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カテゴリ:短編 SS
興味ない方、嫌悪感を抱かれる方はご遠慮下さい。
七夕、織姫・彦星の物語をBLテイストにしてお送りしていますのでご了承下さい。 一応、二次創作って分類で良いのかな?そういうことにしておきましょう。 Love in the Milky Way 居間に向かうと上座の卓前に父母が並び、次いで長男夫婦、そして織也の席が何時ものように設けてある。毎日変わらぬ朝食の風景、ただ違うのは織也の装束、父母そして兄夫婦、傍に仕える側近達までもが感嘆の声を上げる。織也は家族に愛されているのである。 「織也、傍に来てその姿をよく見せておくれ」 母が呼ぶ、一礼をして、兄嫁の後ろを通って母親の横に向かうと兄嫁の顔がその動きに合わせて動くのが可笑しい。 「随分、立派なこと、彼方、ご覧に成って下さいませ、あの可愛らしかったこのこがこれほどまでに凛々しく立派なのですよ、織姫など止めて男姿で機を織っては成りませんのか?」 「ああ、見違えるようだ、そなたの織った装束が良く似合う」 父の言葉から、この装束を織ったのが母親の手で有ったことを知る。いつ織ったものだろうか?母親が織姫の職をおりたのは織也が織姫に任命される前、だとすると10年になる、だとしたら母はそんなに前から、織也を男姿で育てたいと望んでいたのではないだろうか、そう思うと、胸が苦しくなる。もしも、自分が織姫の職を望まなければ男姿でこの家に居て、母に孝行出来たのではないのだろうか、他に道が無いとしても、なにか方法があったのではないか、頭の中で、心でどう整理していいのか、混乱が生じる。 そんな思いが顔に出たのか母が顔色を伺う。 「織也?」 不振の声に勤めて明るい顔を作り、笑ってみせると今日、逢うと言われていた人物について尋ねた。 「それは食事の後にしようではないか、皆を待たせては悪い、折角の年に一度の休日なのだ、気には掛かるだろうが、お楽しみは後でだよ」 普段は茶目っ気たっぷりの父がウインクをして着席を促すと言う事は、見合いのような重要な用件ではないのではないかと思えてきた。それに、家族の服装を見れば、畏まった席に出席するような装いではないのだ、その中で織也だけが着飾っているのは不自然だと思えるのだ。 一通りの食事が済んだところで父が口を開いた。 出てきた言葉は、遠縁の息子が訪れるという事だった、織也年が近いということもあって、彼が相手をするには適任だということに成ったのだ。 「織也よいな、そなたの友人になれる人物なのだ、学べることも多くあると思う優しくしてやるのだよ」 「はい、父上、喜んで」 笑みがこぼれた、周りからどのように思ったか分からなかったが、見合いだけはする気になれ成った。それさえ避けられれば友人を作れといわれる方がよっぽど気は楽で有るのは事実だった。嬉しそうな顔をみて周囲のもの達を安堵させた、織姫の職以外興味を示さなかった織也が他の事に目をむけると言ったことには驚いたがこれも進歩なのだろうとここに居る全員が思った。 「それでそのお方のお名前は?何時までたいざいなさるのですか?私には織姫の仕事がございます、あまりお構い出来ぬと思うのですが」 「名前は鷲仙(しゅうせん)私の従兄弟の子だよ、日にちは分からぬが、そなたの手が空いた時に相手をしてやればよい」 ![]() にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年07月20日 00時40分37秒
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