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2011.03.10
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カテゴリ:その他の動物


 昨年の2月に「ベッコウマイマイの1種(続)」を掲載したが、その記事の最後に「先日、性懲りもなく植木鉢の下を探していたら、もっと小さなベッコウマイマイ科と思われるカタツムリを見付けた.(中略)此処暫く寒い日が続いて新顔のネタも現れないので、その内また超微小カタツムリを紹介することになるかも知れない」と書いた。しかし、昨年の冬はネタ切れの為カタツムリを4回も掲載したので、余り同じ様なものが続くのも「如何なものか」と思い、結局、その儘御倉入りにしてしまった。

 昨年の更新回数を調べてみると、1月は5回、2月は6回、ネタ不足の割りには結構頑張っている。一方今年はどうかと言うと、1、2月合わせてたったの6回、しかもその内の3回は去年の秋に撮った写真である。少しサボリ過ぎと言える。

 其処で、今日は上で言及した「超微小カタツムリ」を紹介することにした。



ベッコウマイマイの1種(その2)1


石の上を這う殻径1.4mmの超微小カタツムリ

(写真クリックで拡大表示)

(2010/02/09)

 殻径は僅か1.4mm。これまでに紹介した「超微小カタツムリ」の中で最も小さい。今日の写真は、小さい被写体を撮る時にテレプラス×2を使うのが常道になっていなかった時期のものなので、普通の等倍撮影である。だから、最近の写真と比べて解像度がかなり低い。


ベッコウマイマイの1種(その2)2


殻がベッコウ色をしていて中々美しい

(写真クリックで拡大表示)

(2010/02/09)

 土の上では撮影し難いので、平らな径10cm位の石の上に載せて撮ることにした。土の中からほじくり出したのだから、当然、中身(軟体部)は殻の中である。しかし、前回(「ベッコウマイマイの1種(続)」)の経験で分かったことだが、こう云う殻に閉じこもった微小カタツムリは、水を1滴かければ中身を出して来る。先ず石全体を良く洗ってからカタツムリを置き、その上に水を一滴垂らす。何しろ殻径1.4mmと小さいので、表面張力でカタツムリの周囲に水がしっかりとくっ付き、一寸水滴の中で泳いだ様な状態になってしまうが、特に問題はない。


ベッコウマイマイの1種(その2)3


乾燥した場所に移動して軟体部を殻に引き込めるところ

中段は上段の50秒後、下段はその4秒後

(写真クリックで拡大表示)

(2010/02/09)

 直ぐに軟体部を出して来て、暫くすると石の上を這い始めた。写真だけ見ると、普通の大きなカタツムリと何ら変わることはない。これが殻径1.4mmの「超極小カタツムリ」とは一寸思えない姿である。

 この日は最高気温が21℃(気象庁過去の気象データ検索に拠る)にもなり、南風が少し吹いていた。忽ちの内に、石の表面は乾いて行く。2番目の写真で右側が白っぽく写っているが、これは水が蒸発し乾いて来た部分である。

 水分は体長の3乗、表面積は2乗に比例するから、殻径1.4mmでは、あっと言う間に干物になってしまう。上の写真は、カタツムリが表面の乾いた部分へ移動してしまい、乾燥を恐れて軟体部を体に引っ込める所を撮ったものである。上段から下段まで、約55秒。


ベッコウマイマイの1種(その2)4


殻頂から見たベッコウマイマイの1種.螺層は3層半に満たない

(写真クリックで拡大表示)

(2010/02/09)

 カタツムリに水滴をかけ、付いた土が落ちたところで、貝殻を撮影することにした。

 撮影した写真から、一応科の検索をしておこう。東海大学出版会の「日本産土壌動物」にある腹足綱(マキガイ綱)の検索表を引くと、「渦巻き状の殻を持つ→殻口に蓋がない→触角の先に眼がある→殻口内に歯状突起などがない→殻は半透明で薄くてもろい→殻は低円錐形、臍孔は狭いが閉じる」で簡単にベッコウマイマイ科(Helicarionidae)に落ちる。


ベッコウマイマイの1種(その2)5


臍孔は閉じている.半透明の殻を通して軟体部が見える

(写真クリックで拡大表示)

(2010/02/09)

 以前、「ベッコウマイマイの1種」で書いた様に、この文献の本文解説を読むと、「貝殻は殻径2~18mm、薄質で多くは黄褐色を呈し、光沢がある.殻口縁は単純で薄い.(中略)日本産として記録されているのは22属約100種であるが、貝殻の特徴からの分類に加えて、生殖器形態を重視しなければならず、本科の分類学的検討が遅れている.そのため、本科の属までの検索は割愛する」と書かれている。

 従って、属は不明だが、以前の「ベッコウマイマイの1種」とは殻高が異なり(今日の方が殻高がずっと低い)、明らかに別種であろう。結果として、今日の表題は「ベッコウマイマイの1種(その2)」と相成った。



ベッコウマイマイの1種(その2)6


殻口は薄く、かなり丸味を帯びている

(写真クリックで拡大表示)

(2010/02/09)

 この超微小カタツムリを殻頂の方から見ると、巻数(螺層)はまだ3層半に満たない。保育社の「原色日本陸産貝類図鑑」のベッコウマイマイ科各種の解説を読むと、その多くは4~6層である(中にはスジキビガイの様に3.5層と云う巻き数の少ない種もある)。恐らく、このカタツムリはまだ成貝になって居らず、今後成長して、もっと大きくなるのであろう。







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最終更新日  2011.03.10 15:02:43
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