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カテゴリ:インド・インクレディブル篇
日本の格差が叫ばれて久しいとはいうものの、 一方インドの「格差」には格式もあり歴史もあり、 その辺をインド人自身はどう思っているのだろうか、というのは そして日本車を走らせるリシケシ出身の運転手さんは、 神を呪うどころか ただ単純に貧乏を訴えていた。 「もう少し行くと、いいレストランがある。安い。」と運転手さんは言った。 私はさほどおなかが空いていなかったが、 運転手さんもやっぱりベジタリアンなのかな?と思って訊いてみたら、 「おたくは?」と言うので、 「おー、仲間!」と握手を求めてきた。 ふうん、そういうものなのかあ。聖地の住民なら肉食べないとは限らないのね。 「あと20分。」という運転手さんの数字が正しかったかどうかは確かめなかったが、 運転手さんは車を停めると、 第二の意外。ここのトイレはきれいだった。 運転手さん、ここは正解です と思って出てきたら、運転手さんが見あたらない。 レストランの前で待ってるのかも? パティオ風のスペースを横切ってレストランの入口に行く。 中を覗くと、かなり混んでいる。立って食べてる人がほとんど。
駐車場まで戻ってみた。車を探し当てたが中には誰もいない。 行ったり来たりをしばらく繰り返す。 食べて待つべきか、テイクアウトできるもの持って車に戻るか… 運転手さんが出てきた。 満足(満腹)げな顔で出てきた。 食べてきた、というのである。 ――えええーー! 最初に言ってよ、それぇ・・・ いささかむっとした私は、「じゃ私も食べてきます」と、入れ違いに中に入った。 ・・・何も気にしてない… 幸いにしてこのレストランには写真が掲げてあったが、 立ち食いの人たちのテーブルをちらりと見る。 …チキンバーガー。面白みはないが仕方ない。 まず注文。チケット代わりのメモを持って、それぞれのカウンターに行く。 まずバーガーをもらって、飲み物コーナーでラッシー。 しかし結構おいしかった。ラッシーもおいしかった。 この点では満足。 ・・・が、あとで思えば、運転手さんが正しかったのだ。 京都の観光タクシーだって、 運転手さんはある意味、気をまわしたとも言えるわけで… 日本だったら私も運転手さんと食事するなんて考えないだろう。 幾分の固さを残しつつ(私の側だけかもしれないが)出発。 ほどなく川岸の道とおさらばし、再び喧騒の街中に戻って行く。 ハリドワールが近づいてきた。 そして格差の温度差はまたしても小出しに終わったのでした。
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Last updated
2010.03.28 20:21:07
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