブルが三つしかない小さな裏庭にすわって、コーヒーとトリュッフェルチョコレートをいただくと、自宅の庭にいるような、アットホームな気分になれます。

  2008/10/09

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