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テーマ:花・草・樹木(333)
カテゴリ:野山、植物園、花壇の花
「こだま」と聞くと私の年代は新幹線を思い浮かべる。 後にもっと速い「ひかり」が出来、光より早いものは存在しえないので どうするのかと思っていたら「のぞみ」となった。 リニア新幹線が出来た時どんな愛称がつくのだろうか。 さてその「こだま」はもち論音の反響を言うが、「山びこ」は 森の精・木魂(こだま)が引き起こすと考えれたが, ギリシャ神話では森のニンフ・エコーの仕業と考えられた。 ニンフ・エコーは美少年ナルキッソス(Narcissus)に恋して 言い寄るが叶わない。同情した女神ネメシスはナルキッソスを 自分以外愛せなくしてしまう。 水溜りに写った自分の美貌に恋し、口づけしようとして水中に沈んでしまう。 その水辺に水仙の花が咲いた。こうして水仙はこの美少年の化身とされる。 ナルシズム(Narcissisms、ナルシシズムが正しい)は自己愛、 特に異性を愛せない人格に使われることが多く、侮辱的表現となることが多い。 さてそのヒガンバナ科スイセン属の植物を少年の名前からnarcissusと言う。 水面に写る姿を見なければならないので皆横を向いたり下を向いたりしており、 決して上を向くことは無い。 長い前置きの後本題である。もう40年以上も経つ我が家の植え込みに 自分で持ち込んだ覚えのない水仙が次々と咲いている. 2月初めには伝統的な日本水仙が清楚な姿と芳香を放ちながらやってきた。 少し遅れて中心部が淡い黄色の洋種水仙(園芸種?)が咲いた。 小型の黄色水仙であるテータテート(Tete-a-tate)だけは何年か前 余りのかわいらしさに園芸店で一鉢入手したものがはびこって、文字通り 小人たちが寄り集まって(Teteはフランス語で頭)ひそひそ話をしているさまを 彷彿させる。毎年大挙してやってくる我が家の春の常連客である。 テータテートと入れ替わりにやってきたのがラッパ水仙、 イギリス定番の花でウエールスの国の象徴でもあり、「希望」の象徴でもある。 私はある年の春をイングランドで過ごしたことが有るが 公園や道路と言わず民家もこのDaffodilで溢れていた。 まさしく日本人が桜を愛でるようにイギリスの春の代表的花で春をたたえる 物語や詩の題材であり、高校時代の英語読本で誰かの詩を読んだ記憶がある。 これもどこから来たのであろうかスノーフレークと言うスズランによく似た 鐘状の花びらに緑の斑点をつけた水仙が美しい。 スズランはこれより小型で英語ではスノードロップと名前もよく似ている。 正確には水仙ではないがこれも水仙同様ヒガンバナ科の 植物で極めて近い類縁体である。 以上テータテート以外は知らない間に我が家に忍び込んだ水仙類であるが 今では毎年春の常連客で、まさしく「客あり遠方より来る また楽しからずや」の心境である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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narcissusは、美少年の名前だったのですね。以前聞いていたはずですが、すっかり忘れていました。
ラッパスイセンは、daffodilですね。勉強になりました。 いろいろなスイセンのご紹介、今年もありがとうございます。 (2021.03.23 19:38:43) |