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カテゴリ:ホンダS800C 回顧録
・・・つづき。
2002年10月、3気筒目EX側バルブリフター(以下:VL)の破損(それ以外のバルブリフターも不具合があったし・・。)をきっかけに総取っ替えするコトにした。 とはいうモノの、ただ単にVLを交換するわけにはいかない・・そこにはクリアランス調整という『ミクロ(ミクロン:百分の何ミリ)の世界』を避けて通るコトはできない。 結果的にタペットクリアランスの測定&調整は、私にとって初挑戦だった。で、新たなVLを入れる前に元の状態でのタペットクリアランス、タペットシム厚並びにVL厚を測定しておかなければならない。 測定に必要なモノは『シクネスゲージ・65M』(0.03~1.00ミリ)と『外側測定用マイクロメータ・0-25ミリ』。 クランク軸を手で回しながら、カム山のちょうど反対側がVLの方に向くトコロで各タペットクリアランスをシクネスで測定する。 マニュアルでは規定クリアランスは冷間時0.18~0.22ミリとなっているが、この時私が測定してみると大きく外れている箇所が2つあった。 「1気筒目IN側:0.32 & 4気筒目IN側:0.12」 その他はおおよそ規定値内であった。{※3気筒目EX側はVLの破損で当然測定不可} 各クリアランス値を測定し終えたところで、1番上死点位置に合わせたまま、タイミングチェーンの脱落に注意しながらIN&EXカムシャフトをはずす。ここでカムシャフトやカムホルダーの状態やガタの有無を確認したが特に問題はなかった。 そして、シム厚とVLの厚みをマイクロメータでそれぞれ測定。 タペットシムを目の当たりにしてみると、シムには厚みの数値がちゃんと刻印されているコトに気付く。しかし、その打刻が心持ち薄いモノやほとんど消えかかっているモノもあったので、キチンと計測してみると寸法どおりのモノもあるが、薄いモノや消えかかっているモノはやはりシムを削って薄く調整されているようだった。 私がこのSを所有する以前に、少なくとも一度はこのエンジンは開けられているというコトが分かる。 だとすると、上記のようになぜ『1のIN』と『4のIN』の数値がこんなにずれているのか気がかりではあったが、悩んでいても燃焼室側のバルブシートとの当たり面の状態までは見られない現時点では数値に基づいて修正するほか無い。(実はシリンダーヘッドまで開けて見る度胸がなかった?) そして、VLの厚みもマイクロメータで計測、厚みは3.80~4.02ミリとこちらも結構バラツキがあるコトがわかる。 というコトは、シムをやみくもに削って調整しなくても、シムと新たなVLの組み合わせによってもかなりタペットクリアランスの規定値に持っていけるのではないかと期待! 例を挙げると・・。 元の1番IN VL厚3.80+シム厚2.80+クリアランス0.32=6.92 6.92-規定クリアランス0.20-シム厚2.80=3.92 クリアランスは0.20±0.02にしたいワケだから、シム厚はそのままでも新たなVLの中で3.92±0.02のモノがあればそれを使用すれば良いという寸法。 こういう具合で組み合わせていった結果、シムを削らなければならなかったのは、8個中3個でコト済んだ。 {※注:新たなVLは、元のVLよりも相対的に厚みがあったコトにも起因する。} ただし、その中の最後の1個はとぉ~っても削らなければならなかったが・・・シム厚2.34→2.19にまで削ぎ落とすコトになった。 ちなみに2.19ミリ厚のタペットシムはパーツリスト上でもラインナップ外で、2.275~4.100の0.025刻み。0.01ミリ落とすのにサンドペーパー800番(オイルを付けて。)の上を約100往復しなければならなかった。つまり約1500往復・・ふぅ~疲れた(回想) こうしてバルブリフターを変更していった時のメモが↓↓↓である。 えらく汚いのは、去年の福井水害(2004.7.18)でスクラップしていたケースごと水没したため(TдT)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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