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あたふたあなくろクロニクル

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2010.03.28
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おうし座「格差」を肌で感じつつ、今度こそインドの話に戻ろうと思う。

日本の格差が叫ばれて久しいとはいうものの、
「格差」というよりこれはつまるところ「所得差」で、
「格」はあんまし関係ない気がする
(と、低所得者層として言い聞かせてるような気もするが)。

一方インドの「格差」には格式もあり歴史もあり、
(新たな富裕層は出てるのだろうけど)その差は未だに如実。

その辺をインド人自身はどう思っているのだろうか、というのは
行く前から頭にあったのだが、
確固たる答えは出ないまま、
むしろさらに頭は混乱した気がする。

そして日本車を走らせるリシケシ出身の運転手さんは、
自ら「貧乏」を前面に押し出しつつも
政府を批判することはなく、
我が身を呪うでもなく、

神を呪うどころか
「シヴァが好きどきどきハート」と笑い(運転席のフロントにはシヴァ神の絵が飾ってあった)

ただ単純に貧乏を訴えていた。

「もう少し行くと、いいレストランがある。安い。」と運転手さんは言った。
そこでランチにしよう、と。「チャイもうまい」そうである。

私はさほどおなかが空いていなかったが、
この辺でトイレ休憩は嬉しい。

運転手さんもやっぱりベジタリアンなのかな?と思って訊いてみたら、
意外や違うという答え。

「おたくは?」と言うので、
リシケシではベジになるつもりとはいえ
一応この時点ではノンベジであるからしてそう答えると、

「おー、仲間!」と握手を求めてきた。
「チキーン、マトーン食事音符

ふうん、そういうものなのかあ。聖地の住民なら肉食べないとは限らないのね。

「あと20分。」という運転手さんの数字が正しかったかどうかは確かめなかったが、
やがて日本の高速サービスエリアみたいな雰囲気の場所が見えてきた。

運転手さんは車を停めると、
「トイレはあそこだ」と言った。

「行け、行け、先に行け」と、やたら急かすのである。

第二の意外。ここのトイレはきれいだった。
トイレットペーパーもきちんと入っていた。
入口で待ち構えている母娘もいなかった
(チップを待つトイレ番は親子のペア、もしくは三人組が多かった)。

運転手さん、ここは正解ですグッド

と思って出てきたら、運転手さんが見あたらない。お化け

・・・運転手さんもトイレに行くのか、あるいはトイレのそばで待っていてくれるのか、と
思っていた私は戸惑った。

レストランの前で待ってるのかも?

パティオ風のスペースを横切ってレストランの入口に行く。
だがここにもいない。

中を覗くと、かなり混んでいる。立って食べてる人がほとんど。

雫再び外へ。
えーん、どこに行っちゃったの・・・?

駐車場まで戻ってみた。車を探し当てたが中には誰もいない。

雫雫

行ったり来たりをしばらく繰り返す。
どうしよう。はぐれるなんて… でもまさか客を置いて出てっちゃうことはないよね。

食べて待つべきか、テイクアウトできるもの持って車に戻るか…
と、もう一度レストランに戻ったら、

運転手さんが出てきた。!

満足(満腹)げな顔で出てきた。

食べてきた、というのである。

――えええーー!

最初に言ってよ、それぇ・・・

いささかむっとした私は、「じゃ私も食べてきます」と、入れ違いに中に入った。
「OKOK Take your time」と運転手さん。

・・・何も気にしてない…

幸いにしてこのレストランには写真が掲げてあったが、
すべての料理が出てるはずもない。

立ち食いの人たちのテーブルをちらりと見る。
焼きそばみたいなの食べてる夫婦(Chow-menはわりに普遍であった模様)。
やたらに長いロール状チャパティとカレーという人もいた。
(その後わかったが、これは南部メニューらしい。ちゃんと焼き型があって、それに巻きつけて焼くのである)
・・・
迷った結果、無難なものに落ち着く。この先まだ数時間あるからね。

…チキンバーガー。面白みはないが仕方ない。
出来ればこの際マトンを注文したいところだったが、ここのメニューにはなかった。

まず注文。チケット代わりのメモを持って、それぞれのカウンターに行く。
頼む料理によってカウンターが違うのだ。

まずバーガーをもらって、飲み物コーナーでラッシー。
パンはいわゆる「バーガーバンズ」ではなくて、ちょっと甘めの四角いパン。

しかし結構おいしかった。ラッシーもおいしかった。
せっかくだからチャイも追加した。

この点では満足。
だが運転手さんにはちと不満を抱えた私であった。

・・・が、あとで思えば、運転手さんが正しかったのだ。

京都の観光タクシーだって、
運転手さんとお客さんが一緒に食事をするってのはないだろう。

運転手さんはある意味、気をまわしたとも言えるわけで…
(まあ、ひとこと言ってほしかった気はするけれど)

日本だったら私も運転手さんと食事するなんて考えないだろう。
うーむ、どこで勘違いしたんだろうか。

幾分の固さを残しつつ(私の側だけかもしれないが)出発。

ほどなく川岸の道とおさらばし、再び喧騒の街中に戻って行く。

ハリドワールが近づいてきた。
ハリドワールが近づいてくればリシケシも近い。

そして格差の温度差はまたしても小出しに終わったのでした。

 

 






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Last updated  2010.03.28 20:21:07
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